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待ち遠しい熱量
しおりを挟む「ひゃぁあアッ!?」
じゅるっ、ととめどなく溢れ出る蜜を啜る音がする。
セオの舌が、唇が触れているのだと思うとどんどん愛液がつくり出されていく。
「ンッ、あぅ……! あ、もっとぉ」
一体どれくらい時間が経過しただろうか。
胸を揉みしだかれ、胸の頂をこりこりと転がされ、恥毛のなくなった秘部やその周辺を舐め上げられては啜られて。
そのどれもがこれまでのどの刺激よりも気持ちが良かった。
好きな人から与えられる快感はなによりもモレーナを満たしていく。
じゅぶり、と卑猥な水音をたてて指が入れられた。
何度も抜き差しをされた女性の細くしなやかな指とも、ひんやりと冷たいまま蠢くスライムとも違う、太くて長い、厚みのある指だ。
「ぁあんッ、アぅ……、イク、やっ、ぁあンッ!!」
ビクビクと一段と大きく腰が震えて、背中が弧を描いた――
はくはくと呼吸を整えて、ようやく少し落ち着きを取り戻すと、見計ったようにセオに手を引かれて起き上がる。
「馬車まで歩けるかい?」
乱れたモレーナの髪を指で梳きながら、セオが優しく問いかける。
こくりと小さく首を縦に振ることで頷いた。
本当はまだまだ足りない。
それはセオにも気づかれているだろう。
けれども、まずはここから出て安全な場所に行くことが最優先だ。
力の抜けたモレーナに代わり、床に落ちていた衣装とマントをモレーナに再び身に付けさせてくれたことに礼を言うと、セオの腕に寄り掛かりながらゆっくりと歩き出した――
***
カタカタと馬車の振動が身体中に伝わる。
揺れに伴って布地が擦れるたびに敏感に反応してしまうが、セオの前だと必死に息を殺した。
「辛いよね? こちらへおいで」
コクコクと頷くと、広げられた両手の中へと腰を上げる。
セオは何をする気なんだろうか。
この熱をどうにかしてくれるのだろうか、と嬉しさが込み上げる。
誘導されて、セオに向かい合う形でその膝の上に腰を下ろす。ぺたんと両脚を広げて座り込む形になり、マントからモレーナの生脚がのぞいた。
「さすがにここで声は出せないからね」
ゆっくりとセオの手がモレーナの後頭部に周り、引き寄せられる。
そのままキスをして熱い舌がお互いの口内を行き来する。
「んぅ……ふッ……」
セオの両手が首から肩、背中、そして脇へと滑り、大きな手のひらが胸を包んでは引き寄せる。
キスの合間合間に、セオの視線が寄せられてできた谷間へと降り注いでいることに気づく。
セオが自分の体に興味を抱いてくれていることがモレーナにはこの上なく嬉しくて、熱の籠った眼差しを向けられていることが快感へと変わっていく。
また、腰がゆるりと動いた。
セオは足を広げて座っている。
そのため、その上に跨るモレーナの秘部は宙に浮いていた。腰を少し揺らした程度では欲しい刺激はやってこないが、セオが気づいてくれるだろう。
しかし、モレーナの予想に反してセオがそこに触れることはなかった。
時々背中からお尻のラインを堪能するように手が滑っていくが、それだけだ。
名前を呼んでおねだりをしようとしても、口が塞がっているためままならない。
触ってほしい、触りたい。
モレーナはその一心で、セオの手を握りしめて自身の蜜壷へと恐る恐る誘導する。
――あと少しだ、と思ったところで止むことのなかったキスが終わった。
「モレーナ、駄目だよ」
小さな子どもを躾けるような、優しく温かな声音だ。
欲望に負けてセオの手を誘導していた右手が行き場を失う。
「もう少しで私の家に着く。それまで君が我慢できたら、ご褒美をあげよう」
耳元で囁かれた言葉はモレーナを奮い立たせた。
『ご褒美』と言われて、思い浮かぶのは一つしかない。
腰を揺らすことで時々肌で感じていたセオ自身の膨らみを期待して、モレーナは繰り返されるキスと胸への愛撫に身をよがらせた。
***
馬車がようやく止まったと思うと、モレーナはセオに抱え上げられて外へと出た。
いわゆるお姫様抱っこだ。
粗い息を隠すためにセオの胸元へと頭を擦り付けるようにキツく身を寄せる。
深夜にも関わらずセオを迎え入れる使用人とセオが織りなす会話を耳にしながらも、『ご褒美』がモレーナの思考を占領していた。
明かりの灯る廊下から暗い部屋へとセオの歩みが進む。
モレーナを抱え上げながら器用に扉を閉めた後は、室内の明かりをつけた。
橙色の小さなランプだ。
室内を薄暗く照らしている。
「セオ、『ご褒美』ちょうだい?」
ようやく二人きりになったモレーナは、待ちきれずにセオを見あげておねだりする。
近くで見上げているからか、ごくりとセオの喉仏が上下するのが官能的だと感じた。
ベッドに優しく降ろされる。
ふかふかとした上質の布団がモレーナの身を沈める。
布団からはセオの香りが漂った。
大好きな香りに包まれて、モレーナはうっとりと微笑む。
ぎしりと軋む音を立ててセオの整った顔が降ってくる。
目元を覆う仮面は馬車の中に入った時に外していた。
馬車の中でも何度もキスをしていたのに、セオとのキスはいつまでも新鮮だ。
「あッ!! ふぁぁンッ……!?」
舌を大胆に絡ませていると、突然これまで以上に大きな快感がモレーナを襲う。
秘部を覆うささやかな布地がずらされ、セオの指がモレーナのナカへと突き入れられたのだ。
それも、二本。
痛みは感じなかった。バラバラと激しくナカを動き回る指によって、モレーナの腰が動く。
「モレーナ、ごめんね」
それは何に対しての謝罪なのか――
場所を変えて2度も紡がれたその言葉の意味が、モレーナには分からなかった。
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