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11話
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誤解が過ぎるけど、客観的に考えると、確かにそう見えてもおかしくないかもしれない。
推しを見る目って多分恋してるのと変わんないと思う。
好きって感情で見るわけだし。
いや、それでもこの嫉妬感丸出しは順番が違わないか?
僕は寝返りを打ってノーバートの方を向き、彼の服をちょいちょいと引っ張った。
「ねえノーバートは何を言ってるの?
僕が王子を熱い目で見つめてて何がおかしいの?
僕が王子を好いていて、なんで君に責められないといけない?」
ちょっとだけ言葉を引っ張り出したくて、煽りを入れてみる。
ノーバートは驚いたように顔を上げて僕を見た。
だってお前、僕に好きって言ってないじゃん。
ここに来た理由も仄めかしだけで、きちんと話してないじゃん。
「僕が何を考えて漫画を描いても、どんな気持ちで王子を見てても、今の状態のノーバートに何か言う権利はないんだよ?」
僕の言葉に、ノーバートはひゅっと息を吸った。
背中押したくないなあ。
押したら僕も戻れなくなる。
ただの元同室から一足飛びすぎだろ、って思う自分もいる。
だって六年だよ?
王都での用事で顔を合わせるのだって年に片手程度だったじゃん。
目が合わなかったのが嫉妬からきてたとしても、僕にはわからなかったし。
積み重ねる気持ち、ノーバートにはあっても、僕にはなかった。
でも、ここまで来たら今更か。
絆されちゃったなら、遅かれ早かれこうなるしかないもんな。
だって僕にも芽生えちゃったから。
僕は少しだけノーバートから目を背けて、摘んでいた彼の服を強く引っ張った。
「権利が欲しいなら、ちゃんとして」
起き上がりながら、怒ってるんだからねを表情にして、ノーバートを睨みつける。
本気で怒った風の僕に驚いたのか、ノーバートは目を丸くしたと思ったら、片手で顔を覆った。
そして喉から搾り出すような声を出す。
「……そんな可愛い顔をしないでくれ」
ハァァ!?
僕怒ってるんですけどぉ!!
本気で怒るぞ、もう!
ノーバートは深く息を吐くと、ぷんぷんしている僕をぎゅうっと抱きしめた。
力が強くて息が苦しくなるくらいに抱きしめてくる。
「エリアス、お前が好きだ。
初めて会って一緒に過ごしてる頃から、ずっと好きだ」
抱きしめてくる力とは逆に、弱々しくて小さな声だ。
耳元に流れ込んでくるその声に、元々絆されていた僕は落ちるしかなかった。
「ん、やっと言ったな」
なんとか腕をノーバートに回して、抱き返す。
肩口に乗せられたノーバートの首が、縦にこくこくと動いた。
と、部屋の入り口からパチパチと拍手が聞こえた。
「おめでとう、ノーバート。お前もやっと男になれるな」
ノーバートの背中越しに扉の方を覗く。
開けっぱなしの扉の向こうには、輝くような笑顔で手を叩く王子と、苦い顔をして仕方なさそうに笑っている兄二人が立っている。
……これ多分ほぼほぼ一部始終を見られてるやつじゃん。
扉くらいちゃんと閉めろよ、ノーバート。
気付かなかった僕も僕だけど。
王子の声に、さらにノーバートが力を込める。
これ以上締められたら、僕の中身が出ちゃいそうだから、そろそろ離して。
背中を強めにタップすると、嫌々そうに体を離してくれた。
はー、死ぬかと思った。
離れて見るノーバートの顔は、真っ赤に染まっていた。
ぎゅうぎゅうに締められて赤くなっている僕とは、違う理由だろう。
なんだ、こいつ、可愛いんじゃん。
最初からいやらしい笑いじゃなくて、こう言う顔見せてたら話早かったかもなのにな。
いや、僕のことだエロ漫画見て赤くなってると勘違いはしそうだな。
まあいいや。
とにかく、そんな可愛い顔しているノーバートの目を見つめる。
「僕も君に絆されちゃったみたいだ……うん、好き」
ノーバートの陰に隠れてて僕の顔も声も向こうの三人には届いてないと信じて、そう返事をした。
思った以上に年数拗らせてたんだな、ノーバート。
どの辺であの頃の僕を好きになったのかは、追々追求してやろう。
推しを見る目って多分恋してるのと変わんないと思う。
好きって感情で見るわけだし。
いや、それでもこの嫉妬感丸出しは順番が違わないか?
僕は寝返りを打ってノーバートの方を向き、彼の服をちょいちょいと引っ張った。
「ねえノーバートは何を言ってるの?
僕が王子を熱い目で見つめてて何がおかしいの?
僕が王子を好いていて、なんで君に責められないといけない?」
ちょっとだけ言葉を引っ張り出したくて、煽りを入れてみる。
ノーバートは驚いたように顔を上げて僕を見た。
だってお前、僕に好きって言ってないじゃん。
ここに来た理由も仄めかしだけで、きちんと話してないじゃん。
「僕が何を考えて漫画を描いても、どんな気持ちで王子を見てても、今の状態のノーバートに何か言う権利はないんだよ?」
僕の言葉に、ノーバートはひゅっと息を吸った。
背中押したくないなあ。
押したら僕も戻れなくなる。
ただの元同室から一足飛びすぎだろ、って思う自分もいる。
だって六年だよ?
王都での用事で顔を合わせるのだって年に片手程度だったじゃん。
目が合わなかったのが嫉妬からきてたとしても、僕にはわからなかったし。
積み重ねる気持ち、ノーバートにはあっても、僕にはなかった。
でも、ここまで来たら今更か。
絆されちゃったなら、遅かれ早かれこうなるしかないもんな。
だって僕にも芽生えちゃったから。
僕は少しだけノーバートから目を背けて、摘んでいた彼の服を強く引っ張った。
「権利が欲しいなら、ちゃんとして」
起き上がりながら、怒ってるんだからねを表情にして、ノーバートを睨みつける。
本気で怒った風の僕に驚いたのか、ノーバートは目を丸くしたと思ったら、片手で顔を覆った。
そして喉から搾り出すような声を出す。
「……そんな可愛い顔をしないでくれ」
ハァァ!?
僕怒ってるんですけどぉ!!
本気で怒るぞ、もう!
ノーバートは深く息を吐くと、ぷんぷんしている僕をぎゅうっと抱きしめた。
力が強くて息が苦しくなるくらいに抱きしめてくる。
「エリアス、お前が好きだ。
初めて会って一緒に過ごしてる頃から、ずっと好きだ」
抱きしめてくる力とは逆に、弱々しくて小さな声だ。
耳元に流れ込んでくるその声に、元々絆されていた僕は落ちるしかなかった。
「ん、やっと言ったな」
なんとか腕をノーバートに回して、抱き返す。
肩口に乗せられたノーバートの首が、縦にこくこくと動いた。
と、部屋の入り口からパチパチと拍手が聞こえた。
「おめでとう、ノーバート。お前もやっと男になれるな」
ノーバートの背中越しに扉の方を覗く。
開けっぱなしの扉の向こうには、輝くような笑顔で手を叩く王子と、苦い顔をして仕方なさそうに笑っている兄二人が立っている。
……これ多分ほぼほぼ一部始終を見られてるやつじゃん。
扉くらいちゃんと閉めろよ、ノーバート。
気付かなかった僕も僕だけど。
王子の声に、さらにノーバートが力を込める。
これ以上締められたら、僕の中身が出ちゃいそうだから、そろそろ離して。
背中を強めにタップすると、嫌々そうに体を離してくれた。
はー、死ぬかと思った。
離れて見るノーバートの顔は、真っ赤に染まっていた。
ぎゅうぎゅうに締められて赤くなっている僕とは、違う理由だろう。
なんだ、こいつ、可愛いんじゃん。
最初からいやらしい笑いじゃなくて、こう言う顔見せてたら話早かったかもなのにな。
いや、僕のことだエロ漫画見て赤くなってると勘違いはしそうだな。
まあいいや。
とにかく、そんな可愛い顔しているノーバートの目を見つめる。
「僕も君に絆されちゃったみたいだ……うん、好き」
ノーバートの陰に隠れてて僕の顔も声も向こうの三人には届いてないと信じて、そう返事をした。
思った以上に年数拗らせてたんだな、ノーバート。
どの辺であの頃の僕を好きになったのかは、追々追求してやろう。
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