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「この娘を頼む。くれぐれも丁重にな」
ユウリ様は使用人へ一言指示を出すと、そのまま足早へどこかへ行ってしまった。
見知らぬ地で、見知らぬ人たちの前に一人きり。
こういう状況に慣れていない私は、何かを言い出すことも出来ず立ち尽くしてしまう。
「王子が……」
「女の子を……」
「連れてきた……?」
気付けば三人のメイドが私を取り囲み、しゃがみこんでじっとこちらを見つめていた。
とてもよく似た顔が三つ。
(……三つ子?)
こんなぼろぼろの娘を王子が連れてくるなんて、そんな風に思われているのだろうか。
「いや、そんな事より」
「そうね、まずは」
「お仕事お仕事」
三人のメイドに両脇と腰をがしっと支えられたかと思うと、またされるがままに運ばれて。
いつの間にやら私は泡の山の中に埋められていた。
「お湯加減、いかがでしょう?」
「痒いところは、ございませんか?」
「王子とは一体、どういう御関係ですか?」
「あぅ……えと」
久々に入る温かいお風呂にぼうっとして、頭が上手く回らない。
しかし質問はするものの返答にはそこまでこだわっていないのか、三つ子メイドはそのまま作業を進めていく。
「やはりここは正統派で、ワンピースで……」
「いやいや、王子のお連れ様なのだから、ドレスで……」
「こういう時こそ、ゴスロリ……」
ああでもないこうでもないと言い合う三人の姿を見て、私は思わずくすりと小さく笑う。
「ほら、笑われているじゃない……」
「今のはお姉様を見て笑ったんですよ、きっと……」
「少なくとも私ではないわね……」
きっと本当の姉妹というのは、こういうものなのだろう。
「……あの」
そんな輪の中の感覚を、少しでも共有したくなったのかもしれない。
「はい、何でございましょうか?」「ございましょうか?」「ましょうか?」
「……これの小さいサイズは、ありますか?」
部屋の隅に並べてある服を指差して、私はそう言った。
「え……」
「あるにはありますが……しかし」
「それは私たちの作業着でございますよ……?」
これだけ色々な服がある中で、まさかの提案だったのだろう。
三つ子は三者三様の怪訝な表情でこちらを見つめ返してきた。
それでもなんだか、他の煌びやかな服を着ると落ち着かないような気がして。
「まぁ、ご本人たってのご希望でしたら……」
「私どもとしては何も問題はございません……」
「むしろメイド萌え……」
鏡の中に映る自分の姿が、どんどん変わっていく。
その姿は毎日のように顔を合わせていた、水桶の中の自分と同一人物とは思えないほどで。
それはまるで、魔法のように思えた。
ユウリ様は使用人へ一言指示を出すと、そのまま足早へどこかへ行ってしまった。
見知らぬ地で、見知らぬ人たちの前に一人きり。
こういう状況に慣れていない私は、何かを言い出すことも出来ず立ち尽くしてしまう。
「王子が……」
「女の子を……」
「連れてきた……?」
気付けば三人のメイドが私を取り囲み、しゃがみこんでじっとこちらを見つめていた。
とてもよく似た顔が三つ。
(……三つ子?)
こんなぼろぼろの娘を王子が連れてくるなんて、そんな風に思われているのだろうか。
「いや、そんな事より」
「そうね、まずは」
「お仕事お仕事」
三人のメイドに両脇と腰をがしっと支えられたかと思うと、またされるがままに運ばれて。
いつの間にやら私は泡の山の中に埋められていた。
「お湯加減、いかがでしょう?」
「痒いところは、ございませんか?」
「王子とは一体、どういう御関係ですか?」
「あぅ……えと」
久々に入る温かいお風呂にぼうっとして、頭が上手く回らない。
しかし質問はするものの返答にはそこまでこだわっていないのか、三つ子メイドはそのまま作業を進めていく。
「やはりここは正統派で、ワンピースで……」
「いやいや、王子のお連れ様なのだから、ドレスで……」
「こういう時こそ、ゴスロリ……」
ああでもないこうでもないと言い合う三人の姿を見て、私は思わずくすりと小さく笑う。
「ほら、笑われているじゃない……」
「今のはお姉様を見て笑ったんですよ、きっと……」
「少なくとも私ではないわね……」
きっと本当の姉妹というのは、こういうものなのだろう。
「……あの」
そんな輪の中の感覚を、少しでも共有したくなったのかもしれない。
「はい、何でございましょうか?」「ございましょうか?」「ましょうか?」
「……これの小さいサイズは、ありますか?」
部屋の隅に並べてある服を指差して、私はそう言った。
「え……」
「あるにはありますが……しかし」
「それは私たちの作業着でございますよ……?」
これだけ色々な服がある中で、まさかの提案だったのだろう。
三つ子は三者三様の怪訝な表情でこちらを見つめ返してきた。
それでもなんだか、他の煌びやかな服を着ると落ち着かないような気がして。
「まぁ、ご本人たってのご希望でしたら……」
「私どもとしては何も問題はございません……」
「むしろメイド萌え……」
鏡の中に映る自分の姿が、どんどん変わっていく。
その姿は毎日のように顔を合わせていた、水桶の中の自分と同一人物とは思えないほどで。
それはまるで、魔法のように思えた。
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