【ＺＯＤＩＡＣ　ＰＡＲＡＤＯＸ　ＥＸＴＲＥＡＭ／ＣＨＡＯＳＰＨＥＲＥ！】～戯題・愛のままにわがままに魔皇少女は異世界に屈しない！～　

沙波羅　或珂

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【第二章・叛逆の双星】

Жー５０　呪魂禁曝～Limitation of Curse～

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『神経ノブレイン割レル音・アウェイ』
　精神錯乱《サイコ・フューズ》系の【原初魔導《プロト・ウィード》】
　その成功率は低い代わりにソノ “効果範囲” が尋常ではない。
　その時の精神状態《テンション》と魔氣の良否コンディションにも拠るが、
最大半径数百メートルは余裕で散逸撒《バラま》くコトが出来る。
　無論まともな精神を持つ者には普通の人間で在っても掛からない、
ハーフ・エルフの子供でもちょっと頭にノイズが走る位だ。
　あくまでま・と・も・な・精・神・状・態・な・ら・の話だがな。　

　魔導には「制約」や “縛り” が在って、
敢えてその部分を術式から外す、創・ら・な・い・コ・ト・に由って
他の効力を増大させる【咒法《カース》】が存在する。
　ソレが理解《わか》るのは『魔皇の本能』としか云い様が無いが
オレも村の中で何もしてなかったワケじゃない。
　ハーフ・エルフを狙うクズ共がいつ大挙して押し寄せてきても
即、皆殺しに出来るだけの準備魔導は既に整えていたのさ。
　禍《まが》ツ刻《とき》は刹那に蕭《しめ》やかに、だが空間の魔那《マナ》が歪むような
魔氣が両腕を開いたオレの全身から無差別に放出される。
　あくまでまともなヤツには掛からない、
怒りで我を失ってる魔物《ヤツ》や恐怖でパニクってる人間《ヤツ》を
ま・と・も・っていうかどうかは知らんがね。

『ＧＹＵＥＥＥＥＥＡＡＡＡＡＡＡＡＡＨＨＨＨＨＨＨＨ――――
――――――――――――――――ッッッッッッッ！！！！！！！！』

『ＧＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＧＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡ――――
――――――――――――――――――！！！！！！！！！！！！！』

『ＹＹＹＹＹＹＹＹＹＥＥＥＥＥＥＥＥＥＥ！！！！！！！！！
ＧＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹ！！！！！！！！？？？？？？？』

　森に走った昏き暗光《ヒカリ》。
　まずは如実に３体の魔物に異変が生じた。
.そうなってもらわにゃ困る。
　何しろコレは “ハグレ” 用に練り直した魔導だ。
リュカとソフィアの話聞いた時から。
『思考超加速』に拠る「並列思考」で術式組み直してたんだよ、
歩いてる時も飯食ってる時もアイツらドヤしてる時も。
　最初にこの森に入った時、喰われ掛けた事を忘れたわけじゃない、
相方《リュカ》の助けとただただ『運』で生き残ったコトを
「危機」と「屈辱」に想わないわけじゃない。
　こちとらヘタレヤローと恋仲になれれば
それでＯＫの頭空っぽラノベ女とは違うんだよ、
いつも一回ヤられてそっから逆転とかいう
『お約束』にはうんざりしてるんじゃ！
こちとら “現実《リアル》思考” だ文句あるか！
おまえに迷惑かけたか！
　いいから踊れ、オレ魔皇の掌《てのひら》の中で！