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動乱編
ep137 衝撃の事実
結局、一連の説明はハウ先生からなされることになった。
「ということなので、ジェット・リボルバーさん。もう貴女は帰ってください」
ハウ先生はジェットレディに冷たく言い放つが、ジェットレディは意にも返さず机に腰をかけてニヤニヤした。
「テレんなテレんな。クワイアちゃん」
「そういえば言い出したら聞かない人でしたね、貴女は」
「そーゆーこと。なあ、アタシもいていいだろ?」
ジェットレディが快活な視線を俺たちへ投げかける。
「もちろんです!てか帰るならハウ先生が帰れし!」
誰よりも先にエマが答えた。
ハウ先生は、今まで生徒たちへ見せた事のないようなウンザリした表情を浮かべ、大きくため息をついた。
「いいでしょう。しかしジェット。貴女は口を挟まないでください」
「アタシも勝手だけど、お前もたいがい勝手だよな」
「私には私の考えがあります。直感で動いている貴女と一緒にしないでください」
「わかったわかった。ここは学校でお前は教師だ。お前の主張を尊重するよ」
ジェットレディが引き下がると、ハウ先生は俺たちを座らせた。
そして眼鏡の位置を直しながら話を始める。
「順序立てて説明します。まず最初に、我が国の首都リュケイオンで現在問題になっていることについてお話します」
みんなは黙ったまま頷いた。
「今、リュケイオンのどこかで、ある魔法犯罪組織が密かに何かを企てています」
「先ほど生徒会長はわからないと言っておったが、それはエトケテラではないのか?」
即座にイナバが質問を挟む。
ハウ先生は「それについては後ほどお話します」と前置きしてから話を進める。
「魔法犯罪組織とは、魔法を利用して犯罪を犯す危険な集団です。自分たちの欲望のために、魔法を使って平気で人々を傷つけます。そして今回、奴らは、何か大きなことをしでかそうとしていると思われます。これは一部の高位の国家魔術師の捜査でわかったことです。とはいえ、具体的に何をやろうとしているのかまでは掴めていませんが。いや、魔法省か魔法協会の上層部あたりは......」
ハウ先生はチラッとジェットレディを一暼する。
ジェットレディは、知らないよ、といったジェスチャーをした。
「それはさておき、問題は、奴らの魔の手が魔術師の卵である魔法学園生にまで伸びている可能性が疑われていることです」
ハウ先生の視線が俺に向けられた。
「奴らは同志を集めています。目的は組織を大きくすることか、あるいはまた別の目的を達成するための手段としてなのか。いずれにしても、その脅威と影響力が増大することは間違いありません」
「ま、まさか」
勘の良いフェエルがいち早く反応した。
「そうですよ、ポランくん。奴らはリュケイオン魔法学園の生徒を組織へ勧誘しようとしている可能性があります」
「そ、そんな!」
「よく考えれば、魔法学園生を勧誘するのは組織の強化と拡大には非常に有効です。まだ魔術師の卵である君たちを、組織で囲って悪の魔術師として育てることができれば、将来的には強大な戦力になり得ますから」
「そ、それで先生。ヤソみん......ヤソガミくんが、レイ姉妹に連れて行かれた理由というのは......」
すでにフェエルは気づいているようだった。
ハウ先生はいったん間を置き、その質問に答える。
「ヤソガミくんは魔法犯罪組織への勧誘活動を疑われています」
次の瞬間。
エマとミアが音を立てて立ち上がった。
「はあ!?なんだよそれ!全然意味わかんないし!そんなわけないし!証拠あんのかよ証拠!あってもでっち上げだろ!前にあーしがヤソガミにやったみたいに!」
「エマちゃんの言うとおりだよ!ヤソガミくんがそんなことするわけない!先生!証拠はあるんですか?」
「ある生徒による告発らしい」
俺から二人に言った。
「それはどういうこと?」と二人が揃って俺に詰め寄ってきた時。
やにわにジェットレディがハウ先生の前に出てきてニヤッとした。
「それは誰だと思う?」
「待ちなさい、ジェット。それはヤソガミくんにも教えていないことです。告発をした本人への配慮もある」
ハウ先生がジェットレディを止めようとするが、俺は言ってしまった。
「俺も知りたいです」
「ダメですよヤソガミくん。これは貴方の担任としての判断です。君がそれを知ったところで何も良いことはない」
「ハウ先生って、意外と生徒のことを考えてくれる先生なんですね。もっとやる気のない人だと思ってました」
ハウ先生はやや困った顔をした。
そこへジェットレディがからかうように微笑みかける。
「コイツは不器用なだけなんだ」
「いいから貴女は黙っていてください」
「ジークレフ家のお嬢様だよ」
「なっ!まったく、貴女という人は......」
ハウ先生が頭を抱える。
俺たちは理解が追いつかず、きょとんとした。
「あ、あの、ジェットレディ。今のって......」
ジェットレディは無言で、ハウ先生の肩をポンと叩く。
ハウ先生は観念した様子で、重々しく口をひらいた。
「今回の件は、ユイミ・テレジア・ジークレフさんの証言に基づいています。特異クラスの学級委員長の、君たちのクラスメイトのジークレフさんです」
思わず言葉を失ってしまった。
俺のこの、まったく身に覚えのない疑いの発端が、ジークレフ学級委員長だって!?
「ということなので、ジェット・リボルバーさん。もう貴女は帰ってください」
ハウ先生はジェットレディに冷たく言い放つが、ジェットレディは意にも返さず机に腰をかけてニヤニヤした。
「テレんなテレんな。クワイアちゃん」
「そういえば言い出したら聞かない人でしたね、貴女は」
「そーゆーこと。なあ、アタシもいていいだろ?」
ジェットレディが快活な視線を俺たちへ投げかける。
「もちろんです!てか帰るならハウ先生が帰れし!」
誰よりも先にエマが答えた。
ハウ先生は、今まで生徒たちへ見せた事のないようなウンザリした表情を浮かべ、大きくため息をついた。
「いいでしょう。しかしジェット。貴女は口を挟まないでください」
「アタシも勝手だけど、お前もたいがい勝手だよな」
「私には私の考えがあります。直感で動いている貴女と一緒にしないでください」
「わかったわかった。ここは学校でお前は教師だ。お前の主張を尊重するよ」
ジェットレディが引き下がると、ハウ先生は俺たちを座らせた。
そして眼鏡の位置を直しながら話を始める。
「順序立てて説明します。まず最初に、我が国の首都リュケイオンで現在問題になっていることについてお話します」
みんなは黙ったまま頷いた。
「今、リュケイオンのどこかで、ある魔法犯罪組織が密かに何かを企てています」
「先ほど生徒会長はわからないと言っておったが、それはエトケテラではないのか?」
即座にイナバが質問を挟む。
ハウ先生は「それについては後ほどお話します」と前置きしてから話を進める。
「魔法犯罪組織とは、魔法を利用して犯罪を犯す危険な集団です。自分たちの欲望のために、魔法を使って平気で人々を傷つけます。そして今回、奴らは、何か大きなことをしでかそうとしていると思われます。これは一部の高位の国家魔術師の捜査でわかったことです。とはいえ、具体的に何をやろうとしているのかまでは掴めていませんが。いや、魔法省か魔法協会の上層部あたりは......」
ハウ先生はチラッとジェットレディを一暼する。
ジェットレディは、知らないよ、といったジェスチャーをした。
「それはさておき、問題は、奴らの魔の手が魔術師の卵である魔法学園生にまで伸びている可能性が疑われていることです」
ハウ先生の視線が俺に向けられた。
「奴らは同志を集めています。目的は組織を大きくすることか、あるいはまた別の目的を達成するための手段としてなのか。いずれにしても、その脅威と影響力が増大することは間違いありません」
「ま、まさか」
勘の良いフェエルがいち早く反応した。
「そうですよ、ポランくん。奴らはリュケイオン魔法学園の生徒を組織へ勧誘しようとしている可能性があります」
「そ、そんな!」
「よく考えれば、魔法学園生を勧誘するのは組織の強化と拡大には非常に有効です。まだ魔術師の卵である君たちを、組織で囲って悪の魔術師として育てることができれば、将来的には強大な戦力になり得ますから」
「そ、それで先生。ヤソみん......ヤソガミくんが、レイ姉妹に連れて行かれた理由というのは......」
すでにフェエルは気づいているようだった。
ハウ先生はいったん間を置き、その質問に答える。
「ヤソガミくんは魔法犯罪組織への勧誘活動を疑われています」
次の瞬間。
エマとミアが音を立てて立ち上がった。
「はあ!?なんだよそれ!全然意味わかんないし!そんなわけないし!証拠あんのかよ証拠!あってもでっち上げだろ!前にあーしがヤソガミにやったみたいに!」
「エマちゃんの言うとおりだよ!ヤソガミくんがそんなことするわけない!先生!証拠はあるんですか?」
「ある生徒による告発らしい」
俺から二人に言った。
「それはどういうこと?」と二人が揃って俺に詰め寄ってきた時。
やにわにジェットレディがハウ先生の前に出てきてニヤッとした。
「それは誰だと思う?」
「待ちなさい、ジェット。それはヤソガミくんにも教えていないことです。告発をした本人への配慮もある」
ハウ先生がジェットレディを止めようとするが、俺は言ってしまった。
「俺も知りたいです」
「ダメですよヤソガミくん。これは貴方の担任としての判断です。君がそれを知ったところで何も良いことはない」
「ハウ先生って、意外と生徒のことを考えてくれる先生なんですね。もっとやる気のない人だと思ってました」
ハウ先生はやや困った顔をした。
そこへジェットレディがからかうように微笑みかける。
「コイツは不器用なだけなんだ」
「いいから貴女は黙っていてください」
「ジークレフ家のお嬢様だよ」
「なっ!まったく、貴女という人は......」
ハウ先生が頭を抱える。
俺たちは理解が追いつかず、きょとんとした。
「あ、あの、ジェットレディ。今のって......」
ジェットレディは無言で、ハウ先生の肩をポンと叩く。
ハウ先生は観念した様子で、重々しく口をひらいた。
「今回の件は、ユイミ・テレジア・ジークレフさんの証言に基づいています。特異クラスの学級委員長の、君たちのクラスメイトのジークレフさんです」
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※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。