SLAVE -黒翼の騎士-

序章

プロローグ

「お願いします！ここから出して下さい！」

ここは薄暗い地下室
照明は壊れて使い物にならない。
一本のロウソクだけがこの部屋を照らしていた。

「君は僕の展示会に協力するって言ったじゃないか？」

部屋の中には椅子に拘束された女と眼鏡をかけた綺麗な顔立ちの男の二人がいた。

「協力するって言ったけど…こんなはずじゃ…！」

「頼むよ、君自身が芸術アートになるんだ。」

男はニヤリと笑い出し、ジャケットの裏からナイロン製のロープを取り出した。

「やめてください！！うぅ…くるじぃ…ぁ…あ、ああ」

女はロープで首を絞められ、首はだらんと下がり、そのまま動かなくなった。

「刃物で刺すと血で体が汚れるからね、洗うのも大変だし。こうやって綺麗なままを維持するんだ。」

男はだらんと下がった女の顔を上げて言った。
男の声はもう、聞こえてはいない。

「展示会を開くにはもっと人が必要だ。だが一人一人殺すのは面倒だ…もっと効率の良い方法を考えよう。」

男は地下室を後にした。