心を傷つけて、そのままで

ぱすてる

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遊び人と呼ばれる男

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「ねぇ、やっぱ俺と付き合おうよ」


大学の講義が終わって帰るところだった。
後ろから今朝の男が声をかけてきた。


講義室を出てすぐのところで、なんの躊躇いもなくかけられた声に一斉に学生たちが振り返る。


間違いなく秋人に声をかけられていた。分かっていたけれども、振り返らなかった。

秋人は人の目から離れようと、早足で入口へと歩く。

秋人の後を追いかけるように、待って待っての声が聞こえる。やめてくれ、恥ずかしいから。


「あきとくん俺と付き合ってよー!!」

「っ!?」


わざとだ。男はわざわざ周りに聞こえるように名前を呼んだ。

秋人はその場で止まり、額から汗が出てきた。

「いい加減にしてくれ。俺にその気はないから」

「俺はあるよ」

「しつこい」

「いいじゃん。付き合ってみようよ俺たち。...俺、上手いよ?」


入江は自信満々な笑みを浮かべた。それを見た瞬間肩からゾワっと寒気がした。

コイツ、気持ち悪い。

「なにしてるの?」

いつもより低い声が耳に響いた。
嶋が少し怪訝な顔をしてこちらを見ていた。

「....しまくん!ちょうど話があったんだ」

秋人は嶋の腕を掴んだ。
そのまま、玄関まで一直線で走った。


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