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二四一
「とおっ!」
俺は地面を蹴って空高く跳躍する。
頂点で宙返りをすると、手首から触手を複数発射した。
しゅばっ!
キメラを取り囲むように、地面に触手を撃ち込んだ。
触手がビーンと張りつめる。
「ぬっ?」
キメラが一瞬戸惑った。
自分に撃ち込まれると身構えていたが、思惑が外れたので困惑している。
だが触手に取り囲まれ、逃げ場はない。
触れただけで草木も腐蝕する超猛毒の触手だ。
体の中で、ゴウゴウと熱が渦巻くのを感じる。
肩甲骨の辺りの装甲が、バインッと開いた。
ゴオッ!
勢いよく炎が噴き出す。
「サフィリナックスカタラクト!」
叫ぶと同時に触手を引き戻す。
ジュララララッと音を発てて高速で触手が手首の中へと戻っていく。
俺の体は地面へと勢いよく引き付けられた。
ギュンッ!
背中から噴き出す炎には押され、引き戻される触手には引かれ、俺の体は一直線にキメラの真上へと迫る。
「メエエェェェ!」
山羊の頭が鳴いた。
プロテクションだろう?
こっちも予測済みだ。
「うおおおおおっ!」
雄叫びをあげて気合いを込める。
冒険者の戦闘はいつでもそうだ。
最後は気迫が物を言う。
ガキイイィィンッ!
今までとは違う甲高い音がした。
プロテクションだ。
バキッ!ビキビキッ……バキインッ!
まるで金属の板を叩き壊したような音がする。
ホンの一瞬抵抗を感じたが、あっという間にプロテクションを破壊した。
「なんだとッ!」
キメラが叫んだ。
俺は両足を揃えてキメラの頭上に落下した。
ドオオオオンッ!
激しい音と大量の土砂が舞い上がる。
それがワンテンポ遅れて辺りに降り注いだ。
地面はえぐれ、まるで隕石でも落ちてきたかのように辺りは凹んでいた。
そして、俺の足の下には体が潰れたキメラがいた。
「ぐ……うぅ」
体を半分踏み潰されていても即死ではないとは。
キメラの生命力に驚かされる。
上から垂直に落下して、相手を踏み潰す。
ただそれだけの技だ。
だが、そこにはネオジョルトの英知が詰まっている。
俺にもその理屈は判らない。
ただ踏み潰しただけの威力ではない事は、この結果が物語っていた。
「まあ、派手ねぇ」
令子がサイクロプスの足を支えながら言った。
と言うか、まだ支えていたのか。
「なんだか出番を取られちゃったみたい」
どこか拗ねたように令子が言った。
「よいしょ」
令子がサイクロプスの足を押し退ける。
「!?」
サイクロプスは足を押し退けられて、後ろへたたらを踏んだ。
「私待ちなのね。すぐに終わらせるから、ちょっと待ってて」
令子はそう言うと軽々とジャンプした。
そしてサイクロプスの胸の辺りに取り付く。
何をしようと言うのか。
「うああああああおおおおうぅぅぅ!」
サイクロプスが絶叫する。
この叫び声はただ事ではなかった。
俺は地面を蹴って空高く跳躍する。
頂点で宙返りをすると、手首から触手を複数発射した。
しゅばっ!
キメラを取り囲むように、地面に触手を撃ち込んだ。
触手がビーンと張りつめる。
「ぬっ?」
キメラが一瞬戸惑った。
自分に撃ち込まれると身構えていたが、思惑が外れたので困惑している。
だが触手に取り囲まれ、逃げ場はない。
触れただけで草木も腐蝕する超猛毒の触手だ。
体の中で、ゴウゴウと熱が渦巻くのを感じる。
肩甲骨の辺りの装甲が、バインッと開いた。
ゴオッ!
勢いよく炎が噴き出す。
「サフィリナックスカタラクト!」
叫ぶと同時に触手を引き戻す。
ジュララララッと音を発てて高速で触手が手首の中へと戻っていく。
俺の体は地面へと勢いよく引き付けられた。
ギュンッ!
背中から噴き出す炎には押され、引き戻される触手には引かれ、俺の体は一直線にキメラの真上へと迫る。
「メエエェェェ!」
山羊の頭が鳴いた。
プロテクションだろう?
こっちも予測済みだ。
「うおおおおおっ!」
雄叫びをあげて気合いを込める。
冒険者の戦闘はいつでもそうだ。
最後は気迫が物を言う。
ガキイイィィンッ!
今までとは違う甲高い音がした。
プロテクションだ。
バキッ!ビキビキッ……バキインッ!
まるで金属の板を叩き壊したような音がする。
ホンの一瞬抵抗を感じたが、あっという間にプロテクションを破壊した。
「なんだとッ!」
キメラが叫んだ。
俺は両足を揃えてキメラの頭上に落下した。
ドオオオオンッ!
激しい音と大量の土砂が舞い上がる。
それがワンテンポ遅れて辺りに降り注いだ。
地面はえぐれ、まるで隕石でも落ちてきたかのように辺りは凹んでいた。
そして、俺の足の下には体が潰れたキメラがいた。
「ぐ……うぅ」
体を半分踏み潰されていても即死ではないとは。
キメラの生命力に驚かされる。
上から垂直に落下して、相手を踏み潰す。
ただそれだけの技だ。
だが、そこにはネオジョルトの英知が詰まっている。
俺にもその理屈は判らない。
ただ踏み潰しただけの威力ではない事は、この結果が物語っていた。
「まあ、派手ねぇ」
令子がサイクロプスの足を支えながら言った。
と言うか、まだ支えていたのか。
「なんだか出番を取られちゃったみたい」
どこか拗ねたように令子が言った。
「よいしょ」
令子がサイクロプスの足を押し退ける。
「!?」
サイクロプスは足を押し退けられて、後ろへたたらを踏んだ。
「私待ちなのね。すぐに終わらせるから、ちょっと待ってて」
令子はそう言うと軽々とジャンプした。
そしてサイクロプスの胸の辺りに取り付く。
何をしようと言うのか。
「うああああああおおおおうぅぅぅ!」
サイクロプスが絶叫する。
この叫び声はただ事ではなかった。
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