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動乱編
ep159 魔法剣士
「遅れてすまない」
その者はいったん着地した建物の屋根から、地面へ優雅に舞い降りた。
麗しい淡赤色の長髪に端麗な顔立ちの、凛とした佇まいの美人剣士。
その彼女のもとへ制服姿の一人の金髪の青年が走り寄ってきた。
「さすがです。カレン先生」
俺たちは彼を見て目を丸くした。
「生徒会長!?」
その青年は特別クラスのシャレク・タウゼンだった。
「ヤソガミ。助かったな」
生徒会長が俺たちの方へ向くと、美しき剣士が俺に視線を投げてきた。
「君がヤソガミか?」
「そ、そうですが、貴女は」
「私はカレン・ホールズワース。世間では魔法剣士カレンと呼ばれている」
次の瞬間。
周囲の人々からどっと歓声が沸き上がった。
「ダイヤモンドクラスの魔法剣士様だ!」
「助かった!」
「カレンさまぁ!」
フェエルとエマとミアも、俺のところへ寄ってきて安堵の表情を浮かべた。
俺も助かったと思い大きく息を吐くと、いきなり後ろから頭を小突かれる。
「え、なに?」
振り向くと、俺はギョッとする。
「まだ終わっとらんだろうがこの未熟者めが!」
「イナバ!?」
なんと神使の白兎までもがやってきていたのだ。
しかも白兎の背中には、御神札が背負わされていた。
「小僧。こいつを受け取れい」
「あ、ああ」
イナバの背中に紐で括り付けられた御新札を、俺は開放して取り上げた。
そこへ魔法剣士カレンが歩み寄ってくる。
「ヤソガミ。君の力を見定めたい」
「え?」
俺は彼女の言っている意味が理解できずマトモな返事ができない。
フェエルたちもきょとんとしている。
魔法剣士は凛とした瞳で静かに俺を見据えた。
「君はジェットがスカウトした特待生で、先日はケルベロスも倒したと聞いている」
「ま、まあ」
「ならば、あの魔鳥獣を君が倒してみろ」
「は?」
俺の反応などお構いなしに、彼女は剣をおさめた。
えっ、この人マジで俺にやらせる気なのか?
「早くしろ。敵もいつまでも待ってはくれないぞ?」
魔法剣士カレンはロテスコたちを目で示した。
「な、なんで、あの女剣士が......」
ロテスコは完全に動揺していた。
隣の黒ずくめの男は警戒感あらわに身構えている。
「オイおっさん。よりにもよってなんであんな奴がいるんだ」
「し、知らん。最近の女剣士はリュケイオンにはほとんど来ないと聞いていた」
「じゃあなんでいるんだ」
「だから知らんと言ってるだろ!」
何やらロテスコたちは揉めている。
そんな中、美人剣士は俺のことをじっと見つめている。
この人、ちょっと怖い。
「お、俺がやるのはいいですけど、友達のエマがあの黒ずくめの男に......」
「余計な心配はするな」
魔法剣士は有無を言わせぬ口調で俺の言葉を遮った。
「わ、わかりました。やります」
俺は仕方なく承諾した。
魔法剣士カレンの本当の意図はわからないが、こうなったらやってやる。
「カレン女史の度肝を抜かしてやれ」
イナバが俺の肩にぴょーんと跳び乗ってきた。
こくんと俺は頷き、上空の巨大魔鳥獣に向けて御新札を構えた。
「カレン先生。本当に彼にやらせるのですね」
シャレクがどこか意味ありげに確認すると、美人剣士は無言で頷き、ロテスコたちに向かってビシッと指をさした。
「安心しろ犯罪者ども。続きは彼がやる。私は手を出さないことを約束してやろう」
ロテスコたちが揉めているのをピタッと止めた。
「魔法剣士カレン。今、手を出さないと約束したな?」
ロテスコがにやりとする。
「ああ。私は約束を破らない」
「言ったな?」
ロテスコはにやにやとステッキを掲げて、プテラスキングに突きつけた。
「プテラスキング!もう一回撃て!」
巨大魔鳥獣の口が再びバカァッと開く。
「準備は整った。アレは君に任せたぞ」
魔法剣士カレンは俺に向かってそう言うと、きびすを返してしまった。
もう後がない。
俺はいったん目を瞑り、深呼吸をする。
それからパッと目を見開き、御新札に指で神名を走らせた。
「〔天照大神〕」
俺の前に、神々しい白光を放ちながら、優美な神御衣を纏いし美しき女神が現れる。
パァァァァァァッ!!
神々しき女神がゆっくりと瞼を開くと、眩いばかりの小さな太陽がプテラスキングよりも上空に浮かび上がった。
神聖なる太陽の光が魔鳥獣ともども辺り一面を煌々と照らす。
これは先日の合同魔術演習でケルベロスを倒した俺の最強魔法。
すなわち俺はここでプテラスキングを確実に仕留めるということだ。
ヤソジマでのリベンジだ!
「ギャァァァァァァッ!!」
プテラスキングから悲痛な悲鳴が上がる。
女神の太陽に照らされ、巨大な魔鳥獣は口内のエネルギー弾ごと焼け爛れ始めていた。
その者はいったん着地した建物の屋根から、地面へ優雅に舞い降りた。
麗しい淡赤色の長髪に端麗な顔立ちの、凛とした佇まいの美人剣士。
その彼女のもとへ制服姿の一人の金髪の青年が走り寄ってきた。
「さすがです。カレン先生」
俺たちは彼を見て目を丸くした。
「生徒会長!?」
その青年は特別クラスのシャレク・タウゼンだった。
「ヤソガミ。助かったな」
生徒会長が俺たちの方へ向くと、美しき剣士が俺に視線を投げてきた。
「君がヤソガミか?」
「そ、そうですが、貴女は」
「私はカレン・ホールズワース。世間では魔法剣士カレンと呼ばれている」
次の瞬間。
周囲の人々からどっと歓声が沸き上がった。
「ダイヤモンドクラスの魔法剣士様だ!」
「助かった!」
「カレンさまぁ!」
フェエルとエマとミアも、俺のところへ寄ってきて安堵の表情を浮かべた。
俺も助かったと思い大きく息を吐くと、いきなり後ろから頭を小突かれる。
「え、なに?」
振り向くと、俺はギョッとする。
「まだ終わっとらんだろうがこの未熟者めが!」
「イナバ!?」
なんと神使の白兎までもがやってきていたのだ。
しかも白兎の背中には、御神札が背負わされていた。
「小僧。こいつを受け取れい」
「あ、ああ」
イナバの背中に紐で括り付けられた御新札を、俺は開放して取り上げた。
そこへ魔法剣士カレンが歩み寄ってくる。
「ヤソガミ。君の力を見定めたい」
「え?」
俺は彼女の言っている意味が理解できずマトモな返事ができない。
フェエルたちもきょとんとしている。
魔法剣士は凛とした瞳で静かに俺を見据えた。
「君はジェットがスカウトした特待生で、先日はケルベロスも倒したと聞いている」
「ま、まあ」
「ならば、あの魔鳥獣を君が倒してみろ」
「は?」
俺の反応などお構いなしに、彼女は剣をおさめた。
えっ、この人マジで俺にやらせる気なのか?
「早くしろ。敵もいつまでも待ってはくれないぞ?」
魔法剣士カレンはロテスコたちを目で示した。
「な、なんで、あの女剣士が......」
ロテスコは完全に動揺していた。
隣の黒ずくめの男は警戒感あらわに身構えている。
「オイおっさん。よりにもよってなんであんな奴がいるんだ」
「し、知らん。最近の女剣士はリュケイオンにはほとんど来ないと聞いていた」
「じゃあなんでいるんだ」
「だから知らんと言ってるだろ!」
何やらロテスコたちは揉めている。
そんな中、美人剣士は俺のことをじっと見つめている。
この人、ちょっと怖い。
「お、俺がやるのはいいですけど、友達のエマがあの黒ずくめの男に......」
「余計な心配はするな」
魔法剣士は有無を言わせぬ口調で俺の言葉を遮った。
「わ、わかりました。やります」
俺は仕方なく承諾した。
魔法剣士カレンの本当の意図はわからないが、こうなったらやってやる。
「カレン女史の度肝を抜かしてやれ」
イナバが俺の肩にぴょーんと跳び乗ってきた。
こくんと俺は頷き、上空の巨大魔鳥獣に向けて御新札を構えた。
「カレン先生。本当に彼にやらせるのですね」
シャレクがどこか意味ありげに確認すると、美人剣士は無言で頷き、ロテスコたちに向かってビシッと指をさした。
「安心しろ犯罪者ども。続きは彼がやる。私は手を出さないことを約束してやろう」
ロテスコたちが揉めているのをピタッと止めた。
「魔法剣士カレン。今、手を出さないと約束したな?」
ロテスコがにやりとする。
「ああ。私は約束を破らない」
「言ったな?」
ロテスコはにやにやとステッキを掲げて、プテラスキングに突きつけた。
「プテラスキング!もう一回撃て!」
巨大魔鳥獣の口が再びバカァッと開く。
「準備は整った。アレは君に任せたぞ」
魔法剣士カレンは俺に向かってそう言うと、きびすを返してしまった。
もう後がない。
俺はいったん目を瞑り、深呼吸をする。
それからパッと目を見開き、御新札に指で神名を走らせた。
「〔天照大神〕」
俺の前に、神々しい白光を放ちながら、優美な神御衣を纏いし美しき女神が現れる。
パァァァァァァッ!!
神々しき女神がゆっくりと瞼を開くと、眩いばかりの小さな太陽がプテラスキングよりも上空に浮かび上がった。
神聖なる太陽の光が魔鳥獣ともども辺り一面を煌々と照らす。
これは先日の合同魔術演習でケルベロスを倒した俺の最強魔法。
すなわち俺はここでプテラスキングを確実に仕留めるということだ。
ヤソジマでのリベンジだ!
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