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【第二章・叛 逆 の 双 星】
Жー50 呪 魂 禁 曝 ~Limitation of Curse~ ②
しおりを挟む『GI・GI・GIGIッッ!! GYYYYYYYYYYYYYYYY
EAAAAAAHHHHHHH――――――――ッッッッッッ!!!!!!』
まずは獅子の貌を持つ異幻獣《マンティコア》が単眼の巨人に襲い掛かった。
全身から黒い稲妻が迸り出ている。
狂乱状態だから魔導が崩れちゃいるが本能レベルで
ある程度制御出来るらしいな。
ともあれ体格差と反比例した圧倒的な速度差、
同じく恐慌状態にある巨体じゃ反応出来ず木偶《でく》のように喰らうしかない。
『AOOOOOOOOOOOOGUAAAAAAAAA!!!!!!!!!』
大きく鋭い牙が首筋に突き立っているが大して効いてる風じゃないな。
痛覚《いたみ》に鈍いのか肉が厚過ぎて急所に届いてないのか、
何れにしろ3倍近くの体格差と魔導等の特殊能力が在るのに
接近戦を挑むのは悪手中の悪手。
でもソレはオレの魔導《ウィード》がこの上なく効いているコトを意味する。
本能までも狂わせる、 巨人だろうが竜族《ドラゴン》だろうが、
真正面から相対しなければ良いワケだ。
『GYUEEEEEEEEEEYEEEEEEEEEEE――――――
―――――――――――――――――ッッッッッッッッ!!!!!!!!』
ソコに沼田撃《のたう》ちながら口から毒液を撒き散らして
這い擦り回る玖頭の蛇が登場。
大きく鎌首を擡《もた》げたがマンティコアは間一髪で回避、
代わりにキクロプスが胸の辺りを噛まれた。
猛毒入りだから今度は効いたみたいだね、
泣き叫ぶ赤子のような奇声。
踏んだり蹴ったりだな一つ目サン。
来世では 「緑色」 に生まれる事を切に願うよ。
さて、そんな怪獣大決戦の添え物のように
付近では冒険者共が仲間割れしてる。
云ったろ? 正気のヤツには掛からない代わりに
そうじゃないヤツには誰でも掛かる、 と。
恐らく魔導行使圏内に居るスベテの存在、
弱い魔物や小動物、 或いは眼に映らない羽虫程度でも
神経が狂って同士討ちを行ってる。
欲望《金》に眼が眩んだ莫迦共に 「恐怖」 という感情がミックスされれば
ソレもう 「正気」 とは呼べない精神状態に陥る。
だから好都合って言ったんだよ。
当初の「予定」じゃターゲットは冒険者のみ、
下世話な欲望に熱を浮かされた程度じゃ
全部に掛かるかどうか些《いささ》か疑問の残るトコだったから。
だから良いタイミングで 「召喚」 してくれたよ。
魔導の発動条件を充たすと同時に逃げる莫迦共
一カ所に集《まと》めてくれたんだから。
剣戟《けんげき》とは程遠い金属の残響に合わせて聞こえる
斬切音、 刺突音、 断裂音、 撃砕音、 挫滅音、 射出音。
加え魔導の炎上、 凍結、 風切、 地衝、 閃光、
異能に関してはバラバラに混ざって区別が付かない程だ。
宛《さなが》ら森の中で行われるバトルロイヤル。
制限時間無し、 生存者不明、 出来れば全員消えてくれるとありがたい。
なるべく広く、 出来る限り時間をかけて。
誰も此処には近づかなく、近づけなくなるように。
コレがオレの考えた 『縦のライン』
生と死を別つ 【デッドライン】
文句は謂《い》わせない、 今のこの惨状は、
おまえらがハーフ・エルフの集落に
雪崩れ込んだ時そのままの光景だから。
殺《や》られる前に殺《ヤ》る。
集落を屑共から護るんじゃなく
屑共が来れないようにする。
今から此処より西は魔皇の領域。
許可無く入り込んだ者は千の肉片に千切り飛ばす。
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