のんびり道ずれ旅

Toucan

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新たなる力

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〈1-3〉視点 イロ


この世界には魔法が存在する。
よくあるおとぎ話のようだが神がいる世界では魔法がある。
なんだかんだ私も魔法が使えるとクレナが言っていた。クレナたちもよく使ってる。あと、魔力はないらしい。
普通の人は魔力があるけれど、クレナとケント、本館にいる人の大半は魔力がなくても魔法が使えるという。もちろんのこと私にはちゃんとある。
けど「なんとか草」と、他の材料を練った団子みたいなのを食べれば魔力なしで魔法を使えるらしい。まあ、滅多にないから見つけるのは相当苦労するだろう。

「イロ、幻影魔法を練習しない?」
「幻影魔法?別にいいけど。」

急にクレナが幻影魔法というものを一緒に練習したいと言い出した。
大きな体育館のような、庭に天井がガラス張りの部屋に来た。床には芝生、あちこちに岩とか障害物が置かれている。練習場らしいが、とてつもなく広い。
武器や魔法練習で使用するらしい。

「ここでいいだろう。よーし、やるぞー!」
「んで、どうするの?分からない。」
「「やるって、手に物が乗っている感じで形をイメージ、そしてそれを作り出すんだ。分かっただろう?」
「…。分からない。」
「えっ、…。ごめん私教えるの苦手だから。」

沈黙が続いた後、クレナがたくさんの幻想の鳥を作り出していた。
私は、いいタイミングでケントが来てくれたから、ちょっとずつできるようになった。けど、「苦手だー。じっとするのができない。」
ケントが頑張れと言ってくれているし、クレナのやり方も見よう見まねでやっているが、やっぱり難しい。

「お疲れ様です。お茶をどうぞ。魔法はどうでしたか?うまくいきましたか?」
「ありがとうハイム。魔法は…全然できなかった。」
「そうでしたか。まあ、練習すれば良い結果が出ますよ。」
「ありがとうハイム。」

そう言いながら、用意してくれたお茶を飲んでゆっくりした。
そういえば、ケントはずっと背中に長い棒みたいなのを掛けているけど、武器なのかな?逆にクレナは持っていない。何かやらかしたんだろうか。今度聞きに行こう。

「クレナ、用があって聞きたいことがあるんだけど今時間あるかな?」
「時間はあるけどその代わり手伝ってくれるかな?」
「うんもちろん。」

クレナの書類仕事を手伝ってあげることにした。頑張ろう。

「ありがとうね。ギルドから色々と応募書みたいなのが冒険者の間で流行っているって職員が言っていたからそれだと思う。
職員が1番嫌いなのが書類仕事だっていうアンケートがあるから皆わかってていても討伐とかならしょうがないのかもしれないね。
いつもお世話になっているからねー手伝わないと可哀想だし。」
「あのね、そのギルドにお世話になっているってどういうこと?それが気になっていたし。どういうこと?」
「それはね、私たちがギルド冒険者でもあるから?かな。答えになった?」
「冒険者。」

それにクレナは何かを察したように、

「後、私はケントと違って武器を生成できるし、光学迷彩こうがくめいさいを使っているから見えないだけ。わかった?」
「うん。答えになった。ありがとう。」
「イロにも何か武器を作ってあげようか?得意なものとかあったりする?」
「うーん。短剣とかかな?それか、刀とか?」
「じゃあ、念のために両方作ろうか。」
「…えっ、いいの?材料とか大丈夫?」
「良いよー。忘れていたけど、ケントの持っている棒は、槍だよ。」
「ケントのは槍だったんだ。ありがと。」

てか、クレナ私が話していないことも答えてくれたな。勘がいいのか、もしかして聞いて…いや、それはないな。
聞いていたような気配はなかったし。

「ぐわん…」 「?何。なんだろう。まあいいか。」
「ニャー」
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