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『幸福な嘘』 【過去作NO.92】

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*過去作より作者セレクト、リメイク版です(≧▽≦)



 言う迄もなく全ての『小説』は、
『創作』は【虚構】である。
 フィクションと言い換えても良いが
『現実』に存在するモノではない。
 でもソレで良いしソレが全てだ。
『真実』とは得てして【残酷】なモノ、
誰かを不幸にはするが幸福にする事は少ない。
 ならば『幸福な嘘』で良いであろう、
虚構だろうが存在しなかろうが
ソレをは『幸福』なのだから。
 他人を【不幸】にさえしなければ、
“救われる嘘” ならガンガンつくべきである。
ソレが『小説』でありソレこそが『創作』である。

 だが現状の「ライトノベル」は、
【他人を不幸にする真実】しか描かれていない。
 現実でロクに努力もしなければ必死に頑張りもしなかった結果、
女性に侮蔑され忌み嫌われる存在になってしまった者が、
ソレでも眼が醒めず在りもしない「妄想」の中に逃げ込むという
【真実】
 コレで一体誰が『幸福』になる? 一体誰が救われる?
 そもそも自分の書いた話を、
果たして『信じられている』のか?
 何で信じられない? 何で本当の事だとは想えない?
自分で書いたんだろう? じゃあ一体が信じられる?

 自分で信じられもしない『嘘』を『虚構』を、
さも【真実】かのように騙して偽って人様に見せるモノではない、
自分自身すらも欺いて。
 醜い自分自身が「精一杯努力して痩せて美少女と結ばれる話」
なら書いても良い。
 現実に美少女は手に入らないかもしれないが、
「痩せようと努力したその姿」は『本物』であるからだ。
 作品が素晴らしければ自分も『努力』してみようと
想う者も現れるかもしれない。
 だが「自分が自分のままで楽してモテる話」は
【真実】だ。
 という意味で。
 誰も救われない、誰も報われない、『嘘』より悪い。
現実が、精神がもっと “劣悪” になって往くという意味で。
 醜悪なる存在を事細かにリアルに描写しても無意味どころか逆効果、
ソレが今、アナタが描いている【ライトノベル真実】だ。
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