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七四一
「ほれ、終わったぞ」
賢者サルバスが手で額を拭いながら言った。
炎は徐々に勢いを減らしつつあったが、元が元なのでまだ十分に燃え盛っている。
まるで地獄の業火だ。
「空気の流れも遮断しているから、じきに消える」
オオムカデンダルが心配する俺に言った。
そうなのか。
だから良いと言う訳でも無いが、やってしまった物は仕方が無い。
消えると言うならそれを信じよう。
「まったく……ピューリファイにこんなに全力を傾けたのは初めてだ。骨が折れるわい」
「ありがとなじいちゃん。じいちゃんが浄化魔法を使えるって事がこの武器の使用前提だからな。そうで無ければこの武器は使えない」
オオムカデンダルが笑って言った。
賢者とセットじゃないと使えない兵器だと。
なんだそれ。
まあ、世界征服を企む秘密結社が毒の使用後まで考えて兵器運用している事自体、笑い話なんだが。
「それよりプニーフタールはどうなった?」
サルバスがフェンスの中を窺う。
しかし炎が未だ渦巻き、中の様子はうかがい知れない。
「そろそろ炎も収まる。死んでいると思うが、細胞片くらいは落ちてるんじゃないか?」
オオムカデンダルが興味無さそうに言った。
確かに恐ろしい威力の兵器だが、邪神って死ぬのだろうか。
何だかピンとこない。
それからまた少し時間が経つと、いよいよ炎の勢いは目に見えて収まった。
やれやれ、一時はどうなる事かと思ったぜ。
「そろそろフェンスも消失する。中へ入ってみよう」
オオムカデンダルがそう言って、センチピーダーインフィニティーから出て来た。
俺もそれに倣って外へ出る。
確かに炎はほぼ収まったが、熱が凄い。
外へ漏れ出た熱だけでこの熱さだ。
本当に中へ入れるのか。
「じいちゃんは無理だな。改造人間はどこでも行ける。例え火の中水の中ってな」
つまり俺とアンタが入ると言う事か。
火の中水の中が本当になるとは。
迂闊に物の例えも出来んな。
「はっはっはっはっ。深海でも行けるからな。ちなみに深海ならウロコフネタマイトが一番適応しているぞ。一〇〇〇〇メートル超えても全然余裕だ。クラーケンでもシーサーペントでも相手できるぞ」
その能力はどこで生かされるんだ。
そんな場面死ぬまで無いだろ。
あってもご免だ。
「どんな場所で誰と相対するか判らんだろ?今だって邪神と対戦するなんて普通は想定していない。つまり、そう言うこった」
はあ。
そう言う事ですか。
さっぱり判らんが、少なくともあらゆる状況に対応してこそと言いたいらしい。
まあ、これを見る限り結果オーライだが。
「さすがじいちゃん。しっかり基準値以下まで下がっているぜ。何の反応も無いね」
オオムカデンダルが、凄え凄えと声を上げる。
どうやら凄い事らしい。
賢者のやる事だし凄い事なんだろうとは思うが、今ひとつ凄さが伝わらんのは俺に知識が足りないからだろう。
「どうだオオムカデンダル。何か発見できたか?」
オニヤンマイザーが側に飛んできた。
もちろんプニーフタールが目当てなのは言うまでも無い。
「うんにゃ。今の所は……熱で消滅したかな?」
「おい」
「冗談だよ。ちゃんと計算してある。まあ、しばらく見てろ」
オオムカデンダルが自信ありげに辺りを見渡した。
賢者サルバスが手で額を拭いながら言った。
炎は徐々に勢いを減らしつつあったが、元が元なのでまだ十分に燃え盛っている。
まるで地獄の業火だ。
「空気の流れも遮断しているから、じきに消える」
オオムカデンダルが心配する俺に言った。
そうなのか。
だから良いと言う訳でも無いが、やってしまった物は仕方が無い。
消えると言うならそれを信じよう。
「まったく……ピューリファイにこんなに全力を傾けたのは初めてだ。骨が折れるわい」
「ありがとなじいちゃん。じいちゃんが浄化魔法を使えるって事がこの武器の使用前提だからな。そうで無ければこの武器は使えない」
オオムカデンダルが笑って言った。
賢者とセットじゃないと使えない兵器だと。
なんだそれ。
まあ、世界征服を企む秘密結社が毒の使用後まで考えて兵器運用している事自体、笑い話なんだが。
「それよりプニーフタールはどうなった?」
サルバスがフェンスの中を窺う。
しかし炎が未だ渦巻き、中の様子はうかがい知れない。
「そろそろ炎も収まる。死んでいると思うが、細胞片くらいは落ちてるんじゃないか?」
オオムカデンダルが興味無さそうに言った。
確かに恐ろしい威力の兵器だが、邪神って死ぬのだろうか。
何だかピンとこない。
それからまた少し時間が経つと、いよいよ炎の勢いは目に見えて収まった。
やれやれ、一時はどうなる事かと思ったぜ。
「そろそろフェンスも消失する。中へ入ってみよう」
オオムカデンダルがそう言って、センチピーダーインフィニティーから出て来た。
俺もそれに倣って外へ出る。
確かに炎はほぼ収まったが、熱が凄い。
外へ漏れ出た熱だけでこの熱さだ。
本当に中へ入れるのか。
「じいちゃんは無理だな。改造人間はどこでも行ける。例え火の中水の中ってな」
つまり俺とアンタが入ると言う事か。
火の中水の中が本当になるとは。
迂闊に物の例えも出来んな。
「はっはっはっはっ。深海でも行けるからな。ちなみに深海ならウロコフネタマイトが一番適応しているぞ。一〇〇〇〇メートル超えても全然余裕だ。クラーケンでもシーサーペントでも相手できるぞ」
その能力はどこで生かされるんだ。
そんな場面死ぬまで無いだろ。
あってもご免だ。
「どんな場所で誰と相対するか判らんだろ?今だって邪神と対戦するなんて普通は想定していない。つまり、そう言うこった」
はあ。
そう言う事ですか。
さっぱり判らんが、少なくともあらゆる状況に対応してこそと言いたいらしい。
まあ、これを見る限り結果オーライだが。
「さすがじいちゃん。しっかり基準値以下まで下がっているぜ。何の反応も無いね」
オオムカデンダルが、凄え凄えと声を上げる。
どうやら凄い事らしい。
賢者のやる事だし凄い事なんだろうとは思うが、今ひとつ凄さが伝わらんのは俺に知識が足りないからだろう。
「どうだオオムカデンダル。何か発見できたか?」
オニヤンマイザーが側に飛んできた。
もちろんプニーフタールが目当てなのは言うまでも無い。
「うんにゃ。今の所は……熱で消滅したかな?」
「おい」
「冗談だよ。ちゃんと計算してある。まあ、しばらく見てろ」
オオムカデンダルが自信ありげに辺りを見渡した。
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