囮になった見習い騎士には、愛され生活が待っていた。

朝顔

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第一章

8、撫でられたい

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「ったく、あの人、容赦しないんだから」

 湯を浴びて部屋に戻ってきたリカルドは、寝間着に着替える前に、鏡の前で自分の体を見た。
 どこもかしこも擦り傷や打ち身になっていて、全身がひどいことになっていた。
 おかげで湯を浴びるときは、ヒリヒリして痛すぎて泣けた。
 ひどい扱いを受けているような体だが、これらは自分で望んだことの結果だ。
 セイブリアンに剣を教えてもらえるようになり、ついに手合わせをするまでになった。
 夢中で剣を振っていると、気が付けばこの通り、傷だらけになっていた。
 しかし、これはリカルドにとって勲章のようなものだ。
 ずっとまともな訓練を受けれずに、腐っていたのだ。
 それが他国に連れて来られて、こんな機会に恵まれるなんて思ってもいなかった。

 セイブリアンは、訓練では厳しいが性格は優しい人だ。
 むしろ上に立つ者として、もう少し尊大な態度でもいいと思うのに、リカルドのことを細かく気遣ってくれる。
 訓練前には緊張をほぐすように会話をして、終わったら体の心配をしてくれる。
 食事も多めに取れるように手配してくれたし、汚れた衣服も新しい物に交換してくれた。
 居心地がいいを通り越して、やはり騙されているんじゃないかと疑ってしまうほどだ。
 セイブリアンの教え方は的確で分かりやすく、リカルドの足りない箇所を、どうすればいいか教えてくれる。
 それに従って、必死にやっていたら、自分でも驚くほどに、剣の腕が上達していると実感していた。
 こんなことを実感させられたら、もうセイブリアンを尊敬せずにはいられない。
 ここにいる他の兵士達と同じで、リカルドはすっかりセイブリアンに心酔していた。
 願わくば、彼の元で働きたいと思うほどに……

 どうしたいかは自分で考えろと言われている。
 リカルドは日に日に、セイブリアンの力になりたいと考えるようになっていた。

 トントンとノックの音が聞こえて、はいと返事をしたが、リカルドは自分が素っ裸だったことに気がついた。
 急いでガウンだけ羽織り、前を適当に紐で結んでからドアを開けると、そこにいたのはセイブリアンだった。

「え……セイブリアン様」

「夜分にすまないな、傷の様子を……」

 何か袋を大事そうに持っていたセイブリアンは顔を上げたが、リカルドを見て、目を開いて驚いた顔をした。

「なっっ……なんて格好だ! 君は……いつもそんな格好で出迎えをするのか?」

 頬まで赤くなり、困った顔をしているセイブリアンを見て、リカルドは自分の姿を確認した。
 確かに胸は開いていて、足も出ているが、男同士であるし、夏場など裸同然で訓練をしたこともあったので、それほど気にはならなかった。
 しかし、相手は皇子様だったことを思い出して、下品であるとか、無礼だったかと気がついた。
 
「あ、ああ、すみません。湯上がりでして、アルジェンが来たのかと……」

「アルジェン……」

 アルジェンの名前を出すと、セイブリアンは、今度はムッとした顔になった。
 世話役の彼の話をすれば、分かってもらえると思ったのにどうも違ったようだ。

「あの……その袋は何か……?」

「ああ、これか……これは……」

 その時、廊下の向こうから声が聞こえてきた。
 誰か来たのだろうと思ったが、セイブリアンは中に入れてくれと言って急かして来た。
 立場上、この辺りをうろついていると、ルーセント辺りに何か言われるのかもしれない。
 リカルドはどうぞと言って、セイブリアンを中に入れた。
 パタンとドアが閉まると、セイブリアンは頭に手を当てて、ハァと安堵するような息を吐いた。

「風邪を引くかもしれない。そんな薄着ではドアを開けないように。たとえアルジェンであっても、だ」

「は、はい」

 リカルドは体力に自信があり、あまり病気にもかからなかった。
 体調が悪くても、少し寝れば回復するので、薄着でうんぬんという話は頷けなかったが、とりあえず分かりましたと言っておいた。

「傷薬を持って来た。傷を負わせた責任もあるし、これはよく効くやつだから、使って欲しい」

 セイブリアンは手に持っていた布袋の中から、瓶に入った塗り薬を取り出した。
 リカルドの部屋にも傷薬はあったが、ちょうど切れそうになっていたので、助かったと思った。

「ありがとうございます。大切に使わせていただきます」

「そうだ、今日は背中を擦りむいただろう。手が届きにくい場所だ。俺が塗ってやろう」

「へ!? そ、そんな……! 申し訳ないです!」

「遠慮するな。ちょうど脱ぎやすい格好だ。ベッドにうつ伏せになれ」

 さっさとしろと押されてしまい、断りきれなかったリカルドは、ベッドにうつ伏せで寝ることになった。
 まさか、団長のセイブリアン自ら、そんな処置をするのかと思ったら、頭が混乱してしまった。

「塗り方にコツがあるんだ。まず全体を覆うように薄く塗って、次に患部に塗り込めるように力を入れる」
 
 リカルドが夜着のガウンをずらして背中を開けると、セイブリアンは瓶の蓋を開けて、指に取った薬を擦り傷に塗ってきた。

「うぅ……」

「痛いか? 少し、我慢してくれ」

 痛いというより塗り薬の冷たさに声を上げたが、それはすぐに熱いと思うくらいになった。
 薬の効能なのか、それとも……

「剣気を使うわけではないが、内部に熱を貯めやすくて、普段から体温が高いんだ。火傷するほどではないが、不快ではないか? 熱かったらすまない」

「い、いえ。不快に感じるほどでは……むしろ……うっ、んんっ」

 心地いいと言おうとしたリカルドだったが、セイブリアンの指が肌を滑ると、刺激で変な声が出てしまった。
 慌てて口に手を当てたが、セイブリアンはそんなリカルドの様子を気にすることなく、真剣に薬を塗っていた。

「ここも、ここも、かなり擦っているな。ここはアザになっている」

「……っっ……ふ…………ん…………くっ……ぁぁ」

 治療を受けているはずだが、セイブリアンの手が熱いせいなのか、やたらと肌が敏感に反応してしまう。
 リカルドは口をぎゅっと引き締めて、手で強く押さえながら、何とか声が漏れるのを抑えた。

「ここは剣を当てた時のものだな。上手く止めたつもりだったが、青くなっている。すまないな」

「い、いえ……いっ……あっ」

 返事をしようとして手を離したら、思わず声が漏れてしまい、セイブリアンの手が止まった。
 ただ薬を塗っているだけなのに、おかしな声を出して変なヤツだと思われたかもしれない。
 リカルドは恥ずかしくて顔が熱くなってしまった。

「……リカルド、ここの傷だが、枝で擦れたのか、前まで広がっている。体を仰向けにしてくれないか?」

 リカルドは言われた通り体を浮かせたが、途中でマズいということに気がついた。
 なぜなら、セイブリアンから与えられる熱が、予期しなかった方向に進んでしまい、体の中心に集まっていた。
 意識したらダメだと思うほど、どんどんソコが反応してしまう。
 前は自分でやるからと言おうとしたが、力の強いセイブリアンは、簡単にリカルドをベットの上で回転させてしまった。
 仰向けになったリカルドは、慌てて下半身を隠そうとしたが時すでに遅し。
 下半身だけ残していたガウンが、ソコだけ元気よく盛大に盛り上がっていた。
 そして、セイブリアンの視線は、ソコをしっかり捉えていたので、リカルドは恥ずかし過ぎて、あぁと声を漏らした。

「その……すみません、とんだ醜態を……」

「……構わない。同じ男だからな、疲労が溜まると、こうなるのはよく分かる。気にするな」

 気にするなと言われても、恥ずかしすぎて消えてしまいたいくらいだ。
 セイブリアンの方は、気にしていない様子で、リカルドに薬を塗り終えたら、布で手を拭った。

「俺と手合わせの訓練を一週間受けて、音を上げなかったのはお前が初めてだ。教え甲斐があって、嬉しいくらいだ。薬は他にも持ってきたから、自由に使って、足りなくなったら言ってくれ」

「は、はい……」

「では……邪魔をしたな。お……俺はもう出ていくから寛いでくれ」

「はい、ありがとうございます」

 いつも堂々としているセイブリアンだが、早口で説明して、机の上に瓶を置いた後、逃げるようにサッと出て行ってしまった。
 セイブリアンが部屋から出て行った後、リカルドはベッドの上で頭を抱えた。
 ぎこちない動きに見えたが、あんな変なものを見せられたら、不快になるのは当然だと思ってしまった。
 明日、どんな顔を見せたらいいのかと頭痛がするが、むしろ、汚いものを見せるなと怒鳴られなかっただけマシかもしれない。
 セイブリアンが言うように、疲れが溜まったからか、久々に人から肌に触れられて反応したのか、色々な考えがぐるぐる回ったが、リカルドの頭は混乱で動かない。
 ただ、こんなことになっても、萎えることなく、天を向いている自身を見て、どうしたらいいのかと大きなため息をついた。

「嘘だろ……どーすんだよ、コレ」

 なかなか冷めない熱を持て余して、リカルドは息を吐きながら、うつ伏せでベッドに転がった。

 
 
 
 
 気まずい気持ちのまま、翌朝を迎えて、いつも通りに朝の訓練に行くと、セイブリアンの様子は変わらないように見えた。
 変な意識をしていたのは自分だけだったのかと、リカルドは恥ずかしくなったが、態度に出さないようにして、黙々と走って剣を振った。
 セイブリアンもこの日は言葉が少なく、集中して体を鍛えていたので、リカルドは助かったと思った。
 男の多い環境で生きてきたので、ああいった状況に慣れているのかもしれない。
 リカルドも意識しないようにすることにした。

 朝訓練を終えて、動物達の区域に入ると、早速、三匹の犬がドタドタと地面を揺らして歩いてきて、同時にリカルドに飛び乗った。

「うわっ、こらっ……やめろって、も……来た早々、涎でびしょ濡れじゃないか」

 大きな体で、三匹ともクンクン鼻を鳴らしてくるのが可愛い。
 両手で思いっきり撫でながら、ふさふさの毛の中に埋もれるのは、イヤイヤ言いながら、リカルドは嬉しくてしょうがなかった。
 頭で軽く押され、庭を転がされて、連れて来られたのはリカルドが布を固めて作った布玉のかご置き場だ。
 三匹とも噛む力が半端ではないので、作ってもすぐにダメになってしまう。
 そのために、アルジェンにも手伝ってもらって、常時五つくらいは作り置きして、かごに入れていた。
 かごの中から抱えるくらいの布玉を取り出して、それぞれ投げてやると、三匹とも楽しそうに追いかけて口に咥えてくる。
 尻尾を振るだけで、その辺の木が倒れてしまいそうなくらいの風が巻き起こるので、細かな草が舞って、リカルドは草だらけになっていた。
 しかし、犬達は体力があるので、これくらい激しい遊びをしないといけない。
 咥えた布玉をブンブン振り回している三匹を見て、今日も元気だなとリカルドは笑った。
 猫達はそんな様子を小屋の中からチラッと見て、興味なさそうに寝てしまった。
 猫達が動くのは基本夜なので、午前中はほとんど寝ている時間だ。
 その間に犬達を遊ばせておくのが日課になった。
 布玉を投げて、犬達が遊んでいるうちに掃除をする、犬達が飽きた頃に食事の時間になる。
 午前中はこんな感じで大忙しだ。
 午後になると犬達は、昼寝をして、三匹でじゃれて遊んでいる。
 その間に猫達が近づいてきたら遊ぶという流れだ。
 鳥達の小屋も開放して、好きにさせているが、たまにリカルドの肩に乗ってきてエサを食べてくれることもある。
 すっかりみんなと仲良くなれて、世話係の仕事は少しも苦ではなくなった。

 午後はセイブリアンが顔を出すこともあるが、この日は忙しかったのか、姿を見せなかった。

 環境に慣れてくると、色々と考えてしまうようになる。
 地面に座って猫達と戯れながら、リカルドは高い窓から覗く空を見上げた。

「これから……どうしたらいいんだろう」

 セイブリアンの領土では、捕虜は自由選択ができると聞いた。
 当初は自国に帰ることも選択肢にあったが、今ではすっかり薄れてしまった。
 散々こき使われて、剣すら握らせてくれなかった場所に、帰りたいなどと思わなくなった。
 できれば、セイブリアンの元でずっと剣を学び続けたい。
 あの大きくて、ゴツゴツした手にもう一度撫でられたい。

「ん?」

 思考がおかしな方向に曲がっていき、リカルドは閉じていた目を開けて、首をブンブンと振った。
 猫達が何をしているの? という不思議そうな目で見てきたので、エヘヘと苦笑いして猫達を撫でた。
 おかしな思考は消そうとすればするほど、頭にこびりついてしまい、なかなか離れてくれなかった。
 


 
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