モブ転ライバル

みっつん

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一章

旅は道連れ世は情け③

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「……何か今、悲鳴みたいなの聞こえなかった?」

 貴族令息&令嬢を引率宜しく引き連れての空の旅を始めてから二日目。
 ヴィルが飛行酔いからギブアップをした為、あれから少し早目の野営準備をするべく適当な森林で夜を明かしていた訳だけれど。
 最強と名高い竜種が傍らに居たお蔭で特に他の魔物に襲われる事もなく私達は無事に翌日を迎えられていた。

 趣味の錬金術を極めるべく、日夜暇さえあればレアな素材集めの為に平気で山野を何日も渡り歩く私としては割としょっちゅう野営なんぞも行っているので仮令たとえ草地にごろ寝だろうと大して気にもしないものの……。
 流石さすがに貴族である二人組には厳しかろうと、自作したハンモックのようなものと蚊帳のようなものをセットで提供させて頂いている。

 どちらも素材にはかなりこだわって作った自信作なので耐久性は勿論の事、伸縮性や肌触りと言った機能面にも優れており二人ともに満足して貰えたようで一安心。
 今は別行動中の子爵領の面子は昔からの顔馴染みである為、私がう言った便利アイテムを製作している事を誰もが知っているので今更何も言わなかったけれど。
 令嬢は一般的な旅の必需品と質も性能もまるで違う!と純粋に驚いてくれていた。

 ま、それはそうだよね。
 私の場合、前世の記憶があるので市販の旅道具では到底とうてい満足なんて出来ないし。
 無ければ創れば良いじゃない!の精神でどっぷり錬金術にも傾倒している。
 幸い、我が家は中流家庭の商家だったのでちょっとだけ無理をすれば割合大概のモノを手に入れる事も出来た訳で……。

 初めの内は一体何をやっているのやらと訝し気だった両親も、私が何気なく便利で画期的、且つ『売れる』道具を創れると知ってからは特に何も言わなくなったしね。
 寧ろ、何とか量販出来ないかと彼是あれこれ画策する程で。
 量産可能だったアイテムの数々は幾つか販売ルートを確保すると共に、方々に散っている親類縁者まで使って既に彼方此方あちこちで売り捌く事に成功していた。

 うむ。我が両親ながら、実に商魂逞しくて素晴らしい限り。

 商人ならば、それくらいがめつくないと生き残れないからこそこれも一種の才能の一つだと言えるのだろう。
 隊商キャラバンを率いて各地を巡る長兄やそのお嫁さんとか、近隣の辺境伯領に本拠を構える某商会へ婿入りした次兄とかから伝え聞く限り、売り出した道具の評判も悪くない所か大分良いと言う話だし。

 趣味の延長上がお仕事になる、って素敵だぁね。
 流石にのめり込み過ぎて近場の魔物をユリアンと二人で狩り尽くしたのは、ちょっとやり過ぎだったかなぁ、と思わなくもないけど。
 魔素溜りがある限り、放っといても魔物は勝手に湧くから環境破壊はしていないと思いたい。精々間引きした程度の感覚でも良い筈だ。

 偶に生態系が少々歪むくらいだから、まだ自浄作用は利くと思うし。
 自生植物の類はちゃんと自重して根こそぎ採取するような自己中行動はしてないからね。

 どのみち子爵領に分布する魔物は無駄に強いだけで碌なドロップ品がない上、植物とて毒草ばっかりで使い道がない、と言うのが世間一般の常識な訳だし。
 そもそもが、独自の錬金術を駆使して初めて使える素材に変化する事を発見した私以外の誰も何も必要としていなかったものだから何と誰に怒られる事もなかったんやでぇ……。

 故に、私の、私による、私の為の完全なる独壇場。
 狩場が誰とも被らないって本当ボロ儲けも良い所だ。しかも近所。素晴らしいな!
 そんな訳で私は結構個人で小金持ちだったりする。
 特許なんて言うシステムはないけど、錬金術自体余り普及していない学問である上に今の所、私しか子爵領の魔物を高級素材化する事が出来ていない。

 そして家族もお金にシビアな商人なので、子供だから、と私が提供した知識や技術を一方的に搾取するような真似はせず、成果に見合った対価を支払ってくれていた。
 ま、この辺りが私まで失踪したら大騒ぎになる所以ゆえんでもあるよね。
 =無茶振りはされたものの家族には大事にして貰っている事は疑いようもない。
 自分で言うのもアレだけど、ある意味、金の生る木みたいなモンだものね。

 六人兄弟の末っ子二人である私と弟は、歳の離れた兄ちゃん達にも可愛がって貰っていたし忙しい両親は割合放任主義で結構好き勝手やらせて貰っていた訳で。
 持ちつ持たれつ、それなりに良好な家族関係を築けていたと思う。
 だから私も惜しまず家族には助力をするし、また家族も私を助けてくれる。
 そも錬金術なんて言う怪しい学問を始められたのは家族のお蔭だからねぇ。

 偶々たまたま錬金術の本を仕入れたのは隊商に出ている長兄で。興味を持った私に買い与えてくれたのが次兄。続きの本が欲しい、と言った時に手配してくれたのが他国の行商人に嫁いだ長姉で、初級アイテムの素材を手に入れて来てくれていたのが長兄に付いて護衛の真似事をしているそれなりに強いぐ上の兄ちゃんだった。
 末の妹、って事で皆甘かったよね。若干、可愛がられ過ぎと取れる程でもある。

 双子の弟は錬金自体に興味は無かったけど、私のやる事には興味津々で。四六時中一緒に居た為、必然的にワンセット扱いになり試作品プロトタイプを作った傍から嬉々として手当たり次第しだい彼が片っ端から試して行って周囲を騒がせたのは良い思い出だ。
 近所のお子様を巻き込んだ所為せいで怒られたり怖がられたりもしたけど、奴は要領が良いので友達は全く減らなかったらしい。羨ましい事で。

 ちなみに私は知らない間に何故かパシリが増えていたね。……何でだろう?

 両親や祖父母は何だかんだ私等のやる事を見守ってくれたし、無茶苦茶やった時は当然ド叱られはしたものの錬金術そのものを取り上げるような事はしなかった。
 その結果、変わり者の双子と言うレッテルを貼られた訳だが家族は『お前達は大物になるよ……』と苦笑いで許してくれているのだ。うん、めっちゃ愛されてるよね!
 苦笑いな時点で色々とお察しだけど、姉兄は面白がっているから良しとする。

 理解のある家族を持って私は幸せです。まる。
 じゃなくて、何だ悲鳴って。物騒な……。今度は一体、何のフラグ?
 穏やかでない事だけは確かだけど、侯爵領の魔物ってどんなのが居たっけか。
 魔物図鑑なるものの説明では人族の子供の泣き真似をして獲物をおびき寄せる類の狡猾こうかつなヤツも居るって言うし、悲鳴バージョンが無いとは言い切れない。大丈夫かね?

「あ、ほらまた聞こえた!」
「本当ですわ。女性の悲鳴のようですわね。……デネート様、如何どう致しましょう?」
「……何故其処そこで私に振るのか分かりませんが。そうですね、私とジルベールで少し様子を見て来ます。結界はこのまま維持しておきますから、テーホッスィノ嬢はヴィリケツ様と此処ここで待機をしていて下さい。決して、結界外へは出ないように願います」
「ええ、承知致しましたわ」
「って事で。ヴィル、後頼んだ。ジル行くよ」
「うん。分かったよ。気を付けてね、ユユ」

 ユユ、と言うのは私の愛称だ。昔の渾名あだなみたいなモンだね。
 今はユリアンの振りをしているから、間違ってもユッタと呼ばないようにヴィルが配慮して斯う呼ぶ事にしたらしい。
 ユユならどっちでも使われる愛称だから恐らく丁度良かったんだろう。
 呼び慣れていると言うのもあったんだろうし。

 只、前世の感覚で言う幼少期の○○ちゃん、みたいな呼び名なので成人直前の貴族男性が呼ぶには少々気恥ずかしさが勝るものの万一を考えれば背に腹は代えられないとの事だった。
 因みに彼は本来ユリアンの事をユンと呼んでいた訳だが、これは私と周囲の人間しか知らない事実なので何の問題にもならなさそうだ。

 此方こちらの事情など一切関わりの無い令嬢の事はヴィルに任せておけば大丈夫だろう。
 彼は不運持ちの疑いが濃厚だけれど、彼自身の性格上、危ない橋は渡らない。
 私や弟に巻き込まれる事はあっても、態々わざわざ自分から危機に飛び込むような冒険と言う名の自殺行為は絶対にしないからその点にいては心配などしていないのだ。
 逆に今、心配しなくちゃいけないのは自分の身の安全なんだろうけれど……。

 其処も最強種と名高い龍族が傍らに居るから割と如何って事なさそうなんだよね。
 そんな彼の名はジルベール・フィ・アズゥ。男性体。人間換算で27歳くらい?
 私の騎竜ドラグーン上位種の竜人ドラゴニュート紺碧アズゥのカラーネームを持つアズゥ伯爵の次子だ。
 今は省エネの為に竜化を解いて人化して貰っている為、極普通に私の斜め後ろ辺りを従者宜しく陣取っている。

 ただしその眼光の鋭さはまるで軍人のようで、隙無く周囲へ気を巡らせては私を害する者の有無の確認を極自然に行っていた。オーラがホント只者じゃない。
 容姿は黒い短髪に切れ長の深い紺碧の双眸で彫りが深く肌は健康的な褐色だ。
 前世のアラビア半島社会で男性が頭に被ってた白い装身具のクーフィーヤとか似合いそうなイメージかな。実際は、髭も無いし上から下まで黒尽くめなんだけどね。

 大柄なのにすらりとした野性味を帯びたシャープさが何処どこかネコ科の動物を彷彿とさせるようで妙に洗練された優美さも併せ持つ不思議な魅力に富んでいた。
 手足が長くて全体的なシルエットは勿論、姿勢が無駄に良くて後ろ姿も格好良い。
 隣りに並ばれると私は彼の胸元くらいまでしか無い感じで背も高い。
 要するにまぁ、控えめに言っても美形だわな。超強そうなイケメンのお兄さん。

 ホントに何でこんなひとが私の騎竜やってるのか未だに不明なんだけど。
 ちゃっかり契約はさせて貰ったから普通に頼りにしてまっせ。
 他力本願? 全然オッケー! 問題無し。
 だって、私、錬金術師モドキの商人モドキだもの。前衛職じゃないの。
 戦闘以外でならフォローもするけど、戦闘自体は専門外。

 ってれない事もないけど、態々非力な私が出るまでもないかなって思わなくもない訳で。
 ヴィルと私の二人きりなら間違いなく私が前に出るものの、他に適任者が居るならその人に任せてしまうのが私流だった。
 ジルを戦闘職と言って良いのかは知れないけれど、私より遥かに強いからね。

 戦闘は全部お任せしまーす! と言った所で動じないよ。
 元より、その心算つもりらしいから今現在ちょい殺伐としちゃってる訳だしさ?
 自分の身くらい自分で守るから別に其処まで神経質にならなくても良いとは思うけども、油断して怪我してたら世話無いから気を付けないと。
 さて、悲鳴の元はなんじゃろなーと思って幾らか森を進んでみれば。

「…………何じゃこりゃ」

 何故かゲテモノに捕まって身動きが取れない女の子が居るじゃあーりませんか。
 いやいや、ホントに何だありゃ。
 うねうねと怪しくうごめく毒々しいまでの紫の触手が気色悪い。
 若干ぬめってる感じの無駄なテカテカ感溢れる吸盤もどきに寒気が走る。
 某18禁の使い古されたアレな感じの卑猥なフォルムが嫌悪感まで誘発してくれた。

「うぇぇ……アイツ焼き払っちゃダメかな? 魔法か魔道具でサクッと気持ち好く豪快に」
『己は一向に構いませんが。それをやったら最後、恐らく森の半分以上が焼失するかと』
「おっと、それは大惨事だぁね……?」
『そうですね』
「如何しようか?」
『お任せ頂けるのでしたら己が殺ります。人化のままで』
「うん? 別に竜化して食べてくれても良いんだけど?」
『…………聖下クナンは、よもやあのようなゲテモノを口にせよと仰る……?』

 下等種の飛竜ワイバーンでもない限り、魔物を頭からバリバリ喰うなんてナンセンスらしい。
 ですよね。だってジルベールは伯爵家の御貴族様だもんね。
 忘れてないから、愕然とした面持ちで真剣に如何やって食べるか検討しないで。
 そんな『聖下がお望みならば……』的な悲壮感要らないし。
 ちょっと言ってみただけだからさ。本気にしたらダメだって。

「冗談だから。あの女の子が食べられちゃう前に何とかしてあげてくれる?」
『……仰せのままに』

 ほっと安心したようにいらえて、彼はものの数分でゲテモノを解体してしまう。
 人化状態で如何やって戦うのかと思ったら、普通に手足が出るんだね。
 殴る蹴るは勿論の事、鉤爪かぎづめの付いた手甲のように変化させた腕でザクザク素早く切り刻んでいく訳だ。
 成程なるほど。勉強になったよ。細切れになった肉厚肉片は結構グロいね。

 鋭い鉤爪で紙を引き裂くが如く至極簡単に血飛沫を撒き散らしながら解体されていく様はいっそ小気味好ささえ覚える程だが、されている方はたまったモンじゃないらしい。
 奇声を上げてのた打ち回る触手が愈々いよいよ気持ちが悪くて見てらんないな……。
 まるでB級スプラッタのホラー映画みたいだ。
 ……映画より性質たちの悪い事にこれが現実なんだけど。

『聖下、此方こちらがご希望の人族と思しき小娘です。お納め下さい』
「はいよ。ご苦労さーん」

 脳髄と目玉がくっ付いたような本体と思しき物体を何の躊躇ためらいもなく踏み潰すと、ジルは触手に捕まっていた少女を犬猫のように摘み上げて軽く此方へ放って寄越す。
 うむ。か弱そうな女の子なのに扱いが実に雑である。
 基本的に竜種である彼等は主格以外の多種族に然程さほども興味が無いらしい。
 まぁそうだろうとは思うんだけど。

 だって彼等以上に大きな体積を持つ生き物ってあんまし居ないような気がするし。
 そもそも、自分より小さな生き物に対して愛玩的な意味合いで愛着でも持たない限りは早々気にする対象にはならないよねぇ?
 それが脅威となり得るものなら、また話も違って来るけどさ。
 ジルは少女を人で言う所のアリまり『取るに足らないもの』とでも判断したのだろう。

 そんなぞんざいな扱いを絶賛受け続けている張本人は如何も目を回しているらしく、べちゃっと割と豪快に顔から地面へと着地した訳だが予想された悲鳴が上がるような事もなかった。
 ……ん? もしもーし? 大丈夫かね、これ。死んでない? 生きてる?
 触手から分泌されていたぬめぬめとした粘液にまみれていてちょっとアレな事になっているからあんまし触りたくはないんだけど……。

 同年代と思しき少女はうつぶせに倒れていてピクリとも動かない。
 え、ちょっと待って。これって本当にヤバくないですか。大丈夫ですか。
 パッと見、服も皮膚も溶けてはいないようだからガチなホラーと対面!と言う訳でもなさそうだけども……。
 やっぱり介抱するのは私ですよねー。そうですよねー。うん、大丈夫。知ってた。

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