百談

壽帝旻 錦候

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身体

第八話【疲れやすい人】

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 最近、本当に体が怠い。
 正直、頭は重い。
 肩は凝る。
 腰は痛い。
 足は怠い。
 体中のあちこちが、悲鳴を上げている。
 病院に行っても、単なる疲れだとか、坐骨神経痛に、四十肩とか。
 俺、まだ、三十代なんだけどなぁ……

 え?
 なんだって?
 脳?
 脳の検査は今日なんだよ。

 え?
 なんでだよ。
 お前も付いて来るって。
 俺、ホモじゃねぇから、お前が付いて来ても、なんにも嬉しくないし。
 お前に心配されるより、カワイコちゃんに心配されてーんだけど。

 あぁ?
 最近、俺から活気を感じないって?
 まぁ、そりゃそうだろ。
 俺、体調わりぃもん。

 は?
 生体反応が薄い?
 うっせーよ!
 お前、小難しい事ばっか、いつも言いやがんのな。

 ん?
 で?
 人間の脳はシナプスで微弱な電流で神経を指示してる?
 しかも、細胞膜では、なんかの刺激で電位が生じる?
 要するに、人間の体には微弱な連流が流れてるって事ね!
 そんな事は俺でも知ってるよ!

 はぁ?
 幽霊も微弱な電流があるって?
 なんで、俺の体調の話から、幽霊の話になるんだよ!

 へ?
 脳に憑りつかれたら、そこから幽霊も微弱電流にのって、神経に流れて、脳に憑りついた霊の指令通り、何かをするって?
 んな、馬鹿な!
 アホな事ばっか言ってると、友達なくすぞ!
 俺と言う名のな!


 ――数時間後

 俺は驚愕していた。
 医者から見せられた、脳のMRIには、あるモノが写ってた。
 そして、「こんな症例は初めてだ」と、大きな総合病院への紹介状を書いてくれたが、隣にいる友人がそれを断り、すぐさま神社に連れて行ってくれ、お祓いをしてもらった。
 すると、途端に身体が軽くなった。
 驚いていると、「な。言った通りだろ?」と言った。

 なんでも俺の体から、黒い「気」を感じていたらしい。

 しかも「疲れやすい」という言葉でピンと来たらしいのだが。

「つかれやすい」

とは

「憑かれやすい」

 のと同じらしく、俺の脳を乗っ取って、神経や細胞のあちこちに、色々な霊を送り込んでいた原因となるものを除霊した為、その他の霊たちも脳にいた霊の指令通り、俺から離れていったそうだ。

 え?
 MRIに写っていた物?
 それが何かだって?

 それは……白いモヤのようでいて、人間の顔のような形をした。
 心霊写真といっても過言ではないような物だったんだ。
 神経にも細胞にも。
 電流が流れている限り、心の隙間に何かが憑りついた時。
 そこから“何か”が体中のあちこちに、運ばれるのかもしれない。

 今回は、ただ体が怠くなる程度で済んだけど。

 もし。
 もしも。
 もっと、邪悪な物に憑りつかれていたら……

 下手したら、自分の意志をは関係なく。
 神経を乗っ取られて、罪者にだってなり兼ねない。
 そう思ったら、ゾクリとしたものが、背筋に走った。

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