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六一八
間も無くしてメタルシェルは、格納庫へと着陸した。
ハッチが開く。
「ここが……」
四人は外へ出ると格納庫内を見回した。
「何だコイツらは。誰が連れて来て良いと言った」
蜻蛉洲が眉間にシワを寄せてギャラリーからこちらを見下ろしている。
「堅い事言うなよ。アキラの部下だ」
オオムカデンダルが九条晃を抱き抱えて、メタルシェルから降りて来た。
「また勝手な事を」
怒っているな。
いつもの事だが。
「別に良いだろ。何も出来やしないんだから」
ガイがカチンと来た。
判りやすいな、顔に出ている。
だがそれを、ディーレが背中をポンポンと叩いてたしなめる。
「……そいつ、どうするつもりだ?」
蜻蛉洲が九条晃の亡骸を見て尋ねた。
「いや、色々聞きたいなと思って……」
「死んでるんじゃ無いのか?」
「ああ。死んでいる」
「……そうか」
蜻蛉洲はそれを聞くと、割とあっさり引き下がった。
「あんまり面倒事を増やすなよ。今は忙しいからな」
「判ってるって」
オオムカデンダルは軽く返事をすると、管理人に四人の案内を頼んだ。
「……そう言う訳だから、適当にもてなしておいてくれよ」
「判りました」
管理人は返事をすると、四人を広間へと誘導する。
オオムカデンダルは九条晃を研究室に運び込む為に去って行った。
「待て!アキラをどこに連れて行く気だ!」
ガイがオオムカデンダルを呼び止めた。
「今からちょっと難しい作業がある。だからお前ら邪魔はするなよな」
オオムカデンダルは振り返りもせずにそう言って、そのまま通路の奥へと消えて行った。
「チッ……ところでムカデのヤツ、適当にって言わなかったか」
ガイが不満そうに文句を言う。
なんだ、しっかり聞いていたのか。
「どうでも良いでしょ、そんな事は」
ディーレはさっきから落ち着き払っているな。
「……ところで、ここでの勝手な行為はお控え下さい。場合によっては命の保証は致しかねます」
管理人が四人に警告した。
「ところでこの声はどこから聞こえるんだ?」
ルガが辺りを警戒する。
さすがは元レンジャーだな。
「ではご案内します。真っ直ぐ突き当たりを右へお進み下さい」
四人は言われるままに、どやどやと通路を歩いて広間へと向かった。
さて、俺はどうするか。
少し迷ったがする事も無いので、監視を兼ねて四人に着いて行く事にした。
広間ではテーブルの空いている席に座り、管理人の運んできたケーキと珈琲を目の前に戸惑っていた。
そう言えば、コイツらまだ食べた事が無いんだな。
俺は黙って四人を見ていた。
ちなみに俺は食べた事はある。
美味しい事も知っている。
ただ、人々のように中毒性は感じない。
砂糖を摂ると、多幸感が生まれやすくなるらしい。
それが中毒症状の正体だ。
改造人間にはそれが無い。
「……食べても良いのか?」
ガイが三人の顔を見渡した。
「……どうだろ?」
ルガが困惑した顔で答えた。
だがその表情は、食べてみたいと言う誘惑にかられている事がうかがえた。
ルガは人一倍好奇心が旺盛だったからな。
ハッチが開く。
「ここが……」
四人は外へ出ると格納庫内を見回した。
「何だコイツらは。誰が連れて来て良いと言った」
蜻蛉洲が眉間にシワを寄せてギャラリーからこちらを見下ろしている。
「堅い事言うなよ。アキラの部下だ」
オオムカデンダルが九条晃を抱き抱えて、メタルシェルから降りて来た。
「また勝手な事を」
怒っているな。
いつもの事だが。
「別に良いだろ。何も出来やしないんだから」
ガイがカチンと来た。
判りやすいな、顔に出ている。
だがそれを、ディーレが背中をポンポンと叩いてたしなめる。
「……そいつ、どうするつもりだ?」
蜻蛉洲が九条晃の亡骸を見て尋ねた。
「いや、色々聞きたいなと思って……」
「死んでるんじゃ無いのか?」
「ああ。死んでいる」
「……そうか」
蜻蛉洲はそれを聞くと、割とあっさり引き下がった。
「あんまり面倒事を増やすなよ。今は忙しいからな」
「判ってるって」
オオムカデンダルは軽く返事をすると、管理人に四人の案内を頼んだ。
「……そう言う訳だから、適当にもてなしておいてくれよ」
「判りました」
管理人は返事をすると、四人を広間へと誘導する。
オオムカデンダルは九条晃を研究室に運び込む為に去って行った。
「待て!アキラをどこに連れて行く気だ!」
ガイがオオムカデンダルを呼び止めた。
「今からちょっと難しい作業がある。だからお前ら邪魔はするなよな」
オオムカデンダルは振り返りもせずにそう言って、そのまま通路の奥へと消えて行った。
「チッ……ところでムカデのヤツ、適当にって言わなかったか」
ガイが不満そうに文句を言う。
なんだ、しっかり聞いていたのか。
「どうでも良いでしょ、そんな事は」
ディーレはさっきから落ち着き払っているな。
「……ところで、ここでの勝手な行為はお控え下さい。場合によっては命の保証は致しかねます」
管理人が四人に警告した。
「ところでこの声はどこから聞こえるんだ?」
ルガが辺りを警戒する。
さすがは元レンジャーだな。
「ではご案内します。真っ直ぐ突き当たりを右へお進み下さい」
四人は言われるままに、どやどやと通路を歩いて広間へと向かった。
さて、俺はどうするか。
少し迷ったがする事も無いので、監視を兼ねて四人に着いて行く事にした。
広間ではテーブルの空いている席に座り、管理人の運んできたケーキと珈琲を目の前に戸惑っていた。
そう言えば、コイツらまだ食べた事が無いんだな。
俺は黙って四人を見ていた。
ちなみに俺は食べた事はある。
美味しい事も知っている。
ただ、人々のように中毒性は感じない。
砂糖を摂ると、多幸感が生まれやすくなるらしい。
それが中毒症状の正体だ。
改造人間にはそれが無い。
「……食べても良いのか?」
ガイが三人の顔を見渡した。
「……どうだろ?」
ルガが困惑した顔で答えた。
だがその表情は、食べてみたいと言う誘惑にかられている事がうかがえた。
ルガは人一倍好奇心が旺盛だったからな。
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