見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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四五三

「ナイーダはモンスターにとても詳しい。話すと面白いんだ」

 フィエステリアームは相変わらず無表情のままそう言った。
言葉の中身と表情が、これほど合ってないのも珍しい。

「ご両親は?」

「実家で今まで通りの生活をしているわ」

「一緒に居たくないのか?」

 ナイーダは首を振った。

「ううん。でもアタシはコレがあるから」

 そう言ってナイーダは自分の背中を指差して寂しそうに笑った。
タレントの紋様か。

「ふん。なに、問題ない。いずれそれも僕が何とかしよう。まあとは言え、あんな連中と一緒に居る必要などない。ナイーダは優秀だ。我々と居る方が良いだろう」

 蜻蛉洲がいつもの通り、高飛車な態度で言った。
そうは言っても家族と一緒に居たいだろうに。
蜻蛉洲なりにナイーダを気に掛けているのだろうか。

「レオ、お前はホントに鈍いな」

 唐突にオオムカデンダルが言った。
なんだ藪から棒に。
別に俺だって鋭いとは思ってないが、他人に言われるほど鈍くは無いだろう。

「ほれ、良く見ろ」

 俺は言われてもう一度一同を見渡した。

「!?」

 俺は驚きのあまり絶句した。

「鈍いなレオ」

 そこには銀猫が居た。

「無視されているのかと思ったぞ」

 銀猫が笑いながら言った。

「何故だ、何故生きているんだ!?」

 俺は動揺した。
銀猫は俺が殺したのだ。

「僕が甦らせた」

 甦らせただと?
嫌がっていたじゃないか!

「そんな物は時と場合による」

 蜻蛉洲は悪びれもせずにそう言ってのけた。
なんてヤツだ。

「まあ、ただ慈善で甦らせた訳ではない。一つは実験だ」

 実験?

「試してみたかったのだよ。ヴァンパイアのサンプルをね」

 どう言う事だ。

「以前押収したヴァンパイアの体から細胞を抜き取り、以来研究して来た訳だが……どうしても不死の能力だけは今一つ判らない。ただ、もう一つの能力である『再生能力』は解明できたのだ。それをどうしても試してみたくなった」

 なんてヤツだ。
凄すぎる。

「結果、ご覧の通りだいたい成功した」

「だいたい?完全に上手く行っているじゃないか」

 俺は驚きながらも銀猫を、頭の先から爪先まで
何度も見ながら言った。

「銀猫がヴァンパイアと融合していたのもラッキーだった。ヴァンパイアの細胞と上手く適合出来たからな。ただ……」

 なんだ。
何か問題でもあるのか。

「頭はヴァンパイアの物だったから、まず真っ先に切り落とした。体の主導権を銀猫に託す為には頭は二つ要らないからな」

 確かにそれはそうだ。

「細胞を植え付けると、あっという間に再生したよ。素晴らしい能力だ」

 じゃあ問題解決じゃないか。
なんの問題があるのか。

「……余計なものまで再生したがね」

 まさか。

「そのまさかだ。ヴァンパイアも銀猫の胸に復活した」
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