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episode 18
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「なんだかいけ好かないオッサンね。あの不自然な頭。きっとズラよ」
鼻に皺を寄せて嫌悪感を露わにし、俺と大介に耳打ちする晴香さんの言葉を聞いて、つい吹き出しそうになる。
先を行く、管理人の頭に自然と目がいく、俺と大介。
そう言われてみれば、なんだかヘルメットのように、頭から少し浮いているような気がしないでもない。
顏や声と比べると、明らかに髪の毛だけは黒々として、フサフサしているが、鬘でオールバックなんて想像もしていなかったが、一度、色眼鏡をかけてしまうと、そうとしか思えなくなるのが不思議だ。
大介と互いに顏を見合わせると、「ウォンッウォンッ」と、尻尾を振って吠えるボン。
どうやらボンまでもが、彼の鬘疑惑を肯定しているみたいだ。
「マジかっ! ボンが言うなら間違いないや」
「あははは。よしよぉーし。ボンの観察眼はすっげぇな」
二人でボンの頭を撫で、大介が自分の荷物の中からウェットティッシュを取り出し、ボンの足裏を丁寧に拭くと、さっさと施設内に入って行った皆の後を駆け足で追い掛けた。
フロントで館内での注意事項と施設の案内説明を受けた後、鶴岡さんが代表として、ルームキーを三つ受け取った。
ツインルームなので、二人一部屋。
部屋割りとしては、米澤さんと晴香さん。
鶴岡さんと松山さん。
そして、俺と大介とボン。
当初、鶴岡さんの役目は、ここまでの案内まで。
帰りの予定日までは島の陸海空軍合同軍事司令部で待機する予定であった鶴岡さんも、本土を出た時の島の状況と、現在とではかなり変わって来てしまったので、予定を変更し、今後の計画について話し合い、予定を組むだけでなく、本土に戻るまでは、俺達を護衛してくれるという。
「では、荷物を置いたら、四階の第五ミーティングルームに集合しましょう」
「お手洗いとかも済ませたいし、荷物の整理もあるから。すぐとは言わず、せめて十五分くらいは待ってくれない?」
ルームキーを受け取る時に、晴香さんが彼にそう尋ねると、ハッと大きく目を見開いた。
「これは失礼しました。どうも、私は女性に対しての気遣いに欠けているようです。そうですね、皆さんも心身ともにお疲れだと思いますので、ミーティングは夕食後にしましょう。それまで、少しの間ではありますが、ゆっくりお過ごしください。夕食の時間は十九時半から、このフロアの一番奥にある食堂に準備されます」
鶴岡さんが指差す先には、大きなガラスがはめ込まれた扉。
照明が落とされ、中の様子はよく見えないが、緑の非常灯が照らすテーブルや椅子が、学食とさほど変わらないように見えたので、ホテルのような外観とロビーとの、あまりのアンバランスに和んだ。
部屋は皆、三階。
荷物もあるので、階段ではなくエレベーターを使うことにし、丁度、一階で待機していたエレベーターに乗り込もうとした時に、耳元で「荷物を置いたらすぐに四階へ」と、呟かれた。
「あ~。疲れた」
「何言ってるのよ。あんだけ散々寝ていた癖に」
「ば、ばかっ! あれは寝てたんじゃない。気絶していたんだっ」
「どっちも似たようなもんよ」
「ぎゃはははは」
松山さんにツッコミを入れて騒いでいる皆には気付かれていない。
俺に囁いた人は、平然としか顏でエレベーター内のボタンを押していた。
彼は俺に何の用があるのだろうか?
思い当たる節が何もない俺は、ただ彼の横顔を見つめるだけ。
「さて。では後ほど」
エレベーターの前で一旦、解散の言葉を告げた彼の背を、大介に「何、ボケっとしてんの?」と、注意されるまで見つづけていた。
「あぁ……悪い。さっさと俺達も部屋に入ろう」
小首を傾げる大介の横を通り過ぎて、鍵に記された番号が書かれた扉を探す。
米澤さん達は角部屋。
そこから三つ手前の鶴岡さん達の真向かいに、自分達が宿泊する部屋を発見し、俺達は部屋に入ったのだが、俺はその後、『すぐに』と言った彼の指示に従う事が出来なかった。
何故なら、荷物を置き、大介に怪しまれぬよう言い訳をして、廊下へ出ようとした時、部屋の中から呼び止められたから。
そして俺は、ここでも衝撃的な話しを聞く事になった。
鼻に皺を寄せて嫌悪感を露わにし、俺と大介に耳打ちする晴香さんの言葉を聞いて、つい吹き出しそうになる。
先を行く、管理人の頭に自然と目がいく、俺と大介。
そう言われてみれば、なんだかヘルメットのように、頭から少し浮いているような気がしないでもない。
顏や声と比べると、明らかに髪の毛だけは黒々として、フサフサしているが、鬘でオールバックなんて想像もしていなかったが、一度、色眼鏡をかけてしまうと、そうとしか思えなくなるのが不思議だ。
大介と互いに顏を見合わせると、「ウォンッウォンッ」と、尻尾を振って吠えるボン。
どうやらボンまでもが、彼の鬘疑惑を肯定しているみたいだ。
「マジかっ! ボンが言うなら間違いないや」
「あははは。よしよぉーし。ボンの観察眼はすっげぇな」
二人でボンの頭を撫で、大介が自分の荷物の中からウェットティッシュを取り出し、ボンの足裏を丁寧に拭くと、さっさと施設内に入って行った皆の後を駆け足で追い掛けた。
フロントで館内での注意事項と施設の案内説明を受けた後、鶴岡さんが代表として、ルームキーを三つ受け取った。
ツインルームなので、二人一部屋。
部屋割りとしては、米澤さんと晴香さん。
鶴岡さんと松山さん。
そして、俺と大介とボン。
当初、鶴岡さんの役目は、ここまでの案内まで。
帰りの予定日までは島の陸海空軍合同軍事司令部で待機する予定であった鶴岡さんも、本土を出た時の島の状況と、現在とではかなり変わって来てしまったので、予定を変更し、今後の計画について話し合い、予定を組むだけでなく、本土に戻るまでは、俺達を護衛してくれるという。
「では、荷物を置いたら、四階の第五ミーティングルームに集合しましょう」
「お手洗いとかも済ませたいし、荷物の整理もあるから。すぐとは言わず、せめて十五分くらいは待ってくれない?」
ルームキーを受け取る時に、晴香さんが彼にそう尋ねると、ハッと大きく目を見開いた。
「これは失礼しました。どうも、私は女性に対しての気遣いに欠けているようです。そうですね、皆さんも心身ともにお疲れだと思いますので、ミーティングは夕食後にしましょう。それまで、少しの間ではありますが、ゆっくりお過ごしください。夕食の時間は十九時半から、このフロアの一番奥にある食堂に準備されます」
鶴岡さんが指差す先には、大きなガラスがはめ込まれた扉。
照明が落とされ、中の様子はよく見えないが、緑の非常灯が照らすテーブルや椅子が、学食とさほど変わらないように見えたので、ホテルのような外観とロビーとの、あまりのアンバランスに和んだ。
部屋は皆、三階。
荷物もあるので、階段ではなくエレベーターを使うことにし、丁度、一階で待機していたエレベーターに乗り込もうとした時に、耳元で「荷物を置いたらすぐに四階へ」と、呟かれた。
「あ~。疲れた」
「何言ってるのよ。あんだけ散々寝ていた癖に」
「ば、ばかっ! あれは寝てたんじゃない。気絶していたんだっ」
「どっちも似たようなもんよ」
「ぎゃはははは」
松山さんにツッコミを入れて騒いでいる皆には気付かれていない。
俺に囁いた人は、平然としか顏でエレベーター内のボタンを押していた。
彼は俺に何の用があるのだろうか?
思い当たる節が何もない俺は、ただ彼の横顔を見つめるだけ。
「さて。では後ほど」
エレベーターの前で一旦、解散の言葉を告げた彼の背を、大介に「何、ボケっとしてんの?」と、注意されるまで見つづけていた。
「あぁ……悪い。さっさと俺達も部屋に入ろう」
小首を傾げる大介の横を通り過ぎて、鍵に記された番号が書かれた扉を探す。
米澤さん達は角部屋。
そこから三つ手前の鶴岡さん達の真向かいに、自分達が宿泊する部屋を発見し、俺達は部屋に入ったのだが、俺はその後、『すぐに』と言った彼の指示に従う事が出来なかった。
何故なら、荷物を置き、大介に怪しまれぬよう言い訳をして、廊下へ出ようとした時、部屋の中から呼び止められたから。
そして俺は、ここでも衝撃的な話しを聞く事になった。
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