上 下
4 / 4

明日が怖い

しおりを挟む

 あれから私は何不自由なく育てられた。
 私の今の名前は「ユリィ・パペッツィア」。
 前世と同じ紫から黒のグラデの髪に眼は違うけど黄金と血紅色。
 あと、下半身の違和感の正体は……、ソーセージが付いてました。アワビが消えても一応女です。胸があるんで。(リリィも成長してからビックリしてたよ!!)
 なんかカルティアナちゃんが『ユリィさんには特別もう一つプレゼントさせて頂きました!……あ、呼んでもらえれば全然会話(御告げ)しますので!では…!』って語り掛けて来たんですよ。………まじで有り難う女神様!!!!
 てかこれから会話出来るって便利すぎでは??
 あと、女の人の正体は「パペッツィア・リリィ」。後から分かったけど、私を拾った彼女はどうやら巷で噂の黒魔術師。占いや呪術、魔法。占いに来た者に合った職業を占うこともしているらしい。

 凄く当たってこの街の若者は今の職業に困っていないんだとか。それに昔は王様直属の凄腕パーティーに加わっていたんだとか。

「ユリィ、稽古の時間だぞ」
「はい、師匠」

 外に出て剣を持つ。私は毎日稽古としてに師匠勝つチャンスを貰える。

「はッ!!」

 地面を蹴った瞬間の砂煙に紛れ身を晦ます。

風の扇ウィンドウォール。」

 風が砂煙を払い除けられる。でも良い、私はもう師匠の間合いに入ってる。次々と飛んでくる火炎を火炎属性を付与した剣で素早く剪る。だが師匠の魔法は幾ら私が剣の付与を強化しても敵わない。剣はもう刃溢れが凄かった。

「ッ、」

 剣を放り投げ魔法に切り替える。師匠までもう少し、…いける!今日こそ!!

漆黒の深淵ダークネスアビス!!!」

 禍々しい深淵が師匠を足元から包み、凄まじい音と炎を上げ爆発する。今日こそ師匠に一撃を入れたんじゃ、と言う期待に胸が高鳴っていたのは束の間。

 そこには、

 砂煙が払い除けられ、シールドを張り凛々しく立つ師匠が居た。師匠の周りの地面が抉れているのに…師匠は無傷…

「今日も私の勝ちだな!」
「な、んで……なんで今日も勝てないの!!?師匠の間合いはしっかり、」
「まぁ、Lv.の問題だな。ユリィは恐らく同年齢の子供達より遥かに強い。うん。」
「はぁ…………」
「まぁ、学園卒業前に私に勝てば良いさ。」
「わー、ありがとうございます~(棒)」

 すっごいザックリしてるよこの人。
 そうそう、明日はこの街にある学園、アルホゥート学園の入学式。

 …え?名前がお菓子クサい?……あーあ、あれ美味しいですよね。私一番好きだったし。でもこの異世界じゃアノお菓子はないから普通に国の名前になっちゃうんですよ。って事で明日からは遂に学園生活!!

「はぁあ……」

 一番来てほしくない日。
 私は日本に居た時は陽キャで過ごしていたけどこの世界じゃ素居ようと決めた。そして私の素はバリバリ現役陰キャ。
 一人の店員さんにも話仕掛けられない。
 ……終わった。

 お疲れ、明日の私。頑張れ、明日の私。


「良かったなぁユリィにも友達が出来るぞ!ww」


この人だけは絶対赦さない。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...