勇者「その武器重くねぇの?」

ハナミツキ

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魔物「ゲギャギャギャ」バサバサ

魔法使い「えいやっ!」グシャ

魔物「グゴゴゴゴ」バサバサ

僧侶「……ていっ」ザシュン

魔物「ウゲゴギャガギゴゴゴ」バサバサ

氷幼女「いねいっ!」ジャラララ  ゴシュ

魔物「ウゴギャギャギャ」バサバサ

勇者「……げっ!」ゴシュ

魔法使い「ゆ、勇者っ!」

僧侶「……しまった」

氷幼女「何を油断しとるんじゃ、バカが……」


魔物「ギャイギャイギャイ」

森林王「ふむ、男をしとめたか」

森林王「ヌゥンッ!」

魔物「……ギャ?」

森林王(……魔法は解けとらん。つまり、あの魔法をかけたのは、あの女のうちのどちらかか……)

森林王「……よし、やつらの場所を教えろ!俺様も行くぞ!」フアサッ

森林王(周りへの力が弱まる魔法……聞いたこともないが、なんとしても解除しなければ……)


僧侶「……来る」

氷幼女「……この気配、奴か!」 ズドーン

魔法使い「わ、わぁっ!?」よろっ

僧侶「……すごい、煙」

森林王「貴様ら……味な真似をしてくれたな」

氷幼女(……勇者の魔法に気付きおったか。ただの脳筋かと思ったら意外とやるのう)

氷幼女「ふん……小娘一人倒せぬ王が何をほざくか」

森林王「き、さ、まぁ……」ブチブチ


森林王「……笑っておられるのも今のうちだぞ」

魔物「グフフフフ……」ズン ズン

魔法使い(今までの魔物と、大分違うやつだ……!)

僧侶(……でかい)

氷幼女(亜人種か……こんなやつまでおるとは)

森林王「直接手を下せんのはちと悔しいが……しかたなかろう」

森林王「やれっ!お前たち!」


魔法使い「ていやぁ!」ズガン 「グハハ……」ガシッ

魔法使い「ボ、ボクの武器を離せっ!」

僧侶「……はっ!」ザク 「ゲフフフ……」ギリリ

僧侶「……抜けない」

氷幼女「……!」

氷幼女(無能猿め、護衛が手薄ではないかっ!)ダダッ

森林王「……ぐはっははは!ここまで予想通りだと笑いが止まらんな」

氷幼女「な、なんだと……はっ!」 

魔物「グゲギョギョギョ!」ボワァ ボゴン

氷幼女(わらわとしたことが、この程度の伏兵に……っ)

氷幼女「……ぐはっ!」ドサッ


森林王「さんざん人のことをコケにしてた割りには、ずいぶん簡単な手に引っかかるな?」

氷幼女(……なんたることじゃ……わらわが謀られるとは)

森林「……先に貴様からやらせてもらおうか」

魔物「ゲギャ!ゲギャギャフゥ!」ザッ ザッ

魔法使い「くっ!やめろぉっ!巻き起これっ……」ポフ

魔法使い「こんな時に、魔力切れ……っ!?」

僧侶「……ぐ」

森林王「心配するな、すぐにお前たちにも後を追わせてやろう」


魔物「グゲギャギャギャ!」カキン 「ギャギャ!?」

森林王「これは……防御壁か?一体誰が……」

勇者「……間に合った、か」ズル ズル

氷幼女「勇者……!」

魔法使い(ボロボロだ……ぜんぜん治癒しきってないじゃないか……)

僧侶(……まずい)

勇者「流石に形勢逆転、とはいかないか……」


森林王「息の根を止めたと聞いていたが……生きていたのか」

勇者「……まぁ、おかげさまでな」

森林王「その姿を見る限り、まともに戦えそうもないみたいだが?」

勇者「……時間稼ぎぐらいは出来るさ」


勇者(……とはいえ今回ばかりは流石にまずいかもしれんな……)

森林王「今度は……完全に消し炭になるまで燃やしてくれるわ!」

勇者(うわぁ……消し炭はどうなるんだ)

魔法使い「勇者っ!くそっ!離せっ!はなせぇっ!」ジタバタ

僧侶「……く、ぅ!」ガン ガン

森林王「うるさい小娘どもめ……そんなに死にたいか?」

勇者「……魔法使い、僧侶。俺なら大丈夫だから、心配すんな」

勇者(……多分)

魔法使い「勇者……」

僧侶「……勇者」

氷幼女(大丈夫なわけ、なかろう……死ぬ気か、勇者……)

森林王「ふむ……潔い態度は、嫌いではないぞ」

勇者「お前みたいなむさいゴリラに好かれてもうれしくもなんともないわい」

森林王「がっはっは!最後まで口が達者だな」

森林王「……殺せ」 魔物「ギャッギリィィ!」ボボボボボ

氷幼女(く……わらわは、なんと情けないのだ……)

氷幼女(このような体たらく……人間に守られる始末とは)

氷幼女(こんなことでどうする……わらわは氷の女王であるぞ!)

氷幼女(あのような野蛮猿に負けることなど……あってはならん!)

魔物「ギャギャギャギィ!」 ボバァーッ

勇者(……くっ……万事休す、か)
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