八十神天従は魔法学園の異端児~神社の息子は異世界に行ったら特待生で特異だった

根立真先

文字の大きさ
138 / 163
動乱編

ep138 驚愕の事実

「な、なんで、ユイちゃんがそんなことを......」

 フェエルは愕然がくぜんとして肩を落とした。
 エマとミアは、虚をつかれて固まるのみだった。 

「だからこれは言うべきでないと言ったでしょう」

 ショックを受ける俺たちを見て、ハウ先生がジェットレディを厳しく糾弾する。

「私は彼らの担任です。教師ですらない貴女が生徒の心を掻き乱すなど言語道断ですよ」

 ところが、ジェットレディは不思議な目つきをハウ先生に投げかけた。

「アタシにはわかるんだよ。こうした方がいいってさ」

「なぜ貴女にわかるんです」

たからな」

 何に対してそうなったのかはわからない。
 突如としてハウ先生の様子が一変する。

「......ジェット。戦闘以外で使ったのか」

「おいおいそんなに怒んなよ。ほんのちょっとだよ、ほんのちょっと」

「理事長...師匠は知っているのか?」

「さあ、どうだろうねぇ?」

「じゃあカレンは?」

「言うわけないじゃん。アイツめっちゃ怒るし」

  ジェットレディはアハハハと笑った。
 何かを笑って誤魔化しているようにも見えるけど、一体何なのだろう。
 それにハウ先生のあの怒りよう。
 決して俺たちには見せたことのない態度だ。
「友人にしか見せない顔」と言ってしまえばそれまでだけど、やけに深刻なものに感じる。

「わかりました。もういいです」

 ハウ先生は諦めたように大きく吐息を吐いて、いつもの様子に戻った。

「ジェット。貴女がここまで関わってくるということは、それだけ事は重大だと言いたいのですね?」

「そーゆーこと。で、ここからはクワイアも知らない事だが......」

「なんです?」

 ジェットレディは不意に俺とエマとミアを一暼する。

「エトケテラの脱獄の件だ」

「だ、脱獄!?」

 思わず俺は声を上げてしまった。
 過去に二度も遭遇し、その度に危険な目に遭わせられてきた連中が、脱獄しただって!?

「あ、あの、ロテスコとかいう人が、その辺にいるかもしれないんですか!?」

 ミアが不安に満ち満ちた声で訊く。
 エマは震えながらミアの手を握り締めている。
 
「そこまでは私も知っていることです」

 ハウ先生は先を促すような視線をジェットレディに送った。

「もちろん先がある。そしてここからが重要だ」

 ジェットレディから快活な表情が消える。

「エトケテラは、例の魔法犯罪組織にかくまわれているようだ」

「何だって?」

「というより、脱獄を手引きしたのもおそらくそいつらだ」

「!」

「そいつらの名前は〔ユビキタス〕」

「なっ!?」

「さすがのクワイアもびっくりだよな。アタシだってびっくりだ。例の魔法犯罪組織とやらが、まさか〔ユビキタス〕だなんて。今までまったくもって実態がわからなかった、その存在すらあやふやだった奴らが、一連の黒幕なんてな」

 ここでジェットレディは話を止めた。
 ハウ先生は押し黙ってしまった。
 俺たちは茫然とするのみだった。
 もはや話が大きすぎてよくわからない。
 とてもじゃないが一介の高校生が関わるような話ではないぞこれは。

「ところで、ジェット」

 ややあってからハウ先生が口をひらいた。

「なんだ?」

「その話、極秘事項ではないんですか?ごく一部の国家魔術師の特別捜査で得た情報ではないんですか?本当に私たちにしてしまっていい話なんですか?」

「あー、たぶんダメだろうなー」

「やはりですか。ちなみに貴女はどうやってその情報を得たのですか?」

「どうやってもなにも、アタシの捜査で得た情報だぜ?」

 ジェットレディは不敵にニヤリとした。
 にわかにハウ先生が再び頭を抱える。

「私はまだしも、生徒たちにまで話す必要ありますか」

「だから視たって言っただろ?」

「ハァー。そうでしたね......」

「あと、これについてはカレンにも話しといたぜ。やっぱ持つべきものは同期の友だなっ!」

 楽しそうにハウ先生の腕をばんばん叩くジェットレディ。
 その様子をぽかんと眺めながら、俺はふと気づいた。

「あの、ジェットレディ」

「おっ、どうした、我が弟子よ」

「その、カレンさんて、ひょっとして」

「我が国最高の魔法剣士、カレン・ホールズワースだ。たしか、あの生徒会長くんがカレンの弟子だったよな?」

「ということは......ジェットレディとハウ先生、そしてカレンさんは......」

「みんな同級生で同期のマブダチだっ!」
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

【村スキル】で始まる異世界ファンタジー 目指せスローライフ!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は村田 歩(ムラタアユム) 目を覚ますとそこは石畳の町だった 異世界の中世ヨーロッパの街並み 僕はすぐにステータスを確認できるか声を上げた 案の定この世界はステータスのある世界 村スキルというもの以外は平凡なステータス 終わったと思ったら村スキルがスタートする

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

【完結】婚活に疲れた救急医まだ見ぬ未来の嫁ちゃんを求めて異世界へ行く

川原源明
ファンタジー
 伊東誠明(いとうまさあき)35歳  都内の大学病院で救命救急センターで医師として働いていた。仕事は順風満帆だが、プライベートを満たすために始めた婚活も運命の女性を見つけることが出来ないまま5年の月日が流れた。  そんな時、久しぶりに命の恩人であり、医師としての師匠でもある秋津先生を見かけ「良い人を紹介してください」と伝えたが、良い答えは貰えなかった。  自分が居る救命救急センターの看護主任をしている萩原さんに相談してみてはと言われ、職場に戻った誠明はすぐに萩原さんに相談すると、仕事後によく当たるという占いに行くことになった。  終業後、萩原さんと共に占いの館を目指していると、萩原さんから不思議な事を聞いた。「何か深い悩みを抱えてない限りたどり着けないとい」という、不安な気持ちになりつつも、占いの館にたどり着いた。  占い師の老婆から、運命の相手は日本に居ないと告げられ、国際結婚!?とワクワクするような答えが返ってきた。色々旅支度をしたうえで、3日後再度占いの館に来るように指示された。  誠明は、どんな辺境の地に行っても困らないように、キャンプ道具などの道具から、食材、手術道具、薬等買える物をすべてそろえてた。  3日後占いの館を訪れると。占い師の老婆から思わぬことを言われた。国際結婚ではなく、異世界結婚だと判明し、行かなければ生涯独身が約束されると聞いて、迷わず行くという選択肢を取った。  異世界転移から始まる運命の嫁ちゃん探し、誠明は無事理想の嫁ちゃんを迎えることが出来るのか!?  異世界で、医師として活動しながら婚活する物語! 全90話+幕間予定 90話まで作成済み。

神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~

あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。 それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。 彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。 シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。 それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。 すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。 〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟 そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。 同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。 ※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。