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動乱編
ep114 住んでいる世界が違う(フェエル視点)
「あ?だれがヤソミだよ」
「えっ??」
「あんなヤツと一緒にすんじゃねえ」
その娘は、ヤソミちゃんではなかった。
地面に沈んだ魔犬の上に立ち、勝気な眼をギラつかせたツインテールの女の子。
特別クラスのランラ・レイだ。
「ら、ランラか。さんきゅー、助かった」
「この赤黒い魔犬も、仮想ゼノなのか?」
ランラさんの問いに、ノエルくんは頷いた。
「通常の魔犬よりも強くてさ。油断しちゃったよ」
「ノエル。テメーは、もっと強かっただろ」
ランラさんは、助けたはずのノエルくんに怪訝たっぷりな視線を浴びせた。
「ひょっとして......アイツらに遅れを取ったんじゃねーか?」
ランラさんがぼくとミアちゃんを一暼する。
ノエルくんは図星をつかれたといった様子で、目を逸らして誤魔化した。
「あれは......」
ぼくはランラさんの足元に注目した。
彼女はロングブーツを履いている。
靴の用途として使用しているには不自然に思える。
つまり、そういうことだ。
「あのブーツが、ランラさんのアルマなのか」
赤黒い魔犬をも一撃で仕留める彼女の蹴りは、アルマによる攻撃魔術ということか。
足技に特化した身体強化系魔術?
いずれにしても、凄い威力だ。
「ん?」
不意にランラさんが足元に視線を落とした。
次の瞬間、倒したと思っていた魔犬が、ググググッと体を起こした。
「チッ。中々しぶといな」
ランラさんはさっと魔犬の上から跳び降りて、再び攻撃体制をとる。
「ガルァァァァッ!!」
咆哮する魔犬。とその時。
「姉さん。油断しすぎですよ」
ランラさんを上から飛び超えて、何者かが武器を振りかざして魔犬に襲いかかった。
ズパァァァァンッ!!
棒のような武器が強烈に撃ち込まれ、魔犬の体は潰されたように地に凹んだ。
その者はランラさんの隣にスタッと着地する。
「おいリンリ。べつに助けてくれって言ってねーぞ」
「助けるなとも言ってないでしょう?姉さん」
その棒のような武器......三節棍を携えた、ランラさんとそっくりの顔をした女の子。
特別クラスのリンリ・レイだ。
「強い......」
ほくもミアちゃんも圧倒されていた。
ぼくたちがまるで歯が立たず、ノエルくんでも倒せなかった魔犬を、こうもあっさりと叩き伏せてしまうなんて。
「これが、特別クラストップの実力......」
「悔しいけど、素直に凄いと思っちゃった」
「ぼくもだよ、ミアちゃん。レイ姉妹の実力は本物だよ」
「でもさ。そうなると、一年生主席の生徒会長は、もっと凄いってことだよね?」
「そんなこと当たり前だろ」
ノエルくんがぼくたちに近寄ってくる。
「なんせレイ姉妹は、シャレク会長に魔術の手解きを受けて強くなったらしいからな。もちろん本人たちの才能と努力があってこそだろうけど」
「そ、そうなんだ」
「それだけじゃない。シャレク会長はもともと才能がある上に、あの天才国家魔術師カレン・ホールズワースに個別指導を受けていたんだからな」
ぼくとミアちゃんは思わず顔を見合わせた。
「カレン・ホールズワースって、最年少でダイヤモンドクラスまで上がった、オリエンス最高の魔法剣士と謳われるあの人のこと!?」
「ああ。そしてシャレクだけでなくレイ姉妹も、その才能をカレン・ホールズワースから高く買われているらしい」
改めて思った。
特別クラスのトップクラスの生徒は、ぼくたちとは住んでいる世界が違うんだ。
レイ姉妹だけでも相当凄いのに、さらにその上をいくシャレク生徒会長。
彼らがズバ抜けて優れているだけかもしれないけど、それだけでは片付けられない。
ぼくからすれば、ノエルくんだって充分凄いんだ。
最初から本気で来られたら、おそらく勝てなかったんだ。
「えっ??」
「あんなヤツと一緒にすんじゃねえ」
その娘は、ヤソミちゃんではなかった。
地面に沈んだ魔犬の上に立ち、勝気な眼をギラつかせたツインテールの女の子。
特別クラスのランラ・レイだ。
「ら、ランラか。さんきゅー、助かった」
「この赤黒い魔犬も、仮想ゼノなのか?」
ランラさんの問いに、ノエルくんは頷いた。
「通常の魔犬よりも強くてさ。油断しちゃったよ」
「ノエル。テメーは、もっと強かっただろ」
ランラさんは、助けたはずのノエルくんに怪訝たっぷりな視線を浴びせた。
「ひょっとして......アイツらに遅れを取ったんじゃねーか?」
ランラさんがぼくとミアちゃんを一暼する。
ノエルくんは図星をつかれたといった様子で、目を逸らして誤魔化した。
「あれは......」
ぼくはランラさんの足元に注目した。
彼女はロングブーツを履いている。
靴の用途として使用しているには不自然に思える。
つまり、そういうことだ。
「あのブーツが、ランラさんのアルマなのか」
赤黒い魔犬をも一撃で仕留める彼女の蹴りは、アルマによる攻撃魔術ということか。
足技に特化した身体強化系魔術?
いずれにしても、凄い威力だ。
「ん?」
不意にランラさんが足元に視線を落とした。
次の瞬間、倒したと思っていた魔犬が、ググググッと体を起こした。
「チッ。中々しぶといな」
ランラさんはさっと魔犬の上から跳び降りて、再び攻撃体制をとる。
「ガルァァァァッ!!」
咆哮する魔犬。とその時。
「姉さん。油断しすぎですよ」
ランラさんを上から飛び超えて、何者かが武器を振りかざして魔犬に襲いかかった。
ズパァァァァンッ!!
棒のような武器が強烈に撃ち込まれ、魔犬の体は潰されたように地に凹んだ。
その者はランラさんの隣にスタッと着地する。
「おいリンリ。べつに助けてくれって言ってねーぞ」
「助けるなとも言ってないでしょう?姉さん」
その棒のような武器......三節棍を携えた、ランラさんとそっくりの顔をした女の子。
特別クラスのリンリ・レイだ。
「強い......」
ほくもミアちゃんも圧倒されていた。
ぼくたちがまるで歯が立たず、ノエルくんでも倒せなかった魔犬を、こうもあっさりと叩き伏せてしまうなんて。
「これが、特別クラストップの実力......」
「悔しいけど、素直に凄いと思っちゃった」
「ぼくもだよ、ミアちゃん。レイ姉妹の実力は本物だよ」
「でもさ。そうなると、一年生主席の生徒会長は、もっと凄いってことだよね?」
「そんなこと当たり前だろ」
ノエルくんがぼくたちに近寄ってくる。
「なんせレイ姉妹は、シャレク会長に魔術の手解きを受けて強くなったらしいからな。もちろん本人たちの才能と努力があってこそだろうけど」
「そ、そうなんだ」
「それだけじゃない。シャレク会長はもともと才能がある上に、あの天才国家魔術師カレン・ホールズワースに個別指導を受けていたんだからな」
ぼくとミアちゃんは思わず顔を見合わせた。
「カレン・ホールズワースって、最年少でダイヤモンドクラスまで上がった、オリエンス最高の魔法剣士と謳われるあの人のこと!?」
「ああ。そしてシャレクだけでなくレイ姉妹も、その才能をカレン・ホールズワースから高く買われているらしい」
改めて思った。
特別クラスのトップクラスの生徒は、ぼくたちとは住んでいる世界が違うんだ。
レイ姉妹だけでも相当凄いのに、さらにその上をいくシャレク生徒会長。
彼らがズバ抜けて優れているだけかもしれないけど、それだけでは片付けられない。
ぼくからすれば、ノエルくんだって充分凄いんだ。
最初から本気で来られたら、おそらく勝てなかったんだ。
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