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jewel

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ああ

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「次はどこに行くの?キノ」
2輪車のモトラドが聞く。

「次はなかなか面白い国だよ。ほら、もう城壁が見えてる。」
モトラドを走らせながら楽しそうに話す。

「今までは携帯食料ばかりで味気ない食事ばかりだったからご飯が美味しいといいな。」
と、会話もそこそこに国の入口に着いた。

「旅人さんですか?入国審査のあとで入国証を発行致しますのでこの紙に必要事項をお書き下さい。」

「わかりました。なにかこの国で気をつけた方がいい事はありますか?」

「この国では法律や条例を犯すと脳に埋められたチップにより消滅してしまうのです。旅人さんはチップが入っていないので大丈夫ですが犯罪を誰かに見られると即死刑となりますのでご注意ください。」

キノは多少驚きながら
「即死刑?それは凄まじいですね。気をつけます。」と言った。

さて、モトラドに乗りホテルを探した。
「なんだかこうしてみると普通だね、キノ」

「そうだね。でも地面にゴミが一切落ちていない。それに、なんだか子供が少ないと思わないかい?」

「言われてみるとそんな気もするなぁ。ま、とりあえずどこか寝床を探そう!」

「それもそうだね。見回っていれば理由も分かってくるだろうし」

キノは大きすぎず小さすぎず綺麗すぎない普通のホテルをみつけ、そこに決めた。そして、とりあえずチェックインして、寝た。

次の日、いつものようにパースエイダー(銃)を手入れする。
「ちょっと見回ってみようか。エルメス」
エルメスとはモトラドの名前である。

外に出てモトラドを走らせる。と、男に話しかけられた。
「旅人さんかい?ちょっと見ていきなよ」

「商店みたいだな。ナイフや縄に食料も売ってる。品ぞろえがいいな。ところでこの国には子供が少ないように見えるのですが何故ですか?」

「そりゃあ子供の方が法律違反を無意識にしてしまうだろう。この前には1日2時間までしかゲームしちゃいけないなんて条例も作られたしな。時計を見ずにやってたらすぐに消えちまうよ。」

キノ達は絶句した。それなら赤ん坊や物心のつかない子供が人を叩くだけで暴行罪で消滅してしまうと言うのか。そりゃあ子供が少ないはずだ。

「なぜ、消滅させてしまうんですか?拘留とかでいいのでは?」

男はさも当然のことのように
「そりゃあ捕まったから次から犯罪しない奴なんてほとんど居ないだろう。この国は再犯率ゼロで誰も犯罪しない最高の国だぜ!」
と言った。

「へぇ。」

「ねぇ、もうこの国出ようよ。キノ」

「うん、そうだね。」
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