見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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七一四

「ネオジョルトはこれより、特別警戒体勢に移行します。各自速やかに配備に着いて下さい。繰り返します……」

 アジト内に管理人の声が響き渡る。
これと同じ声が西の繁華街中に伝わっている筈だ。

 しかし、今回は全員留守番だ。
留守を守れと言われている。

 あの十万の大軍を、たった五人で蹴散らすとオオムカデンダルは言った。
その中にはワイバーンも居た。
と言う事は、同じかそれ以上のクラスのモンスターが居る事も想定しておいた方が良い。

「ラグナロクでもあるまいし……」

 俺は通路を行きつつ呟いた。

「レオ、お前はガーディアンに乗れ」

 蜻蛉洲が振り向きもせずに言った。
ガーディアンって、あの馬鹿デカいメタルシェルか。

「えー!あれには俺が乗ろうと思っていたんだぞ!」

 オオムカデンダルがすぐに反応した。

「駄目だ。お前は俺たちと一緒に最前線だ」

「何でだよ!」

「近接格闘が得意なお前が後方でマシンに乗ったら意味無いだろ」

「あれに乗ったらそれで全部事足りるだろ!」

「じゃあ、お前があれに乗れ。僕たちは広間で見物しててやる」

「ぐ……」

 オオムカデンダルが言葉に詰まる。
敵を蹴散らして終わりと言う訳にはいかんのか。

「殲滅するだけならそれで構わんが、戦いという物は最終的には人が必要だ」

 ただの防衛戦では無いのか。

「ただの防衛戦だよ。だが、黒幕がまだ見えない」

 蜻蛉洲が淡々と答える。
 敵は王国だろ。

「王国にあれだけのモンスターを従えさせる力があるなら、とっくの昔に帝国は破れている」

 つまり、何だ?

「王国に力を貸してるのが居るんだよ」

 オオムカデンダルが続ける。
王女じゃないのか。
中身はヴァルキリーだ。

「じいちゃんが言ってたが、ただの神の尖兵にあれだけのモンスターを使役出来るとは思えないってよ」

 賢者サルバスが?
じゃあ誰が黒幕なんだよ。

「それを見極めに行くんだ。だから蹴散らせば良いって訳でも無い。いや、蹴散らしはするんだが……」

 そうか。
最後は人がやらなきゃならないと言う事か。

「巨大で強力でも物は物だ。道具に過ぎない。結局は人がやる事になる」

 判ったぜ。
俺は蜻蛉洲の言う意味を理解した。

 四人はメタルシェルに乗り込む。
俺は奥のガーディアンへと向かった。

「レオさん。こちらです」

 管理人の声が俺を案内する。
俺は案内に従ってガーディアンへと乗り込んだ。

 しかしデカイな。
俺は昇降する板に乗って乗り込み口へと登った。
乗り込む為の装置が無ければ乗り降りさえ出来ないとは。
改造人間ならともかく、普通の人間には奪って乗る事も難しいな。
当然、降りられまい。

「さて、じゃあ行くか」

 オオムカデンダルの声が聞こえた。
俺はガーディアンの操縦席に乗り込むと、指示に従ってガーディアンを発進させた。
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