香一 乙輪 心の闇短編集

香一 乙輪

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殺人

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初めて人を殺したのは5歳の時、父と吊り橋を渡っているときに父の背中を押した、次に人を殺したのは7歳の時知らないおじさんを階段から突き落とした、次は12歳の時お母さんを包丁で刺した、16の時同級生を屋上から突き落とした、

~5歳の時~
僕はお母さんの顔を知らない、僕を産んですぐに離婚したらしい、だからお父さんが毎日お仕事や料理とかとっても頑張っている、いつもお父さんは自分はお腹減ってないからと僕にたくさんご飯を食べさせてくれるけど、お父さんはすっごく痩せているからお父さんにもご飯をたくさん食べて欲しいな、
ここ最近お父さんはお仕事がずっとお休みみたい、だけどお父さんは全く嬉しそうじゃない、なんで?と聞くとお父さんに頬を打たれた、お父さんはその後泣きながら謝って来た、聞いちゃいけない事を聞いちゃったのかな、
ある日お父さんがお出かけしようって言ってくれた、最近のお父さんは暗くて全く遊んでくれなかったからすごく嬉しかった、どこに行くの?って聞いたらお父さんは笑顔で楽になれる所って言っていたからうれしかった、ワクワクしながら車に乗っていると山について、お父さんと一緒にお散歩した、この山はお父さんとお母さんが若いときに一緒によく歩いていた山らしい、お父さんが久しぶりに楽しそうに喋ってたから僕も嬉しかった、ずっと歩いていると吊り橋にたどり着いた、少し怖かったけどお父さんがスタスタと歩いて行くから僕もついていった、橋の真ん中まで行くとお父さんは立ち止まって、学校は楽しか、とか今の生活は辛くないか、お父さんがお父さんでよかったかって聞いて来た、僕は楽しいよ!ちょっときつい時もあるけどお父さんがいるから大丈夫!お父さん大好きだよ?って答えた、お父さんは笑顔でありがとうなぁ、じゃあ最後に肩でも揉んでくれないかって言ってその場にしゃがみ込んだ、僕はここは危ないから向こうでしようって言ったけどお父さんがどうしても言っていうから仕方なく肩を揉んであげた、お父さんはなぜか泣いていた、そして、こんなお父さんでごめんな本当はお前と一緒に行くつもりだったけどそんなのお父さんのわがままだったみたいだ、お前はこんな風になるなよって言って下に落ちていった。 


~7歳の時~
お父さんがいなくなって、おじいちゃんとおばあちゃんと暮らす事になった、おじいちゃんもおばあちゃんが僕にもいたんだなって思った、おじいちゃんとおばあちゃんは僕を見た時ごめんって泣きながら謝って来たけど何のことなのかよく分からなかった、おじいちゃんとおばあちゃんに引き取らせてからは少し贅沢な暮らしになった、父さんがいなくなって寂しかったけどその分2人がとっても優しくしてくれたから楽しかった、勉強もたくさんして私立の小学校に入った、そんなある日知らないおじさんが君のおじいちゃんが急に倒れて今病院にいる!俺はおじいちゃんの知り合いだから早く車に乗ってって言われてびっくりして車に乗った、でも着いたのは病院じゃなくてよくわからない建物だった、その時この人は悪い人なんだと初めて気づいた、だからまだ気づいてないフリをする事にした、ここにおじいちゃんいるの?聞く僕をニヤニヤしながらそいだよって答える男の人、男の人がなんの警戒もせずに車の扉を開けたから僕は走って逃げた男の人は一瞬フリーズして次の瞬間には怒鳴りながら追いかけて来た、逃げれると思ったけどここがどこかも分からないし男の人はどんどん近づいてくるから僕は隠れようって思って建物の中に入った、建物の中は広間と上に行ける階段しかなかったので上に向かったが男の人はまだ追いかけて来ていた、階段の頂上付近で捕まってしまい抵抗していると男の人の方へ足を滑らせてしまった、男の人もそのまま後ろに倒れ階段を真っ逆さまに落ちていった、僕は男の人に当たったことで勢いがなくなり少し滑り落ちて怪我をしたがそれだけで済んだ、男の人は階段の1番下で頭から血を流して倒れていた。


~12歳の時~
ある日おじいちゃんとおばあちゃんが少し難しい顔をして話があると言って来た、その話はお母さんが見つかったという話だった、僕は喜んだがおじいちゃんとおばあちゃんは相変わらず難しい顔をしていた、お母さんが見つかったけどお前はお母さんと暮らしたいか?と聞かれたから、顔も声も知らないけれどお母さんという存在に憧れていた僕は暮らしたいと言った。
お母さんとの2人暮らしはとても大変だった、掃除洗濯は全部僕がしなくちゃいけなかったし、ご飯もスーパーやコンビニの惣菜ばっかりだった。そしていつ頃からかお母さんは僕に暴力を振るうようになって来た、部屋の掃除ができてない、ご飯を食べるのが遅い汚い、と言われて暴力を受けた、お酒を飲んでいる日は特にひどかったうまく逃げていたのに!隠れていたのに!お前のせいで!毎日僕は殴られ、蹴られ、怖くなった僕は久し振りにおじいちゃんとおばあちゃん家に逃げる事にした、するとおじいちゃんとおばあちゃんはすごく驚いてすごく怒ってお母さんをすぐに呼び出してずっとお話ししていた、お母さんはその日の夜に警察の人に連れて行かれた、次の日僕はおばあちゃんと一緒に警察署に行って警察の人とお母さんと3人でお話をした、お母さんは人が変わったようにごめんなさいごめんなさいと泣きながら謝って来た、お父さんがいない今たった1人の親だから僕はお母さんを許す事にした、お母さんと2人で手を繋いで警察署を出たらおばあちゃんが何かあったらすぐうちに来るんだよって言ってきた、お母さんは本当にすみませんでしたってすごく落ち込んだ顔をしていたから、僕はお母さんを庇うように大丈夫だよ!と言った、、、、けど家に着いた瞬間また前のお母さんに戻った、その日は今まで受けた暴力の中でも1番激しかった、お母さんは鬼のような顔をして僕の髪を掴み殴り蹴り叩きつけ、気が済んでどこかにいったかと思うと台所にあった包丁を持ってきた、僕は怖くなり逃げようとしたけど全身の傷が痛くてうまく動けなかった、馬乗りになられて包丁を突きつけられて僕は全力で、無我夢中で抵抗した、抵抗していたらお母さんの体に包丁が突き刺さりお母さんは死んでいた、その日の夜心配になって見に来てくれたおばあちゃんに見つけられ僕は保護された。


~16歳の時~
いくら正当防衛とはいえ、母を殺した僕を周りには人は寄り付かず、近所では浮いた存在となっただから僕は
おじいちゃんとおばあちゃんに迷惑がかからないように寮付きの高校に進学した、だけどそこでも「親殺し」の噂は既に広がっていた、僕は入学してすぐいじめの対象になった学校の中でも外でも常に嫌がらせや暴力を受けていた、もう生きている意味がないんじゃないかなと思うほどとても辛かった、気づいたら屋上に足が向いていた僕は僕を殺した。

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