天然男子、恋の渦中

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プロローグ

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プロローグ

気づいたのは小学校の頃。
最初は転入したばかりだから馴染めないのかと思っていた。
しかし、明らかに周りの人々は僕のことを無視している。

話しかけると、目を逸らされたり、走って逃げられる。
談笑が交じる教室に僕が入るとシンと静まり返る。
隅の方で僕をチラチラ見てはコソコソと話し合いをしている。

僕は気が付かないうちに何かをしてしまったのだろうか。
悪いことをしてしまったのかと何度も考えた。でもやはり、思い当たる節はない。

多分だが、僕の存在自体がだめなのだろう。
だって、何もしていないのに嫌われることなんてそうそう無いだろう。

とにかく僕はこれ以上周りに嫌われないように、不快にさせないようにとできる限りの存在感を消した。
幸いにもこの学校では席替えはないし、僕の机は一番うしろの窓際だった。
お昼ごはんも休み時間もできるだけ机の方を向いてから、クラスメイトたちを見ないように過ごすようにした。

するとある日、ずっと学校を休んでいたという男の子が僕の机の前に来て、「お前、めちゃくちゃ可愛いな。転校生?友達になろうや」
と言ってきた。
人に話しかけられない日々が続いていた僕は嬉しくなり、「うん、友達になろう」と返事をして、友達が一人できた。

偶然帰り道が同じだったので「今日、一緒にかえろうぜ」と誘われ一緒に帰ることになった。
一緒に歩いて帰っていると「じゃあ、俺ここやから」と男の子が帰ろうとしていた家は僕のお隣さんだった。

これから僕は友達改め、”隼人””緋山隼人”(ひやまはやと)と幼馴染になった。

小学校生活、中学校生活も僕は隼人にいつもべったりだった。

しかし、これにもちゃんと理由があり


隼人と家がお隣さんと分かったとき、僕は「明日、一緒に学校に行こう」と隼人を誘い、次の日隼人と約束通り一緒に学校に向かった。

学校についた瞬間に僕の方を人がチラチラと見る。
今日はいつもより、ざわざわとしていた。

僕はいつもみたいに気にしないと教室に行こうとした。
だが、今日はいつもと違い隼人がいる。

「あっ、隼人ごめん。僕のせいで注目の的になって……」

僕が隼人にそう謝ると

「あぁ、これね。」と辺りを見渡す。

「これは可愛いお前の隣に俺が居て、みんな嫉妬してるんじゃない?」
と隼人は冗談を言った。
僕は隼人の優しさに嬉しくなり、「そうかもね」と笑みを溢した。





——このとき、この瞬間、気づいていないのは本当に澪だけであろう。
周りの人々は老若男女関係なく、みんな澪の美しさに惚れているがために、話かけられたりすると、固まったり、逃げ出してしまうのだ。

そのため、いつの間にかこの学校では暗黙のルールができていた。
一つ、「自分から天使に話しかけない」
二つ、「天使と話したければ、ファンクラブに入ること」
などなど、澪の知らない間にいろいろ起きていたのだ。
一応いうが、暗黙のルールなどをつくったのは小学生だ。
これらを踏まえると、澪は幼少期の頃から周りを魅了していたことになる。

この物語は、人に嫌われやすいと思っている澪が高校にあがるにつれ、『青春』を送るストーリーだ。
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