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4話
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あの後すぐに家族にも使用人にも、ノーバートが来ても部屋に入れるなと厳命していた。
階級的な問題はあるけど、公爵家とはいえ子息なら、まだどうにかなるはずだ。
もちろん理由もなく出禁にするのはダメだろう。
家同士の問題になったら、負けるのは階級の下な僕の家だから。
だから表向きは、風邪を引いて隔離中、ということにしてもらっている。
あんまり気が乗らなくて、原稿作業も一旦休止。
隣り合っていてもそれなりに距離があるからすぐには来ないだろう。
しばらくはノーバートの事も忘れて、ダラダラ過ごすことに決めた。
……なのに、何故だろう。
仮病を理由にベッドでのびのび昼寝して、目を覚ました僕の枕元に、ノーバートが当然のような顔で座っていた。
「……なんでいるの?」
「病気見舞いがしたいと言ったら、通してくれた」
なんで!? 厳命したのに、なんで!?
呆然としている僕の顔を覗き込んで、ノーバートはにこりと笑う。
「病弱な息子の、数少ない友が訪ねて来たんだ。親心としては、当然だろう」
清廉な騎士の顔で言うな。
……確かに、僕を個人的に訪ねてくる人間は、領地に籠もってから、初めてだけど。
「それに、お前が風邪で寝込んだと聞いたら、様子を見に来ないわけがないだろう。
いまだ病が癒えきっていないというじゃないか」
そう言いながら、ノーバートは何のためらいもなく、
僕の額に手を伸ばしてきた。
うん、ノーバートの手の方があったかいね。
仮病がバレないといいけど。
無意識に、体がカチンと固まった。
背中を冷や汗が流れていく。
ノーバートの目がスッと細められた。
表情、消えてるんだけど。
「……ノーバート…?
ほ、ほんとに軽い風邪だから。ね?」
僕の言い訳じみた言葉に、ノーバートは無言のまま、額に置いた手をずらして、僕を目隠しした。
顔の前に気配が生まれて、直後、唇に柔らかいものが触れた。
すぐに離れると、小さく息を吐き、もう一度触れて、軽く下唇を噛まれた。
「また明日、様子を見に来る。
寝付いているようなら、泊まりで看病させてもらうからな」
ノーバートの大きな手が退き、僕は目を開ける。
怒ったような、悲しいような、複雑な顔で僕を見つめるノーバートの顔が目に入る。
言い訳も出来ない。
僕が小さく頷くと、髪をするりと撫でて、ノーバートは部屋を出ていった。
ノーバートが閉めた部屋の扉を見つめながら、深いため息を吐く。
唇に残った感触を、無意識に指でなぞる。
なんで、こうなっているんだ?
僕は結構な数のBL作品を読んできて、いつも思っている事がある。
とりあえずお前ら話し合え、だ。
会話をしたら解決する問題で右往左往するキャラたちやカップルたちのなんと多いことか。
まあかく言う自分のこれまでに描いた作品にも割と居る。
ストーリーを動かすためのすれ違いって、会話させると解決しちゃうし、会話できないからこそだからなあ。
実際、現実にもこうして話にならない場面が、今。
ノーバートの実家領から往復一日。
「また明日って、来れるわけないじゃん」
本人に伝えられない言葉を、残った気配に向かって呟いた。
階級的な問題はあるけど、公爵家とはいえ子息なら、まだどうにかなるはずだ。
もちろん理由もなく出禁にするのはダメだろう。
家同士の問題になったら、負けるのは階級の下な僕の家だから。
だから表向きは、風邪を引いて隔離中、ということにしてもらっている。
あんまり気が乗らなくて、原稿作業も一旦休止。
隣り合っていてもそれなりに距離があるからすぐには来ないだろう。
しばらくはノーバートの事も忘れて、ダラダラ過ごすことに決めた。
……なのに、何故だろう。
仮病を理由にベッドでのびのび昼寝して、目を覚ました僕の枕元に、ノーバートが当然のような顔で座っていた。
「……なんでいるの?」
「病気見舞いがしたいと言ったら、通してくれた」
なんで!? 厳命したのに、なんで!?
呆然としている僕の顔を覗き込んで、ノーバートはにこりと笑う。
「病弱な息子の、数少ない友が訪ねて来たんだ。親心としては、当然だろう」
清廉な騎士の顔で言うな。
……確かに、僕を個人的に訪ねてくる人間は、領地に籠もってから、初めてだけど。
「それに、お前が風邪で寝込んだと聞いたら、様子を見に来ないわけがないだろう。
いまだ病が癒えきっていないというじゃないか」
そう言いながら、ノーバートは何のためらいもなく、
僕の額に手を伸ばしてきた。
うん、ノーバートの手の方があったかいね。
仮病がバレないといいけど。
無意識に、体がカチンと固まった。
背中を冷や汗が流れていく。
ノーバートの目がスッと細められた。
表情、消えてるんだけど。
「……ノーバート…?
ほ、ほんとに軽い風邪だから。ね?」
僕の言い訳じみた言葉に、ノーバートは無言のまま、額に置いた手をずらして、僕を目隠しした。
顔の前に気配が生まれて、直後、唇に柔らかいものが触れた。
すぐに離れると、小さく息を吐き、もう一度触れて、軽く下唇を噛まれた。
「また明日、様子を見に来る。
寝付いているようなら、泊まりで看病させてもらうからな」
ノーバートの大きな手が退き、僕は目を開ける。
怒ったような、悲しいような、複雑な顔で僕を見つめるノーバートの顔が目に入る。
言い訳も出来ない。
僕が小さく頷くと、髪をするりと撫でて、ノーバートは部屋を出ていった。
ノーバートが閉めた部屋の扉を見つめながら、深いため息を吐く。
唇に残った感触を、無意識に指でなぞる。
なんで、こうなっているんだ?
僕は結構な数のBL作品を読んできて、いつも思っている事がある。
とりあえずお前ら話し合え、だ。
会話をしたら解決する問題で右往左往するキャラたちやカップルたちのなんと多いことか。
まあかく言う自分のこれまでに描いた作品にも割と居る。
ストーリーを動かすためのすれ違いって、会話させると解決しちゃうし、会話できないからこそだからなあ。
実際、現実にもこうして話にならない場面が、今。
ノーバートの実家領から往復一日。
「また明日って、来れるわけないじゃん」
本人に伝えられない言葉を、残った気配に向かって呟いた。
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