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七四九
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それから俺は席に着くと、彼女にも座るように促した。
ゆっくりとゆっくりと時が流れた。
いつ以来だろうか。
こんなに静かに時間が流れていくのは。
ミーアの事も、今だけは少し忘れられた。
俺たちは、これまでの空白を埋めるように、本当にゆっくりと、そしてたくさんの事を語り合った。
そうして時間が過ぎていき、いつの間にか夜になっていた。
屋敷の中は明かりが灯り、昼間とさして変わらない明るさに満たされている。
「凄いのね。これ」
アニーが不意に、部屋の明かりに付いて話した。
「ああ、恥ずかしながら今も俺には原理が判らない。でもオオムカデンダルたちの使う科学って言うのは、原理の違う魔法みたいなんだ」
アニーは静かに頷く。
「蜻蛉洲博士もそのように言っていたわ。私、魔法を学ぼうと勉強中だったけど、科学を学ぶのも面白いかもしれないわね」
アニーがそう言って笑った。
アニーはもともとレンジャーだ。
魔法はそんなに得意では無い。
全く使えないと言う訳では無かったが、ホンの一部だ。
しかし、その内に上を目指すのならば、魔法は必須になってくる。
ソルジャー昇格に必要になってくるからだ。
あらゆる地形や環境において、その地の利を最大限に生かす。
それがレンジャーだ。
敵の痕跡を発見し、追跡する。
罠を仕掛け、戦略的に作戦を立てる。
そのレンジャーの上位職がソルジャーである。
ソルジャーは今までのやり方に、魔法がプラスされていく。
オレコの職業はこれである。
そうして更に上を目指す時、ほとんどの人間が到達できないのが『ストラテジスト』だ。
ここはもう伝説級であり、英雄階級だ。
一般にドラゴンクラスと呼ばれるクラスである。
例えば勇者は『英雄』と呼ばれ、全ての魔法職は『セイジ』と呼ばれる。
それは、ここまで来れば途中の魔法職の違いはほぼ無くなるからだ。
賢者サルバスはこのクラスである。
隠者、天啓者などと肩書きは違っても、全部まとめてセイジなのだ。
ただし、聖職者だけは同じ魔法職でも『ポープ』と呼ばれ区別されるが、それはまた別の機会に話そう。
とにかくアニーは、それまで進めてきた魔法の勉強を辞め、科学に切り替えたいと言っているのだ。
これは俺には何とも助言しにくい。
そもそも俺は、魔法も科学もどっちもチンプンカンプンだからだ。
魔法と言えば、せいぜいスネアだけである。
ほぼ使い道は無い。
「あら、貴方には剣があるじゃない」
まあ、それはそうなんだが。
だが、今では剣すらまともに振っていない。
この体になったからだ。
別に体のせいにしようと言うのでも無いが、剣を振るよりも体の扱いの方が優先事項だったのだ。
もともと戦いのセンスは有る方だと思う。
剣士になった時も、そのセンスをずいぶん褒められたものだ。
ミラーナイトまでの最年少、最短記録ももらった。
剣を振るのは楽しい。
向いていたのだろう。
しかし、それでも上には上が居る。
人間であってもとんでもない強さを誇る者たちが、世界には居るのだ。
将軍たちはその代表例と言って良い。
モンスターに単身挑んでも、それを撃破する強さを持っている。
冒険者の中にも、ブラックナイト級の中には、これに近い実力者が結構居る。
将軍などの軍人と比べて、冒険者はその人材に結構幅があるのが最大の違いかもしれない。
ゆっくりとゆっくりと時が流れた。
いつ以来だろうか。
こんなに静かに時間が流れていくのは。
ミーアの事も、今だけは少し忘れられた。
俺たちは、これまでの空白を埋めるように、本当にゆっくりと、そしてたくさんの事を語り合った。
そうして時間が過ぎていき、いつの間にか夜になっていた。
屋敷の中は明かりが灯り、昼間とさして変わらない明るさに満たされている。
「凄いのね。これ」
アニーが不意に、部屋の明かりに付いて話した。
「ああ、恥ずかしながら今も俺には原理が判らない。でもオオムカデンダルたちの使う科学って言うのは、原理の違う魔法みたいなんだ」
アニーは静かに頷く。
「蜻蛉洲博士もそのように言っていたわ。私、魔法を学ぼうと勉強中だったけど、科学を学ぶのも面白いかもしれないわね」
アニーがそう言って笑った。
アニーはもともとレンジャーだ。
魔法はそんなに得意では無い。
全く使えないと言う訳では無かったが、ホンの一部だ。
しかし、その内に上を目指すのならば、魔法は必須になってくる。
ソルジャー昇格に必要になってくるからだ。
あらゆる地形や環境において、その地の利を最大限に生かす。
それがレンジャーだ。
敵の痕跡を発見し、追跡する。
罠を仕掛け、戦略的に作戦を立てる。
そのレンジャーの上位職がソルジャーである。
ソルジャーは今までのやり方に、魔法がプラスされていく。
オレコの職業はこれである。
そうして更に上を目指す時、ほとんどの人間が到達できないのが『ストラテジスト』だ。
ここはもう伝説級であり、英雄階級だ。
一般にドラゴンクラスと呼ばれるクラスである。
例えば勇者は『英雄』と呼ばれ、全ての魔法職は『セイジ』と呼ばれる。
それは、ここまで来れば途中の魔法職の違いはほぼ無くなるからだ。
賢者サルバスはこのクラスである。
隠者、天啓者などと肩書きは違っても、全部まとめてセイジなのだ。
ただし、聖職者だけは同じ魔法職でも『ポープ』と呼ばれ区別されるが、それはまた別の機会に話そう。
とにかくアニーは、それまで進めてきた魔法の勉強を辞め、科学に切り替えたいと言っているのだ。
これは俺には何とも助言しにくい。
そもそも俺は、魔法も科学もどっちもチンプンカンプンだからだ。
魔法と言えば、せいぜいスネアだけである。
ほぼ使い道は無い。
「あら、貴方には剣があるじゃない」
まあ、それはそうなんだが。
だが、今では剣すらまともに振っていない。
この体になったからだ。
別に体のせいにしようと言うのでも無いが、剣を振るよりも体の扱いの方が優先事項だったのだ。
もともと戦いのセンスは有る方だと思う。
剣士になった時も、そのセンスをずいぶん褒められたものだ。
ミラーナイトまでの最年少、最短記録ももらった。
剣を振るのは楽しい。
向いていたのだろう。
しかし、それでも上には上が居る。
人間であってもとんでもない強さを誇る者たちが、世界には居るのだ。
将軍たちはその代表例と言って良い。
モンスターに単身挑んでも、それを撃破する強さを持っている。
冒険者の中にも、ブラックナイト級の中には、これに近い実力者が結構居る。
将軍などの軍人と比べて、冒険者はその人材に結構幅があるのが最大の違いかもしれない。
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