君に仇なう恋の行方

はし子。

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 大学へ入ってそろそろ半年が経つ。数人だけど友達も出来た。サークルには入らず、適度なバイトを入れて実家暮らしをしている。

「海里、今日何限?」
「3限かなー? 俺今日そんだけ」

 教科書を揃えつつにやっと笑うと、友達は「ええー」と唸った。被る授業はいつも一緒に受けているから、いないと寂しいのかいつもこんな反応だ。

「1人で授業未だに慣れへんねんけど。寂しいから一緒におってや」
「なんでやねん大学生にもなって。俺明日提出の片付けたいから図書館かカフェおるわ」

 1限が終わり、次の授業を取っている友達はまるで子犬のような目をしていた。けれど自分の授業以外で教室にいるのは何だか居心地が悪いので断る。我ながらきっぱりと断っている。

 おもんない~、と友達が言うのには返さないまま、「んな行くわ」と荷物を纏めて立ち上がった時、不意に誰かとぶつかってしまった。

 ——トンっ、と軽く自分の腕が相手の肩へ当たる。その衝撃で、相手が持っていた資料が床へ散らばってしまった。

「す、すいません! よそ見してて!」

 すぐさま屈んでプリントやファイルを拾った。散らばるそれには、文献に色々ラインマーカーが引かれていて、所々に乱雑な字のメモが書き込まれていた。

(勉強熱心な人……こんな人この大学にいてんねや……)

 そんな事を思いながら、そのメモの字に見覚えがある事に気付く。
 この字———と上を見ると、不機嫌そうに顔を歪めた男が自分を見下ろしていた。




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