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身体
第九話【美に潜む闇】
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「あれ?」
『ちょっと! 勝手に人んちの冷蔵庫開けないでよ!』
「いいじゃん。減るもんじゃないし。てか、自分だけ使うのってズルイ!……ハックチュン!」
『私は社員だもん……って、あんた、風邪?』
「別に、また、貰えばいいじゃん。ん? 風邪っぽいっけど、大丈夫よ! 元気元気! ックチュン!……あ! あったあった!』
『あんた、色々な検査やテストとか受けてないでしょ?』
「大丈夫だって! ハックチュン。あたしの方が肌、丈夫だし?」
『ちょ! やめなさいよ! 勝手に使ってどうなっても……』
プチッ
プチュウゥゥゥゥゥゥ……
バサリッ
『私は、前から止めたからね?』
「だから、大丈夫だって。ズルズルズル。。美樹だって、未だに大丈夫なんだし、あたしだって大丈夫よ」
『本当に、知らないからね?』
「そんなにヒステリックだから、美樹は……ックチュン。ま、いいわ。じゃぁね~」
バタンッ
『あ~あ。馬鹿な子。私、止めたのに。ま、いっか。』
溜息をつきながら、先程彼女がゴミ箱に捨てた容器と注射器を見つめる。
容器には【プラスチックコーティングヒアルロン酸】と記載されており、その容器の蓋には小さな穴。
『元々、私が鼻筋を通したくて勤務先で施術してもらった時には、馬鹿にして、整形美人だとか皆に言いふらしてたくせに』
ポツリと呟く。
『あのコはなんでも、私から奪わなきゃ気が済まない。私の上に常に立っていなきゃ気が済まない』
容器をジッと見つめる。
『その癖、ケチで。自分じゃ、到底、美容整形外科になんて通うお金なんてないから、私の事を僻んで。私の彼氏にまで、私の知らない所で、あること無い事言いふらして……全身整形だとか……』
ギリリリリッと歯を食いしばる。
『……私が、自宅で出来るようにして貰ったんだって言えば、やっぱり、すぐに飛び付いた。“じゃぁ、私にもやらせてよ! 私も鼻筋通したい! 美樹だけ狡い!”って。ほんと、馬鹿じゃないの? タダでそんな事……ふふふ』
口元がニヤリと歪む。
『数回、甘い思いをすれば、私が忠告しても、絶対に何にも疑わずに、自分でホイホイ使うようになるとは思っていたのよね……』
そして、もう一つの。
蓋付の生ゴミ用のゴミ箱を見つめる。
『まさか。あのヒアルロン酸の中に……ちょっと遺物が混入してたって。あの図太い神経のあのコには、なんの効果もでないわよねぇ……?』
クスクスクスクス
『でも、風邪ひいてるって事は、免疫力の低下で、細菌感染は免れないのかも?』
ウフフフフフフ
部屋に嬉しそうな笑い声が木霊する。
『あのコの鼻。腐らなきゃいいけど?』
フフフフフフフフ
――数週間後
「ックチュン」
「お前、まだ、風邪治らないのか?」
「そうみたい~」
「って、お前、鼻だけ真っ赤だぞ! 鼻かみすぎじゃねぇか?」
「えー? くしゃみだけだし、鼻はそんなにかんでないよ?」
「でも、異常だぞ?」
「……っていうか、なんか、ここんとこ、鼻が熱いっていうか、痛いっていうか……」
「痛い? それって、なんか、病気なんじゃ……ちょっと、触るぞ?」
グニュゥッ
「イタッ!」
「うわぁぁ! なんだ! お前の鼻!」
「え?」
「く、腐ってんじゃねぇか!」
震わせながら、先程、彼女の鼻を触った手を見せる。
そこには、赤黒い小さな肉片が指先に付いていた。
「え?……わ、私の鼻……は、鼻……鼻はどうなってるの?」
恐る恐る、横にあるウィンドーに目をやる彼女。
「い、い、天…いやぁぁぁぁぁぁぁ!」
美は一日にしてならず。
そして、外見だけの美しさには必ず錆が出ます。
皆様も、お気を付け下さいませ。
『ちょっと! 勝手に人んちの冷蔵庫開けないでよ!』
「いいじゃん。減るもんじゃないし。てか、自分だけ使うのってズルイ!……ハックチュン!」
『私は社員だもん……って、あんた、風邪?』
「別に、また、貰えばいいじゃん。ん? 風邪っぽいっけど、大丈夫よ! 元気元気! ックチュン!……あ! あったあった!』
『あんた、色々な検査やテストとか受けてないでしょ?』
「大丈夫だって! ハックチュン。あたしの方が肌、丈夫だし?」
『ちょ! やめなさいよ! 勝手に使ってどうなっても……』
プチッ
プチュウゥゥゥゥゥゥ……
バサリッ
『私は、前から止めたからね?』
「だから、大丈夫だって。ズルズルズル。。美樹だって、未だに大丈夫なんだし、あたしだって大丈夫よ」
『本当に、知らないからね?』
「そんなにヒステリックだから、美樹は……ックチュン。ま、いいわ。じゃぁね~」
バタンッ
『あ~あ。馬鹿な子。私、止めたのに。ま、いっか。』
溜息をつきながら、先程彼女がゴミ箱に捨てた容器と注射器を見つめる。
容器には【プラスチックコーティングヒアルロン酸】と記載されており、その容器の蓋には小さな穴。
『元々、私が鼻筋を通したくて勤務先で施術してもらった時には、馬鹿にして、整形美人だとか皆に言いふらしてたくせに』
ポツリと呟く。
『あのコはなんでも、私から奪わなきゃ気が済まない。私の上に常に立っていなきゃ気が済まない』
容器をジッと見つめる。
『その癖、ケチで。自分じゃ、到底、美容整形外科になんて通うお金なんてないから、私の事を僻んで。私の彼氏にまで、私の知らない所で、あること無い事言いふらして……全身整形だとか……』
ギリリリリッと歯を食いしばる。
『……私が、自宅で出来るようにして貰ったんだって言えば、やっぱり、すぐに飛び付いた。“じゃぁ、私にもやらせてよ! 私も鼻筋通したい! 美樹だけ狡い!”って。ほんと、馬鹿じゃないの? タダでそんな事……ふふふ』
口元がニヤリと歪む。
『数回、甘い思いをすれば、私が忠告しても、絶対に何にも疑わずに、自分でホイホイ使うようになるとは思っていたのよね……』
そして、もう一つの。
蓋付の生ゴミ用のゴミ箱を見つめる。
『まさか。あのヒアルロン酸の中に……ちょっと遺物が混入してたって。あの図太い神経のあのコには、なんの効果もでないわよねぇ……?』
クスクスクスクス
『でも、風邪ひいてるって事は、免疫力の低下で、細菌感染は免れないのかも?』
ウフフフフフフ
部屋に嬉しそうな笑い声が木霊する。
『あのコの鼻。腐らなきゃいいけど?』
フフフフフフフフ
――数週間後
「ックチュン」
「お前、まだ、風邪治らないのか?」
「そうみたい~」
「って、お前、鼻だけ真っ赤だぞ! 鼻かみすぎじゃねぇか?」
「えー? くしゃみだけだし、鼻はそんなにかんでないよ?」
「でも、異常だぞ?」
「……っていうか、なんか、ここんとこ、鼻が熱いっていうか、痛いっていうか……」
「痛い? それって、なんか、病気なんじゃ……ちょっと、触るぞ?」
グニュゥッ
「イタッ!」
「うわぁぁ! なんだ! お前の鼻!」
「え?」
「く、腐ってんじゃねぇか!」
震わせながら、先程、彼女の鼻を触った手を見せる。
そこには、赤黒い小さな肉片が指先に付いていた。
「え?……わ、私の鼻……は、鼻……鼻はどうなってるの?」
恐る恐る、横にあるウィンドーに目をやる彼女。
「い、い、天…いやぁぁぁぁぁぁぁ!」
美は一日にしてならず。
そして、外見だけの美しさには必ず錆が出ます。
皆様も、お気を付け下さいませ。
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