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思い出のおさじ
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思い出のおさじ
「ほれこぼしてる」「お皿を反対で持つ、よーし。」
祖母は食事中の4歳の私に容赦なし。
ハアきつい言い方だな。そうかと思えば、
「クレーン車じゃないんですから、もっとお皿を近寄せて
おかずを取ってくださな。」
そう言ってうんと年上の大ばあさんを叱りつける。
ああなんだ誰にでもこうなんだ!と小さいながらに安心したのと
新幹線の長旅で疲れた口に祖母のおいしい料理、箸は止まらない。
小学生の頃、小さな包みに書かれた「最中」を漢字が読める嬉しさで
「なにこのお菓子、さいちゅう?」と読んだ私を「もなかですよ」と祖母と一緒に大笑いしていた大ばあさん。ああ読み間違っちゃった。
恥ずかしかったけど、(へえ!大ばあちゃんこんなに笑うんだ!)と
しかも私の間違いのお陰で笑ってくれたんだとちょっぴり嬉しかったのは内緒。
あの時の大ばあさんは私が見た中で一番笑ってたっけ。
そんな大ばあさんが八年前、105歳でこの世を去ってから葬式だなんだと
あちらこちらを駆け回っていた祖母。
長野県の山奥で一人力強く暮らしていた祖母。
それからも、両親共働きの私の家に手作り料理を
送ってくれた。煮物や卵焼き。車をブンブンひとっ走りさせ
集荷所まで行ってくれたことへの感謝。
箱を開けると料理の他に献立とメッセージカードが!
"たくさん食べてね,,とかそんなこと。でも、一番嬉しかったのは
祖母の家の匂いがファっと香ってきたことかな。
寂しい私に長野のみんなで過ごした家の空気を
箱にちょっと入れておいてくれたのかな、なんて今頃になって想像する。
いやきっとそうに違いない。
いつだったかの大晦日、そばが苦手な私に一人だけうどんを茹でて
「年越しうどんさ」なんて笑っていたユーモアたっぷりの祖母だったから。
でも手間だったでしょ、ごめんね、本当にありがとう。
そんな祖母との一番の思い出。
それは三歳の頃のおやつのプリン。
いつも渋いお菓子ばかりだったおやつの時間。
たまに出てくるプリンはもうとびきりうれしい。
「食べるの?今おさじを用意しますからね。」
おさじ?と思っている私にスプーンをくれた。
(物には色んな言い方があるんだ!)
幼心にも得た新鮮さは大人になっても忘れない。
「おいしゅうございましたか?」「うん!」「ようございましたね。」
なんてやりとりしたっけ。
四年前のお葬式。棺に入れた小さなお餅。
「おいしゅうございましたか?」今度は私が言う番。
返事はないけれど冥土に行くまでの長い道のり、
立派な腹ごしらえと孫の私との最後のやり取りを
喜んでくれたんだと信じている。
最後まで祖母とは食の思い出いっぱい。
今でもおさじと聞くと、甘いプリンの味が
口いっぱいに広がってくる。
「ほれこぼしてる」「お皿を反対で持つ、よーし。」
祖母は食事中の4歳の私に容赦なし。
ハアきつい言い方だな。そうかと思えば、
「クレーン車じゃないんですから、もっとお皿を近寄せて
おかずを取ってくださな。」
そう言ってうんと年上の大ばあさんを叱りつける。
ああなんだ誰にでもこうなんだ!と小さいながらに安心したのと
新幹線の長旅で疲れた口に祖母のおいしい料理、箸は止まらない。
小学生の頃、小さな包みに書かれた「最中」を漢字が読める嬉しさで
「なにこのお菓子、さいちゅう?」と読んだ私を「もなかですよ」と祖母と一緒に大笑いしていた大ばあさん。ああ読み間違っちゃった。
恥ずかしかったけど、(へえ!大ばあちゃんこんなに笑うんだ!)と
しかも私の間違いのお陰で笑ってくれたんだとちょっぴり嬉しかったのは内緒。
あの時の大ばあさんは私が見た中で一番笑ってたっけ。
そんな大ばあさんが八年前、105歳でこの世を去ってから葬式だなんだと
あちらこちらを駆け回っていた祖母。
長野県の山奥で一人力強く暮らしていた祖母。
それからも、両親共働きの私の家に手作り料理を
送ってくれた。煮物や卵焼き。車をブンブンひとっ走りさせ
集荷所まで行ってくれたことへの感謝。
箱を開けると料理の他に献立とメッセージカードが!
"たくさん食べてね,,とかそんなこと。でも、一番嬉しかったのは
祖母の家の匂いがファっと香ってきたことかな。
寂しい私に長野のみんなで過ごした家の空気を
箱にちょっと入れておいてくれたのかな、なんて今頃になって想像する。
いやきっとそうに違いない。
いつだったかの大晦日、そばが苦手な私に一人だけうどんを茹でて
「年越しうどんさ」なんて笑っていたユーモアたっぷりの祖母だったから。
でも手間だったでしょ、ごめんね、本当にありがとう。
そんな祖母との一番の思い出。
それは三歳の頃のおやつのプリン。
いつも渋いお菓子ばかりだったおやつの時間。
たまに出てくるプリンはもうとびきりうれしい。
「食べるの?今おさじを用意しますからね。」
おさじ?と思っている私にスプーンをくれた。
(物には色んな言い方があるんだ!)
幼心にも得た新鮮さは大人になっても忘れない。
「おいしゅうございましたか?」「うん!」「ようございましたね。」
なんてやりとりしたっけ。
四年前のお葬式。棺に入れた小さなお餅。
「おいしゅうございましたか?」今度は私が言う番。
返事はないけれど冥土に行くまでの長い道のり、
立派な腹ごしらえと孫の私との最後のやり取りを
喜んでくれたんだと信じている。
最後まで祖母とは食の思い出いっぱい。
今でもおさじと聞くと、甘いプリンの味が
口いっぱいに広がってくる。
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