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【作者の責任感】

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「小説を書くのは初めてだけど一生懸命書きました。
かもしれないけど
よろしくお願いします♪」

 だったら『発表』するな……('A`)
 一人で読んで「机の奥」にでもしまっておけば良い。
 ワタシは小説を『発表』する事は
【料理を振る舞う事】と同じだと想っている。
 自分一人で食べるならどれだけ不味かろうが体に悪かろうが
別に構いはしないが、ソレを【他人に出す】のなら話は別だ。
 最悪【傷害事件】で訴えられる可能性すら出てくる。
 故に求められるのはその『作者の責任感』であろう。

 小説家の夢枕ゆめまくら ばく氏は、前書きや後書きで
いつも作品のキャラクターやストーリーを絶賛しているが
コレはただの自信でも自画自賛でもなく
【つまらないモノを読者に読ませる事はできない】
という作家としての『責任』なのである。
 この事にプロもアマチュアも関係無い、
面白いモノとつまらないモノにその【境目】は存在しないからだ。

「まぁあんまり面白くなくても評価してくれる人がいるかも?」
という【甘え】は確実に小説の中に
推敲すいこう』はしたのか? 一日寝かせたか?
誤字脱字は? 全体のリズムは? 見た瞬間の文のバランスは?
 上記のような考えではメンドクサがって
最低限の『作業』すらサボる。
『推敲』という概念を知らない者すらいる。
 そのような【未完成品】を初対面の人間に見せて【不快】にするなど
これほど失礼極まりない話もないであろう。

 作品は、小説は、時に【毒】にも成り得る。
 完全に間違った考えを読者に植え付けてしまう事すら在る。
 誤った事象を公明正大に叫ぶのは
カルト宗教のアジテーション扇動と変わりない。
 故に、作品を『発表』する際、
この【責任感】だけは忘れないで欲しいのだ。
 本当は読者を楽しませ、笑わせたいのであろう?
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