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一五三
オオムカデンダルは、ただ黙って蜻蛉洲の話を聞いている。
「一番の問題は『クライムクリスタル』を作れないと言う事だ。つまり、必然的にパワー不足は解消できない。俺たちにとって第二の心臓だからな」
そこでオオムカデンダルが口をはさんだ。
「パワー不足はある程度解消できる。確かに俺たちと同等とは言えないが。そこらのモンスターを見た限り、まず負ける要素は見当たらない。それでも十分なはずだ」
「そうだとしても、実際その足りないパワーをパワー以外の部分で補うと言う話だ」
蜻蛉洲が不敵に笑った。
嫌な予感しかしない。
「レオ、俺に任せろ。悪いようにはしない。見た目も最大限配慮しよう。僕ならもっとスタイリッシュな見た目にしてやれるぞ」
保証など無いのにここまで言い切るのは、蜻蛉洲の自信かそれともハッタリか。
「ちぇっ。判った、お前に任せるわ。ただしちゃんと使い物になる奴にしろよ」
オオムカデンダルが妥協に応じた。
「誰に物を言っている。フィエステリアームは僕がメインになって設計したんだぞ」
フィエステリアーム。
あの見た目から、スタイリッシュなどと言う言葉がどこから出てくるのか。
余計に不安になる。
これはもう、駄目な予感しかしない。
「さあ、行こう」
蜻蛉洲が俺の背を押す。
「え……?」
今?今すぐ?
心の準備が間に合わなすぎる。
「善は急げだ。なあに、準備はいつでもできている。僕は作業も正確で速い。なんの心配もない」
おい、これは善じゃないだろう。
俺は背中を押されながら部屋を出た。
なんて馬鹿力だ。
これが改造人間の力なのだ。
蜻蛉洲の研究室に強引に連れ込まれた俺は、激しく動揺していた。
俺はどうすればいい。
「心配するな、すぐ終わる。予定は六十時間とちょっとだ。お前にとっては寝て起きたら済んでいる」
三日。
三日経ったら俺は化け物に。
「そこに立て」
蜻蛉洲が指差した先は、壁際のくぼみだ。
なんとなく人型をしている。
「立ってやるのか?」
俺は蜻蛉洲に尋ねた。
「そうだ。立ってやる方が都合が良い。効率もな」
俺はおずおずと、言われるままに壁際に立った。
人型のくぼみに体を合わせる。
シャコッ!
何かの音がして、金属の輪が体の各所を捉えた。
「お、おい!?」
「慌てるな。立って作業するから固定してるだけだ」
いちいち恐ろしい。
俺の心臓はドキドキしっぱなしだ。
なにげに横を見た。
何かある。
大きな等身大の箱か。
まるで棺桶だ。
「……なあ、あれはなんだ?」
「ん?あれか?あれは……」
蜻蛉洲がそこまで言うと箱が開いた。
ッ!?
「お前の新しい体だ。お前はこれになるのだ」
シュコー
箱の中から白い煙が噴き出す。
そこには人の型をした何かが立っていた。
「一番の問題は『クライムクリスタル』を作れないと言う事だ。つまり、必然的にパワー不足は解消できない。俺たちにとって第二の心臓だからな」
そこでオオムカデンダルが口をはさんだ。
「パワー不足はある程度解消できる。確かに俺たちと同等とは言えないが。そこらのモンスターを見た限り、まず負ける要素は見当たらない。それでも十分なはずだ」
「そうだとしても、実際その足りないパワーをパワー以外の部分で補うと言う話だ」
蜻蛉洲が不敵に笑った。
嫌な予感しかしない。
「レオ、俺に任せろ。悪いようにはしない。見た目も最大限配慮しよう。僕ならもっとスタイリッシュな見た目にしてやれるぞ」
保証など無いのにここまで言い切るのは、蜻蛉洲の自信かそれともハッタリか。
「ちぇっ。判った、お前に任せるわ。ただしちゃんと使い物になる奴にしろよ」
オオムカデンダルが妥協に応じた。
「誰に物を言っている。フィエステリアームは僕がメインになって設計したんだぞ」
フィエステリアーム。
あの見た目から、スタイリッシュなどと言う言葉がどこから出てくるのか。
余計に不安になる。
これはもう、駄目な予感しかしない。
「さあ、行こう」
蜻蛉洲が俺の背を押す。
「え……?」
今?今すぐ?
心の準備が間に合わなすぎる。
「善は急げだ。なあに、準備はいつでもできている。僕は作業も正確で速い。なんの心配もない」
おい、これは善じゃないだろう。
俺は背中を押されながら部屋を出た。
なんて馬鹿力だ。
これが改造人間の力なのだ。
蜻蛉洲の研究室に強引に連れ込まれた俺は、激しく動揺していた。
俺はどうすればいい。
「心配するな、すぐ終わる。予定は六十時間とちょっとだ。お前にとっては寝て起きたら済んでいる」
三日。
三日経ったら俺は化け物に。
「そこに立て」
蜻蛉洲が指差した先は、壁際のくぼみだ。
なんとなく人型をしている。
「立ってやるのか?」
俺は蜻蛉洲に尋ねた。
「そうだ。立ってやる方が都合が良い。効率もな」
俺はおずおずと、言われるままに壁際に立った。
人型のくぼみに体を合わせる。
シャコッ!
何かの音がして、金属の輪が体の各所を捉えた。
「お、おい!?」
「慌てるな。立って作業するから固定してるだけだ」
いちいち恐ろしい。
俺の心臓はドキドキしっぱなしだ。
なにげに横を見た。
何かある。
大きな等身大の箱か。
まるで棺桶だ。
「……なあ、あれはなんだ?」
「ん?あれか?あれは……」
蜻蛉洲がそこまで言うと箱が開いた。
ッ!?
「お前の新しい体だ。お前はこれになるのだ」
シュコー
箱の中から白い煙が噴き出す。
そこには人の型をした何かが立っていた。
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