見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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一九九

「良い良い。別に怒ってはおらん」

 サルバスは笑いながら言った。

「失礼」

 突然、蜻蛉洲の声した。
見れば白衣をまとった蜻蛉洲が部屋へ入ってきたところだ。

「僕は蜻蛉洲秀一。貴方を招いたのは僕だ」

 そう言いながら蜻蛉洲は自分の席に着いた。
後から令子とフィエステリアームとナイーダも部屋へ入ってきた。
これで全員揃ったことになる。

「ほお……これは思ったよりも多いと見るべきか、少ないと見るべきか」

 サルバスが目を細めながら一同を見渡す。

「どう見るかは爺さまに任せるよ。これでネオジョルトは全員だ」

「全員……?たった六人で!?」

 マズルが驚いた。
秘密結社を名乗るには小規模すぎると思ったのだろう。
だが、人材には困っていない。
少数精鋭と言う言葉がこれほど当てはまる事もないだろう。

「まあ六人と言っても、そこのナイーダはアンタと同じアドバイザーだ。蜻蛉洲が頼み込んで勧誘しただけの協力者だ」

「この少女が?」

 サルバスがナイーダを見て目を丸くする。

「モンスターに関してはそこらの学者以上に詳しいと思います。なにせ実地調査を数年に渡って行ってきたも同然の境遇だからです」

 俺はナイーダが誤解されないようにフォローした。
彼女は普通の少女だ。
これから人並みに幸せになっていくのだ。

「不思議な人材が揃っているようだな」

 サルバスが髭をいじる。

「ま、今の所こじんまりとしているからな。特に幹部だなんだと言うこともない。適当に自由にやっている」

 オオムカデンダルが椅子をクルクル回転させながら言った。
サルバスはその光景を見て自分の椅子も動かしてみる。

「おお、これは面白い」

 そう言うとサルバスも椅子を回転させ始めた。
子供みたいな爺さんだ。

「で、適当に自由にやっている秘密結社で、私に何をせよと言うんだ?」

 サルバスが回転しながら言った。

「簡単に言えば講師をお願いしたい」

 蜻蛉洲が冷静な口調で言う。
オオムカデンダルとサルバスがクルクル回る中、蜻蛉洲の冷静な口調が何ともアンバランスだ。
このシュールな光景を誰も何とも思っていない風なのが更にシュールさをもたらしていた。
オオムカデンダルがいつもの通りなのは想像に難くない。
おそらく蜻蛉洲や令子やフィエステリアームたちにとっては普通の光景なのだろう。
俺も慣れた。

「この私に講師を依頼か……」

「どうせなら一流に頼むのが最善。レオがこれほどの大物を釣り上げるとは思っていませんでしたが、伝説的な賢者だと言うなら是非もありません」

 蜻蛉洲が畳み掛ける。 
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