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二八一
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城内は意外と人が少ない。
大部分は外に配置されているからだろうか。
とは言え、城内も重要な場所には兵士が立っているし、侍従のような者たちも働いている。
「城内には私も入った事はないから……」
オレコはそう言って懐から見取り図を取り出した。
「でも準備はしてあるんだな」
「もちろん。このくらいは当然よ」
俺の言葉にオレコは胸を張った。
「で、お前の目当ての奴はどこに行けば会えるんだ?」
カルタスが見取り図を覗き込みながら言う。
「誰かに聞くか、目ぼしいところを探すか……」
俺も悩んだ。
確証があって来たわけではない。
出たとこ勝負だが一人なら何とかなると思ったのだ。
「誰かに尋ねるのは賛成しがたいわね」
オレコの考えだと、まあそう言うだろうな。
しかし、奴らを見つければ会わない訳にはいかない。
会えば必ず戦闘になる。
だからと言って今、騒ぎになっても困る。
難しいところだ。
「あの……カルタス様」
「んあ?」
トラゴスがカルタスの名前を呼んだ。
「魔法使いなら探せます」
「なに?」
「あっちです」
トラゴスが北を指差す。
本当か?
「なんでそんな事が判るんだ?」
「え……山羊から人間になったからでしょうか?」
そんな馬鹿な。
「神様が人間になる時に、力を授けて下さいましたから」
胡散臭い神だな。
大丈夫なのか。
俺は半信半疑でセンサーを使った。
早くもレーダーに感あり。
確かにこの先に数名の人を感じる。
だが、それが奴らかどうかまでは判らない。
ただの雇われ業者が草を刈っているのかもしれない。
「まあ、行ってみよう。他に思い当たるところもない」
俺はそう言って歩き出した。
「ちょっと、堂々とし過ぎよ。もっと身を隠しなさい」
「大丈夫だ。誰か来れば判る」
レーダーに全て映っているからな。
カルタスとオレコは顔を見合わせた。
そして足早に俺に付いてきた。
む。
この先、誰かこの通路に入ってくる。
「おい、静かに走れ」
俺はみんなにそう言うと走った。
「お、おい」
訳も判らぬままカルタスたちも走る。
この通路に入ってこられたら、俺たちは丸見えだ。
だからその先の角を早く曲がってしまう必要がある。
俺は角に辿り着くと、急げと小声で叫んだ。
全員が角を曲がった時、通路の途中から合流してくる二人組の兵士が現れた。
「……本当だ。判ったのか?」
カルタスが驚いた顔で後ろを覗き見た。
「ああ。行くぞ、この先だ」
「この先は、外の筈だけど」
オレコが言った。
確かに外だ。
だが、その外に感じるのだ。
「魔力は確かにこの外から感じます」
トラゴスもそう言った。
いよいよご対面か?
それとも業者が草をむしってるのか。
俺は扉を開けて、外に出た。
大部分は外に配置されているからだろうか。
とは言え、城内も重要な場所には兵士が立っているし、侍従のような者たちも働いている。
「城内には私も入った事はないから……」
オレコはそう言って懐から見取り図を取り出した。
「でも準備はしてあるんだな」
「もちろん。このくらいは当然よ」
俺の言葉にオレコは胸を張った。
「で、お前の目当ての奴はどこに行けば会えるんだ?」
カルタスが見取り図を覗き込みながら言う。
「誰かに聞くか、目ぼしいところを探すか……」
俺も悩んだ。
確証があって来たわけではない。
出たとこ勝負だが一人なら何とかなると思ったのだ。
「誰かに尋ねるのは賛成しがたいわね」
オレコの考えだと、まあそう言うだろうな。
しかし、奴らを見つければ会わない訳にはいかない。
会えば必ず戦闘になる。
だからと言って今、騒ぎになっても困る。
難しいところだ。
「あの……カルタス様」
「んあ?」
トラゴスがカルタスの名前を呼んだ。
「魔法使いなら探せます」
「なに?」
「あっちです」
トラゴスが北を指差す。
本当か?
「なんでそんな事が判るんだ?」
「え……山羊から人間になったからでしょうか?」
そんな馬鹿な。
「神様が人間になる時に、力を授けて下さいましたから」
胡散臭い神だな。
大丈夫なのか。
俺は半信半疑でセンサーを使った。
早くもレーダーに感あり。
確かにこの先に数名の人を感じる。
だが、それが奴らかどうかまでは判らない。
ただの雇われ業者が草を刈っているのかもしれない。
「まあ、行ってみよう。他に思い当たるところもない」
俺はそう言って歩き出した。
「ちょっと、堂々とし過ぎよ。もっと身を隠しなさい」
「大丈夫だ。誰か来れば判る」
レーダーに全て映っているからな。
カルタスとオレコは顔を見合わせた。
そして足早に俺に付いてきた。
む。
この先、誰かこの通路に入ってくる。
「おい、静かに走れ」
俺はみんなにそう言うと走った。
「お、おい」
訳も判らぬままカルタスたちも走る。
この通路に入ってこられたら、俺たちは丸見えだ。
だからその先の角を早く曲がってしまう必要がある。
俺は角に辿り着くと、急げと小声で叫んだ。
全員が角を曲がった時、通路の途中から合流してくる二人組の兵士が現れた。
「……本当だ。判ったのか?」
カルタスが驚いた顔で後ろを覗き見た。
「ああ。行くぞ、この先だ」
「この先は、外の筈だけど」
オレコが言った。
確かに外だ。
だが、その外に感じるのだ。
「魔力は確かにこの外から感じます」
トラゴスもそう言った。
いよいよご対面か?
それとも業者が草をむしってるのか。
俺は扉を開けて、外に出た。
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