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「やっぱりここは、明るい色で……」
「いや、落ち着いた色の方が……」
「自然が、一番……」
私を中心に置いて、睨み合いながら互いを牽制する三人。
口を挟むのは気が引けるが、おそらくこのままでは埒が明かなそうなので。
「……それが、いいです」
自然が一番、と言っていたメイドの持っている白色に近いリップを指差しながら私はそう告げる。
「勝ち……ふんす」
「あ、姉に勝る……」
「い、妹など……」
選ばれなかった二人の反応を見るに、三女と思われるメイドが勝ち誇った表情で私の前へ躍り出る。
「では失礼、致します……」
「……ごく」
生まれてこの方、化粧などしたことがなかったので、周囲に漂う只ならぬ気迫に思わず息を呑んでしまった。
「ぽん、ぽん、ぽん……と」
(……なんだか、料理の下準備を、されてるみたい……)
そんなことを考えていると、ほどなくして作業をしていた手が止まり、
「いかが、でしょうか……」
三女メイドが私の前から離れると、確認を促してくる。
(……凄い、これが、私……?)
服を替えた時も印象が変わって驚いたが、鏡の中の見たことのない自分を見たことによる驚きはそれを大きく上回っていた。
「……ありがとう、ございます」
私は鏡を見るのもほどほどに、メイド三姉妹へと頭を下げてから部屋を後にする。
今すぐ、この姿をユウリ様に見てもらいたい気持ちで一杯だったからだ。
「……ユウリ様っ」
部屋を出てすぐ、ドアの真隣で壁にもたれ掛かっているユウリ様を見つけて私は声をかける。
「おぉ、終わった、か……」
私の準備が終わるのを待ってくれていたのだろうか、私の呼びかけにユウリ様はすぐに反応してくれた。
「……ユウリ、様?」
「……」
反応を返した直後、なぜか無言になってしまったユウリ様。
その表情をちらりと見ると、なんとも言えない表情をしてこちらを見つめ返しているのが見えた。
「……」
そんなユウリ様の反応に、思わず私の方も無言で見つめ返してしまう。
ユウリ様から反応が無い事を残念に思っている自分。
(……一日でだいぶ、贅沢になってしまった)
そのことに自分で酷く、驚かされる。
ここに来てから驚かされることばかりだ。
「いや、落ち着いた色の方が……」
「自然が、一番……」
私を中心に置いて、睨み合いながら互いを牽制する三人。
口を挟むのは気が引けるが、おそらくこのままでは埒が明かなそうなので。
「……それが、いいです」
自然が一番、と言っていたメイドの持っている白色に近いリップを指差しながら私はそう告げる。
「勝ち……ふんす」
「あ、姉に勝る……」
「い、妹など……」
選ばれなかった二人の反応を見るに、三女と思われるメイドが勝ち誇った表情で私の前へ躍り出る。
「では失礼、致します……」
「……ごく」
生まれてこの方、化粧などしたことがなかったので、周囲に漂う只ならぬ気迫に思わず息を呑んでしまった。
「ぽん、ぽん、ぽん……と」
(……なんだか、料理の下準備を、されてるみたい……)
そんなことを考えていると、ほどなくして作業をしていた手が止まり、
「いかが、でしょうか……」
三女メイドが私の前から離れると、確認を促してくる。
(……凄い、これが、私……?)
服を替えた時も印象が変わって驚いたが、鏡の中の見たことのない自分を見たことによる驚きはそれを大きく上回っていた。
「……ありがとう、ございます」
私は鏡を見るのもほどほどに、メイド三姉妹へと頭を下げてから部屋を後にする。
今すぐ、この姿をユウリ様に見てもらいたい気持ちで一杯だったからだ。
「……ユウリ様っ」
部屋を出てすぐ、ドアの真隣で壁にもたれ掛かっているユウリ様を見つけて私は声をかける。
「おぉ、終わった、か……」
私の準備が終わるのを待ってくれていたのだろうか、私の呼びかけにユウリ様はすぐに反応してくれた。
「……ユウリ、様?」
「……」
反応を返した直後、なぜか無言になってしまったユウリ様。
その表情をちらりと見ると、なんとも言えない表情をしてこちらを見つめ返しているのが見えた。
「……」
そんなユウリ様の反応に、思わず私の方も無言で見つめ返してしまう。
ユウリ様から反応が無い事を残念に思っている自分。
(……一日でだいぶ、贅沢になってしまった)
そのことに自分で酷く、驚かされる。
ここに来てから驚かされることばかりだ。
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