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第2章〜冒険の果て
57話〜大臣モルケノフ=スタイン
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ここはピースバーグ国の首都シャインスプラウト。国境の街マルベールから遥か北西に位置し、人口約100000人を超える都市である。
シャインスプラウトは他の国と違い、初代王が元々錬金術に長けていた為、この国の者のほとんどが魔法よりも錬金術に優れている者が多い。
その為、街の至るところに錬金術を使い作られた物が置かれ、店の品物は個人で作られた物がほとんどだ。そして、優れた職人であれば、既製品よりもレベルが高い武器や装備品や装飾品やアイテムなどが生産可能であり、それ等を城から依頼され造る事もある。
街の外壁は見た目は普通の鉄製の壁なのだが、錬金術が施されていて魔法などの攻撃を跳ね返す効果が施されている。門には錬金術で改良された監視水晶が両側に設置されている。
街の中は錬金術により至るところに警備用の装置が施されている為、警備兵の数も少なく治安もかなりいい。
城は街の中心部に位置し、城の周りは外堀で囲まれている。
門にはピースバーグ国の平和の象徴である白い鳥と盾が描かれた旗が左側に飾られ、白い鳥とハートが描かれたシャインスプラウトの旗が右側に飾られていた。
城門の内側は中庭のようになっていて中央部に建物があり中央の建物と城壁が両横側と後方に繋がっていて、城壁内部にスムーズに移動できるようになっている。
中央には5つの建物があり、真ん中の建物には、王族であるホルス家が住み、それを囲むように周りの建物にはそれぞれ4つの分家が住んでいる。
そして城と街の間に貴族の住む建物が密集している。
その貴族の建物の中でも一際目立つ建物がある。その建物の主はこの国の大臣モルケノフ=スタインである。
この国の現在の王ブレイン=P=ホルスがまだ王になる前から仕えていた。
歳は45、見た目はまん丸でふくよか、小さな眼鏡をかけている。
髪は黄色に近い茶色で短め、いつも愛用のワインレッドの小さな帽子が特徴的だ。
頭が柔軟なうえ駆け引きが得意で、主に交渉などは自分でおこなう。
頭も良いのだが、ふくよかな見た目に反し、身体を動かす方が得意で、街で襲われた時も、瞬時に賊を抑え込み捕えたほどだ。
モルケノフは書斎の窓から外を眺めていた。
(さて、そろそろガルド様が来られてもいい頃ですが。)
すると、部屋の扉がノックされ1人の男が入ってきて、モルケノフの前で片膝をつき一礼すると、
「モルケノフ様、ただ今戻りました。」
この男は、マルティス=ジェルマといい、モルケノフ直属で、最も信頼が厚い配下である。
モルケノフが信頼しているだけあり、仕事はしっかりこなし口も硬い。
腰まで長く紫のその髪は光にあたると宝石のように透きとおり、長い前髪は左目を覆い隠している。
切れ長の目に、普段は余り感情を表に出さ無い。クールでモテるのだが、女性が苦手でいい寄る女も見合いも断るほどだが、だからと言って別に男性が好きという訳でもない。
「マルティスか、ご苦労だった。それで、首尾の方はどうなのだ?」
「はい。ご指示の通り、シェイナルズのギルドに赴き依頼を冒険者に託して参りましたので、その者達からガルド様に伝言が伝わっていれば、ここに来られると思います。」
「そうか。では、まだここに来ると言う確証はない。そうなると、マルティス。帰った早々悪いのだが、なるべくガルド様には何処もよらずここにお越し頂きたい。もしこちらに向かっているようであればここに至急、お連れしなさい。くれぐれも丁重にな。」
「モルケノフ様、承知しました。では、早速向かいたいと思います。」
マルティスはモルケノフに一礼をし部屋を出てガルドを迎えに向かった。
それを確認するとモルケノフは、窓の外を眺め深い溜息をついた後、椅子に座り机に肘をつき頭を抱え考え込んでいたのだった…。
シャインスプラウトは他の国と違い、初代王が元々錬金術に長けていた為、この国の者のほとんどが魔法よりも錬金術に優れている者が多い。
その為、街の至るところに錬金術を使い作られた物が置かれ、店の品物は個人で作られた物がほとんどだ。そして、優れた職人であれば、既製品よりもレベルが高い武器や装備品や装飾品やアイテムなどが生産可能であり、それ等を城から依頼され造る事もある。
街の外壁は見た目は普通の鉄製の壁なのだが、錬金術が施されていて魔法などの攻撃を跳ね返す効果が施されている。門には錬金術で改良された監視水晶が両側に設置されている。
街の中は錬金術により至るところに警備用の装置が施されている為、警備兵の数も少なく治安もかなりいい。
城は街の中心部に位置し、城の周りは外堀で囲まれている。
門にはピースバーグ国の平和の象徴である白い鳥と盾が描かれた旗が左側に飾られ、白い鳥とハートが描かれたシャインスプラウトの旗が右側に飾られていた。
城門の内側は中庭のようになっていて中央部に建物があり中央の建物と城壁が両横側と後方に繋がっていて、城壁内部にスムーズに移動できるようになっている。
中央には5つの建物があり、真ん中の建物には、王族であるホルス家が住み、それを囲むように周りの建物にはそれぞれ4つの分家が住んでいる。
そして城と街の間に貴族の住む建物が密集している。
その貴族の建物の中でも一際目立つ建物がある。その建物の主はこの国の大臣モルケノフ=スタインである。
この国の現在の王ブレイン=P=ホルスがまだ王になる前から仕えていた。
歳は45、見た目はまん丸でふくよか、小さな眼鏡をかけている。
髪は黄色に近い茶色で短め、いつも愛用のワインレッドの小さな帽子が特徴的だ。
頭が柔軟なうえ駆け引きが得意で、主に交渉などは自分でおこなう。
頭も良いのだが、ふくよかな見た目に反し、身体を動かす方が得意で、街で襲われた時も、瞬時に賊を抑え込み捕えたほどだ。
モルケノフは書斎の窓から外を眺めていた。
(さて、そろそろガルド様が来られてもいい頃ですが。)
すると、部屋の扉がノックされ1人の男が入ってきて、モルケノフの前で片膝をつき一礼すると、
「モルケノフ様、ただ今戻りました。」
この男は、マルティス=ジェルマといい、モルケノフ直属で、最も信頼が厚い配下である。
モルケノフが信頼しているだけあり、仕事はしっかりこなし口も硬い。
腰まで長く紫のその髪は光にあたると宝石のように透きとおり、長い前髪は左目を覆い隠している。
切れ長の目に、普段は余り感情を表に出さ無い。クールでモテるのだが、女性が苦手でいい寄る女も見合いも断るほどだが、だからと言って別に男性が好きという訳でもない。
「マルティスか、ご苦労だった。それで、首尾の方はどうなのだ?」
「はい。ご指示の通り、シェイナルズのギルドに赴き依頼を冒険者に託して参りましたので、その者達からガルド様に伝言が伝わっていれば、ここに来られると思います。」
「そうか。では、まだここに来ると言う確証はない。そうなると、マルティス。帰った早々悪いのだが、なるべくガルド様には何処もよらずここにお越し頂きたい。もしこちらに向かっているようであればここに至急、お連れしなさい。くれぐれも丁重にな。」
「モルケノフ様、承知しました。では、早速向かいたいと思います。」
マルティスはモルケノフに一礼をし部屋を出てガルドを迎えに向かった。
それを確認するとモルケノフは、窓の外を眺め深い溜息をついた後、椅子に座り机に肘をつき頭を抱え考え込んでいたのだった…。
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