召喚聖女は耐えられない〜おしっこが魔力ってマジで言ってんの〜

紫藤百零

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薬の威力②

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 実際の何十、何百倍にも感じられた時間がようやく終わりを告げ、馬車が停まり、扉が開けられた。

「離宮に到着しましたわ。すぐに魔力を捨てられる部屋へ行きましょうね」

 大荒れの内心など知らないアネッサさんが、ペースを乱さず先導する。
 先に降りた彼女から手を差し伸べられるけれど、そう簡単に動けやしない。

 ガタガタ震える足を叱咤して、やっとの思いで立ち上がる。
 といってもへっぴり越しのままで、この国の人以外なら誰が見てもおしっこを我慢している人。

 衝撃を与えないよう暴れる奔流を宥めながら、慎重に慎重に歩みを進めて、アネッサさんの手を取り、馬車から足を踏み出した。

 なんとか地上へと降りて最初の難関を越えたそのとき、冷たい外気がさらりと生足を撫でた。

 ――それが、とどめだった。

「え……? あ、うそ、やだ、え、なんで、やだ、ちがっ、ああ……」

 一瞬じわりとお股が生暖かい感覚に包まれた。
 何が起こっているか理解できない。
 否、することを頭が拒否している。

 寒さで括約筋が力尽きてしまった。あるいは、ついに膀胱の限界を突破したのかも。
 舗装されていない土の地面に、クロッチすら貫通したおしっこが勢いを増して叩きつけられる。

 やってしまった。おもらし。高校生なのに。

 どうにか止めようと力を込めるけれども、ときどき水流が弱まるだけで一向に止まる気配がない。

 頭の中は恥ずかしさとやっと解放された気持ちよさでぐるぐるしている。

 ――ああ、もう、いいかな。

 全部出しちゃおう。ここまできたら一緒だ。

 ぐっとお腹に力を入れる。弱まり始めていた水流に勢いがついた。水面に水を叩きつける音が響く。

「はぁ~~」

 足元には大きな水たまり。たぶんさっきより多いんじゃないか。

 余韻に浸ってるうちにじわじわ理性が戻ってきて、恐る恐る顔を上げると、アネッサさんはもちろんのこと、他の貴族みたいな格好の人たちから視線が突き刺さっている。

 アネッサさん以外にも人がいる!! 考えてみれば当たり前だ。

 サァーと血の気が引いていく。

 私、取引達成できないかもしれない。
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