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三二二
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そうなのか?
「そりゃあそうだろう。自分に関係の無い事を実感出来るか?幽霊なんて自分に影響無いからやってられるんだろ」
オオムカデンダルはあっけらかんと言った。
それも論理的な思考と言うヤツか?
なにか暴論のような気もするが。
「わざわざ立派な頭蓋骨を再現してまで実体化したんだ。脳が無いなら頭蓋骨を再現実体化なんて意味無いもんな。さてお前の脳には何が入っているの……」
オオムカデンダルはそう言いながら機械のスイッチに指をかけた。
「……か!」
言うと同時に機械のスイッチを入れる。
ラボの壁に掛かった巨大な板に何かの像が映し出された。
「なんだ……これは……?」
俺は思わず声をあげた。
「これはレイスの頭の中を透かして見てるんだ。リアルタイムで見られるのがジョルト……もとい、ネオジョルト製の凄いところなんだぜ?」
これがレイスの頭の中身?
確かに頭の形をしている。
その中には何か大きな塊が見える。
像に色は付いていない。
「思った通りの形だな。まあ、生き物の脳なんてみんな形はだいたい同じだが、さすがはレイス君。人間様より若干大きい脳をお持ちのようだ」
そうなのか。
人間の脳はこれよりもっと小さいのか。
知らない事だらけだ。
レイスは像を食い入るように見つめている。
何を考えているのか、何を感じているのかは判らない。
「で、だ。形が同じなら機能もだいたい同じ筈だ。
だったら記憶は……」
オオムカデンダルは言いながら紐のような物を取り出した。
その先端は尖っており、金属のように見える。
「ここだ!」
叫びながらオオムカデンダルはその先端をレイスの頭へ突き刺した。
「ぎゃああああっ!」
レイスの絶叫が再びラボに響く。
像では長い針が脳の中心部へ深く到達しているのが判る。
「あ……っ……ああ……っ……!」
レイスがおかしな声をあげる。
訳が判らないが、それがまた恐ろしく感じられた。
「よお、レイス君。見えるかい?ここがお前の『海馬』だ」
カイバ?
「記憶と言うのはな、見たり聞いたり経験したりすると、まずこの海馬に記録される」
俺はオオムカデンダルの様子をじっくりと観察した。
こんな事までも知っているのか。
生き物の造りを。
生物の理を。
俺は知らないうちに自分の脚が震えている事に気が付いた。
「それから少しずつ時間が経つにつれて整理され、より論理的に定着する。つまり想い出とか旧い記憶と言う物になる訳だ」
オオムカデンダルは像の映し出された板を指差した。
「そしてこの周辺。ここ全体だ。ここが大脳皮質。この辺り全体がその旧い記憶の保管場所だ。かなりの面積だろ。判るか?俺たちは死ぬまでに、これだけの面積を使うんだ」
「そりゃあそうだろう。自分に関係の無い事を実感出来るか?幽霊なんて自分に影響無いからやってられるんだろ」
オオムカデンダルはあっけらかんと言った。
それも論理的な思考と言うヤツか?
なにか暴論のような気もするが。
「わざわざ立派な頭蓋骨を再現してまで実体化したんだ。脳が無いなら頭蓋骨を再現実体化なんて意味無いもんな。さてお前の脳には何が入っているの……」
オオムカデンダルはそう言いながら機械のスイッチに指をかけた。
「……か!」
言うと同時に機械のスイッチを入れる。
ラボの壁に掛かった巨大な板に何かの像が映し出された。
「なんだ……これは……?」
俺は思わず声をあげた。
「これはレイスの頭の中を透かして見てるんだ。リアルタイムで見られるのがジョルト……もとい、ネオジョルト製の凄いところなんだぜ?」
これがレイスの頭の中身?
確かに頭の形をしている。
その中には何か大きな塊が見える。
像に色は付いていない。
「思った通りの形だな。まあ、生き物の脳なんてみんな形はだいたい同じだが、さすがはレイス君。人間様より若干大きい脳をお持ちのようだ」
そうなのか。
人間の脳はこれよりもっと小さいのか。
知らない事だらけだ。
レイスは像を食い入るように見つめている。
何を考えているのか、何を感じているのかは判らない。
「で、だ。形が同じなら機能もだいたい同じ筈だ。
だったら記憶は……」
オオムカデンダルは言いながら紐のような物を取り出した。
その先端は尖っており、金属のように見える。
「ここだ!」
叫びながらオオムカデンダルはその先端をレイスの頭へ突き刺した。
「ぎゃああああっ!」
レイスの絶叫が再びラボに響く。
像では長い針が脳の中心部へ深く到達しているのが判る。
「あ……っ……ああ……っ……!」
レイスがおかしな声をあげる。
訳が判らないが、それがまた恐ろしく感じられた。
「よお、レイス君。見えるかい?ここがお前の『海馬』だ」
カイバ?
「記憶と言うのはな、見たり聞いたり経験したりすると、まずこの海馬に記録される」
俺はオオムカデンダルの様子をじっくりと観察した。
こんな事までも知っているのか。
生き物の造りを。
生物の理を。
俺は知らないうちに自分の脚が震えている事に気が付いた。
「それから少しずつ時間が経つにつれて整理され、より論理的に定着する。つまり想い出とか旧い記憶と言う物になる訳だ」
オオムカデンダルは像の映し出された板を指差した。
「そしてこの周辺。ここ全体だ。ここが大脳皮質。この辺り全体がその旧い記憶の保管場所だ。かなりの面積だろ。判るか?俺たちは死ぬまでに、これだけの面積を使うんだ」
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