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動乱編
ep113 その者は...(フェエル視点)
ボガァァァンッ!
その時、魔犬の身体に突然の小爆発が起こった。
それにより魔犬の動きが止まる。
この爆発ってまさか...と思ったけど、それよりも今はミアちゃんを助けるチャンスだ!
「ミアちゃん!」
ぼくはミアちゃんに駆け寄っていって腕を引っ張って、そのまま魔犬から離れていった。
「ご、ごめん。フェエルくん」
「ぼくのほうこそごめん。見通しが甘すぎた」
「今の爆発って」
「うん。まさかとは思ったけど」
ぼくとミアちゃんは、爆発の原因と思われる者へ視線を転じた。
「見ればわかるだろうが。あの魔犬は、お前らじゃ無理だ」
ナイフを投げ抜いた姿勢のノエルくんが立っていた。
感謝よりも驚きだ。
ついさっきまでぼくたちを痛めつけていたのに、なぜ助けてくれたんだろう。
「なんでって顔してるな」
「あ、いや、うん」
「使い魔も暴走することがある。他の誰でもないガブリエル先生自身が言っていた言葉なんだよ」
「で、でも、ガブリエル先生に限ってそんなこと、あるのかな」
「わざと暴走させている可能性だってある。あの人、そういうところあるから」
「つまり、これも授業の一環だと」
「わからないが、この魔犬は......おれたち特別クラスを試しているのかもしれないな」
ノエルくんは魔犬に向かって新たにナイフを構えた。
グルルル......魔犬は唸りながら、ノエルくんに向かってゆっくりと歩き始めた。
さっきの爆裂ナイフのダメージは見受けられない。
「〔焼夷短刀〕」
ノエルくんから爆裂ナイフが放たれた。
リリースの瞬間、閃光が瞬いた。
ぼくたちに攻撃してきたものとは違う。
おそらく、ノエルくんの本気の一撃!
ドガァァァァン!!
直撃した。
巻き上がる煙に魔犬の図体が隠れた。
「やった!すごい!」
本気を出したノエルくんの爆裂ナイフは、こんなにのも凄いのか。
ぼくもミアちゃんも素直に感嘆した。
「!」
ところが、煙が晴れてぼくらの目に映ったのは、全身の毛を逆立てて唸る魔犬だった。
ダメージを受けて怒っているよう。
「あれで倒せないか。くそっ!」
ノエルくんの額には冷や汗が流れている。
魔犬はグルルル......と唸ってから、
「ガルァァァッ!」
一気にノエルくんへ飛びかかった。
ノエルくんが身をかわし、本格的な戦闘が始まる。
「ど、どうしよう。わたしたちも手伝ったほうがいいのかな」
魔犬とノエルくんの攻防を眺めながらミアちゃんが言った。
ぼくは一瞬考えてから、かぶりを振る。
「いや、足手まといになるだけだと思う」
「で、でも」
「わかってるよ。ノエルくん、押されているよね」
「あの魔犬。相当強いよね」
「うん。でも、ノエルくんが押されている理由はおそらくそれだけじゃない」
「やっぱり、わたしがやった風魔法のダメージが残ってるんだよね」
ノエルくんの動きは精彩を欠いている。
原因は、十中八九ミアちゃんの風魔法によるダメージだろう。
ミアちゃんはそのことを気に病んでいるんだ。
自分も尻尾をやられたのに。優しいな。ミアちゃんは。
「大丈夫だよ。ミアちゃん」
「ノエルくんが勝つってこと?」
「ぼくたちが、ノエルくんと戦い始めてから何分経った?」
「え?なんでそんなこと急に...」
「そろそろ戻ってくるはずなんだ」
ミアちゃんは「あっ」となり、こくんと頷いた。
ノエルくんは、魔犬に押されつつも凌いでいる。
このまま堪えていてくれれば、直にヤソみんが戻ってきてなんとかしてくれるはず!
と思った矢先。
「!」
魔犬が予想を超えた動きを見せる。
その身体をぴょーんと跳躍させると、ノエルくんの上を超え、彼の後ろにある木に着地した。
そのまま後ろ足を踏み蹴り、木が大きく揺れた。
「三角跳び!?」
凄まじい勢いで後方からノエルくんへ飛びかかる魔犬。
完全に意表を突かれたノエルくんは明らかに初動が遅れている。
「ノエルくん!」
ぼくの考えが甘かった。
ヤソみんが戻ってくるまで、なんて言っている場合じゃなかったんだ!
もう間に合わないと思いながらも、ぼくとミアちゃんが魔法を放とうとしたその時。
ズドォォォォッ!!
突如として彗星の如く魔犬めがけて何者かが落下した。
即座にぼくの中で、ある記憶が蘇る。
それは、後に狂乱の破壊姫と呼ばれるあの娘が、モニュメントを破壊した時のこと。
「ヤソミちゃん!」
ぼくとミアちゃんは同時にその名を叫んでいた。
ぼくたちは目を輝かせた。
その時、魔犬の身体に突然の小爆発が起こった。
それにより魔犬の動きが止まる。
この爆発ってまさか...と思ったけど、それよりも今はミアちゃんを助けるチャンスだ!
「ミアちゃん!」
ぼくはミアちゃんに駆け寄っていって腕を引っ張って、そのまま魔犬から離れていった。
「ご、ごめん。フェエルくん」
「ぼくのほうこそごめん。見通しが甘すぎた」
「今の爆発って」
「うん。まさかとは思ったけど」
ぼくとミアちゃんは、爆発の原因と思われる者へ視線を転じた。
「見ればわかるだろうが。あの魔犬は、お前らじゃ無理だ」
ナイフを投げ抜いた姿勢のノエルくんが立っていた。
感謝よりも驚きだ。
ついさっきまでぼくたちを痛めつけていたのに、なぜ助けてくれたんだろう。
「なんでって顔してるな」
「あ、いや、うん」
「使い魔も暴走することがある。他の誰でもないガブリエル先生自身が言っていた言葉なんだよ」
「で、でも、ガブリエル先生に限ってそんなこと、あるのかな」
「わざと暴走させている可能性だってある。あの人、そういうところあるから」
「つまり、これも授業の一環だと」
「わからないが、この魔犬は......おれたち特別クラスを試しているのかもしれないな」
ノエルくんは魔犬に向かって新たにナイフを構えた。
グルルル......魔犬は唸りながら、ノエルくんに向かってゆっくりと歩き始めた。
さっきの爆裂ナイフのダメージは見受けられない。
「〔焼夷短刀〕」
ノエルくんから爆裂ナイフが放たれた。
リリースの瞬間、閃光が瞬いた。
ぼくたちに攻撃してきたものとは違う。
おそらく、ノエルくんの本気の一撃!
ドガァァァァン!!
直撃した。
巻き上がる煙に魔犬の図体が隠れた。
「やった!すごい!」
本気を出したノエルくんの爆裂ナイフは、こんなにのも凄いのか。
ぼくもミアちゃんも素直に感嘆した。
「!」
ところが、煙が晴れてぼくらの目に映ったのは、全身の毛を逆立てて唸る魔犬だった。
ダメージを受けて怒っているよう。
「あれで倒せないか。くそっ!」
ノエルくんの額には冷や汗が流れている。
魔犬はグルルル......と唸ってから、
「ガルァァァッ!」
一気にノエルくんへ飛びかかった。
ノエルくんが身をかわし、本格的な戦闘が始まる。
「ど、どうしよう。わたしたちも手伝ったほうがいいのかな」
魔犬とノエルくんの攻防を眺めながらミアちゃんが言った。
ぼくは一瞬考えてから、かぶりを振る。
「いや、足手まといになるだけだと思う」
「で、でも」
「わかってるよ。ノエルくん、押されているよね」
「あの魔犬。相当強いよね」
「うん。でも、ノエルくんが押されている理由はおそらくそれだけじゃない」
「やっぱり、わたしがやった風魔法のダメージが残ってるんだよね」
ノエルくんの動きは精彩を欠いている。
原因は、十中八九ミアちゃんの風魔法によるダメージだろう。
ミアちゃんはそのことを気に病んでいるんだ。
自分も尻尾をやられたのに。優しいな。ミアちゃんは。
「大丈夫だよ。ミアちゃん」
「ノエルくんが勝つってこと?」
「ぼくたちが、ノエルくんと戦い始めてから何分経った?」
「え?なんでそんなこと急に...」
「そろそろ戻ってくるはずなんだ」
ミアちゃんは「あっ」となり、こくんと頷いた。
ノエルくんは、魔犬に押されつつも凌いでいる。
このまま堪えていてくれれば、直にヤソみんが戻ってきてなんとかしてくれるはず!
と思った矢先。
「!」
魔犬が予想を超えた動きを見せる。
その身体をぴょーんと跳躍させると、ノエルくんの上を超え、彼の後ろにある木に着地した。
そのまま後ろ足を踏み蹴り、木が大きく揺れた。
「三角跳び!?」
凄まじい勢いで後方からノエルくんへ飛びかかる魔犬。
完全に意表を突かれたノエルくんは明らかに初動が遅れている。
「ノエルくん!」
ぼくの考えが甘かった。
ヤソみんが戻ってくるまで、なんて言っている場合じゃなかったんだ!
もう間に合わないと思いながらも、ぼくとミアちゃんが魔法を放とうとしたその時。
ズドォォォォッ!!
突如として彗星の如く魔犬めがけて何者かが落下した。
即座にぼくの中で、ある記憶が蘇る。
それは、後に狂乱の破壊姫と呼ばれるあの娘が、モニュメントを破壊した時のこと。
「ヤソミちゃん!」
ぼくとミアちゃんは同時にその名を叫んでいた。
ぼくたちは目を輝かせた。
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