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第二章 異形
十八話
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色々な事が重なって疲れていたのか、ナナはあの会話の後すぐに寝てしまったので、あなたはめいの沸かしてくれた風呂に浸かりながら、鬼達の事について考えていた。
ポチはいささか心配しすぎているような気がするが、鬼達があなたを狙って街へ来ているのは事実だ。
今はまだ目立った被害は無いようだが、街の住人達が全てひょろながやあなたのように強いとは限らないわけで、ポチが心配しているのはその事なのかもしれない。
皆の口ぶりからして、祖母が存命の頃は大人しくしていたようなので、そういう意味では今回の騒動の原因はあなたであるとも言えるわけで、祖母の後継人としてこのままにしておくわけにはいかないだろう。
あなたは湯を一掬いすると顔にパシャリとかけ、パンパンと顔を叩くとそのまま立ち上がった。とりあえず一度、裏山とやらに行ってみる必要がありそうだ。
脱衣所を後にしたあなたは火加減を見ているめいの元へ向かうと、ここへ来るときに来ていた服をどこに仕舞ったかを尋ねた。
裏山と言うぐらいだから、ある程度遠出を覚悟しないといけないだろう。そうなると、着物で向かうのは得策とは言えない。
そんなあなたの質問に、めいは少し不思議そうな顔をしていたが、特に理由は聞かずに仕舞った場所を教えてくれた。
一瞬、めいに話しておこうかという考えも頭を過ぎったあなただったが、心配をかけるだけだと思ったのでやめておくことにした。勝手にいなくなれば結局心配を掛ける事にはなってしまうだろうが、変に巻き込んでしまうよりはずっとマシだと思ったのだ。
布団をナナに使われてしまっているあなたは、いつも祖母が座っていた場所でごろんと横になり、皆が寝静まるのを待つことにした。
カチ、コチ、と古い時計が刻む針の音が、だんだんと遠くなっていく。
目覚めたあなたは庭先に立っていた。
誰かの声に縁側の方を見ると、ポチとナナ、めいが楽しそうに談笑している。
そして、本来ならばあなたがいるはずのめいとポチの間に、気持ち悪い笑みを浮かべた影が座り、こちらを見返してくる。
大声をあげて歩み寄ろうとして、あなたは自分が一切動けず、声をあげることすら出来ない事に気付く。
そんなあたなを嘲笑うように影はさらに口を大きく歪めたかと思うと、そのままフッと消えてしまった。
先程まで影がいた空間にナナが座ると、ポチとナナが小さないざこざを始め、めいがわたわたしながら止めに入る。
まるでそれがあるべき形のように見えて、必死に抵抗を試みていたあなたは全身の力が抜けていくような感覚に襲われた。
そんなあなたの目の前に、再び影が現れる。
襲いかかってくるかと思い、入らぬ力を全身に込めようとするが、なぜだか影に敵意は感じず、ただただ影はそこに立っているだけで。
影がゆらりと揺らめき、あなたの視界全体へと広がっていく。
いつの間にか寝てしまっていたらしい、最悪の目覚めにあなたは頭をぶんぶんと強く振った。
気付けに顔でも洗おうかと思ったが、水音一つでも誰かを起こしてしまいそうなほどに静かな庭先を見て、あなたは考えを改めるとめいに聞いた箪笥の前へ移動した。
もう懐かしさすら感じる制服に袖を通すと、あなたは縁側に立って大きく伸びをした。
伸びの頂点でしばらく身を固めると、昨日ひょろながが緑色の鬼を投げ飛ばした辺りを見つめる。
恐らくあの辺の山がひょろながの言っていた裏山なのだろう、と大雑把な目星を付けるとあなたは床に足を付けた。
そのまま玄関へと足を踏み出した所で、あなたはふと視線を感じて振り返る。
先程までいたかいなかったかが定かではないが、視線の先でポチがぐうぐうと寝息を立てていた。
今の視線はポチのものだったのか、はたまたただの気のせいか。
起きている可能性もあるので、とりあえずあなたはポチに自分の行先と、その間めいとナナをよろしく頼む旨を伝え、駄菓子屋を後にした。
ポチはいささか心配しすぎているような気がするが、鬼達があなたを狙って街へ来ているのは事実だ。
今はまだ目立った被害は無いようだが、街の住人達が全てひょろながやあなたのように強いとは限らないわけで、ポチが心配しているのはその事なのかもしれない。
皆の口ぶりからして、祖母が存命の頃は大人しくしていたようなので、そういう意味では今回の騒動の原因はあなたであるとも言えるわけで、祖母の後継人としてこのままにしておくわけにはいかないだろう。
あなたは湯を一掬いすると顔にパシャリとかけ、パンパンと顔を叩くとそのまま立ち上がった。とりあえず一度、裏山とやらに行ってみる必要がありそうだ。
脱衣所を後にしたあなたは火加減を見ているめいの元へ向かうと、ここへ来るときに来ていた服をどこに仕舞ったかを尋ねた。
裏山と言うぐらいだから、ある程度遠出を覚悟しないといけないだろう。そうなると、着物で向かうのは得策とは言えない。
そんなあなたの質問に、めいは少し不思議そうな顔をしていたが、特に理由は聞かずに仕舞った場所を教えてくれた。
一瞬、めいに話しておこうかという考えも頭を過ぎったあなただったが、心配をかけるだけだと思ったのでやめておくことにした。勝手にいなくなれば結局心配を掛ける事にはなってしまうだろうが、変に巻き込んでしまうよりはずっとマシだと思ったのだ。
布団をナナに使われてしまっているあなたは、いつも祖母が座っていた場所でごろんと横になり、皆が寝静まるのを待つことにした。
カチ、コチ、と古い時計が刻む針の音が、だんだんと遠くなっていく。
目覚めたあなたは庭先に立っていた。
誰かの声に縁側の方を見ると、ポチとナナ、めいが楽しそうに談笑している。
そして、本来ならばあなたがいるはずのめいとポチの間に、気持ち悪い笑みを浮かべた影が座り、こちらを見返してくる。
大声をあげて歩み寄ろうとして、あなたは自分が一切動けず、声をあげることすら出来ない事に気付く。
そんなあたなを嘲笑うように影はさらに口を大きく歪めたかと思うと、そのままフッと消えてしまった。
先程まで影がいた空間にナナが座ると、ポチとナナが小さないざこざを始め、めいがわたわたしながら止めに入る。
まるでそれがあるべき形のように見えて、必死に抵抗を試みていたあなたは全身の力が抜けていくような感覚に襲われた。
そんなあなたの目の前に、再び影が現れる。
襲いかかってくるかと思い、入らぬ力を全身に込めようとするが、なぜだか影に敵意は感じず、ただただ影はそこに立っているだけで。
影がゆらりと揺らめき、あなたの視界全体へと広がっていく。
いつの間にか寝てしまっていたらしい、最悪の目覚めにあなたは頭をぶんぶんと強く振った。
気付けに顔でも洗おうかと思ったが、水音一つでも誰かを起こしてしまいそうなほどに静かな庭先を見て、あなたは考えを改めるとめいに聞いた箪笥の前へ移動した。
もう懐かしさすら感じる制服に袖を通すと、あなたは縁側に立って大きく伸びをした。
伸びの頂点でしばらく身を固めると、昨日ひょろながが緑色の鬼を投げ飛ばした辺りを見つめる。
恐らくあの辺の山がひょろながの言っていた裏山なのだろう、と大雑把な目星を付けるとあなたは床に足を付けた。
そのまま玄関へと足を踏み出した所で、あなたはふと視線を感じて振り返る。
先程までいたかいなかったかが定かではないが、視線の先でポチがぐうぐうと寝息を立てていた。
今の視線はポチのものだったのか、はたまたただの気のせいか。
起きている可能性もあるので、とりあえずあなたはポチに自分の行先と、その間めいとナナをよろしく頼む旨を伝え、駄菓子屋を後にした。
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