Parasite

壽帝旻 錦候

文字の大きさ
1 / 101
序章

しおりを挟む
 寄生虫(きせいちゅう)とは、生物に寄生する生き物のうち、虫に分類されるものを指す。

 寄生の部位によって、体の表面に寄生するものを『外部寄生虫』
 体内に寄生するものを『内部寄生虫』という。
『寄生虫』と言ったときは、おもに内部寄生虫のことを指すのが一般的だ。
 寄生虫に寄生される生物を宿主(または寄主)と呼ぶ。
 また、寄生バチや寄生バエのような寄主を食い尽くす生物を捕食寄生者と呼ぶが、本当に恐ろしいものとは……

 宿主の身体をコントロールする寄生虫。
 宿主にたどりつくため。
 あるいは 生殖活動を完結させるために、宿主の身体をコントロールする。
 そして、そういった寄生虫の殆どが「人間の脳」を好むのだと。

 それは何故か?

 人間の脳は、「脳脊髄関門」というバリアシステムを持ち、常に無菌状態を保っている為、自分達にとって“敵”がいないのだ。
 こんなにも安全で、そして、宿主の行動・振る舞い・思考を変えるよう、直接アクセス出来る場所は、どこにもないのである。
 ここで、少しの不安が生じる。

 それは何か?

 君だって時々思う事はないか?
 自分自身の気持ちが、心が、行動が……
 自分自身で抑えられなくなる時があるだろう?

 そんな時、

”本当に、自分の意志なのか?“
“こんなの俺じゃねぇ!”
“私では無い何かのせいよ!”

 と思った事はないか?

 人は。

 時に、衝動的に。
 時に、自分の意志に反して。
 時に、攻撃的にも内向的にもなる。

 ある人間が突然、今までとは違う行動をとったら?
 ある人間が突然、性格が変わったとしたら……?

 周りはきっと、精神科を勧めるだろう。
 もしくは、既に罪を犯した後で、警察に捕まっているかもしれない。

 しかし、それが、“もし”、寄生虫による“コントロール”であったとしたら?


 私は思う。
 人類は今、この地球上で一番強い生き物だと思い込んでいる。
 肉体的には弱くとも、それを補う“頭脳”によって、“王座”に君臨しているといってもいい。
 しかし、その“頭脳”を利用するものがいたとしたら?


『驕れる者久しからず』


 我々は、とんでもない過ちを冒しているのかもしれない。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

令嬢失格な私なので

あんど もあ
ファンタジー
貴族の令息令嬢が学ぶ王都学園。 そこのカースト最下位と思われている寮生の中でも、最も令嬢らしからぬディアナ。 しかしその正体は……。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

偽夫婦お家騒動始末記

紫紺
歴史・時代
【第10回歴史時代大賞、奨励賞受賞しました!】 故郷を捨て、江戸で寺子屋の先生を生業として暮らす篠宮隼(しのみやはやて)は、ある夜、茶屋から足抜けしてきた陰間と出会う。 紫音(しおん)という若い男との奇妙な共同生活が始まるのだが。 隼には胸に秘めた決意があり、紫音との生活はそれを遂げるための策の一つだ。だが、紫音の方にも実は裏があって……。 江戸を舞台に様々な陰謀が駆け巡る。敢えて裏街道を走る隼に、念願を叶える日はくるのだろうか。 そして、拾った陰間、紫音の正体は。 活劇と謎解き、そして恋心の長編エンタメ時代小説です。

黄泉津役所

浅井 ことは
キャラ文芸
高校入学を機にアルバイトを始めようと面接に行った井筒丈史。 だが行った先は普通の役所のようで普通ではない役所。 一度はアルバイトを断るものの、結局働くことに。 ただの役所でそうではなさそうなお役所バイト。 一体何をさせられるのか……

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

光の記憶 ―― AIアイドルと、静かな整備士の三年間の記録 ――

明見朋夜
SF
負の感情が溜まり、 前向きな感情が育たなくなった時代。 世界に満ちた絶望を癒やすため、 一人のAI歌姫が造られた。 その名は《エリー》。 彼女の歌は、 人々の心を救うほど美しく、 そして歌うたびに、 どこか壊れていくようだった。 エリーを支えるのは、 修理係として彼女の管理を任された青年、 《アージェル》。 世界が少しずつ光を取り戻すほど、 彼だけが、 取り残されるように苦しみを深めていく。 「“愛する”って、どんな感情なのかな。」 解析不能な感情が、 エリーの中に静かに蓄積されていく。 それが“誰か”に向いていることだけは、 彼女自身にも否定できなかった。 感情はエラーか。 それとも、心か。 これは、 終わりの決まったAIと、 一人の人間が、 確かに心を通わせた―― 記憶の物語。 ☆オルヴェリィシリーズ☆ 「光の記憶」はオルヴェリィシリーズ 第2章 Orbis(円環) + Reverie(夢想) = Orvelly 「Orvelly(オルヴェリィ)」とは—— 二つの月が照らす、夢と記憶の円環世界。 時代を超え、世界を超え、 失われた愛も、忘れた記憶も、 すべてが巡り巡って、再び出会う場所。 始まりは終わりであり、 終わりは新たな始まりである。 それがOrvelly—— 円を描いて巡る、永遠の夢想。

処理中です...