前線事変

雛丸先生

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入獄

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「もうすぐか、、、」
鳥羽倫太郎は高校の合否を聞いた2ヶ月前から気が気でなかった。
「はぁ、、、全くなんでお前は無職隊になんて入りたがるのか、、、お前の気が知れんわ。」
「無職じゃねぇ仕事内容が機密なんだよ」
「はっそんなのただの言い訳だろ」
入学式に向かう途中、そう父と言い合いをしていた。
ずっと憧れていた隊にやっと入れるんだ。7歳のあの頃から憧れていた隊に。
「寮の金高ぇんだからしっかりしてこいよ。」
「あーもううっせえな分かってるよ。」
遠目に国旗が張り巡らされた大きな建物が見える。
「おら。着いたぞ」
平和近衛隊。2013年より発足した国を守るための軍隊。任務の内容や被害状況は全て絶対機密であり、隊から国民に出る情報は死者の名前だけである。
訓練校は1年間しかない。理由は分からないが、隊員を選別するためだけに訓練校が用意されているためだと言われている。
父の知人から借りて乗ってきた車から降りる。
「倫太郎」
「ん?」
「本当に、、、、、、気をつけろよ。」
涙目だった。初めて父の泣きそうなところを見た。確かに愛されていたのは分かっている。自分がよく思ってない隊の訓練校に高い金を払って行かせてくれるのだから。賢いとは言えないけれど良い父だったと思う。
父の乗る車を見送って、入学式場に向かう。
母親と入学式の看板で写真を撮る人達。親と別れ話をする人たち。父に勇気を貰う人達。
まさに入学式という感じだ。途中で同じ中学の同級生と合流する。悠真と龍之介だ。
「「よっす」」
「よっ」
いつもの軽い挨拶をする。さっきまでの緊張も少しほぐれた。
「緊張するわー」
「そうか?」
緊張気味な龍之介に対し堂々としている悠真。
こいつらとは小学校からの友達だ。小学校の頃も気が強い悠真が気弱な龍之介を庇っていた。あの頃から何も変わってない。
「じゃ、行くか」
「おぉ」
緊張したような声で龍之介が返す。
3人で式場に向かう。


3人肩を並べて歩くのはこれが最後だった。




受付と本人確認を済ませいざ式場に入ってみると思っていたより普通の入学式という感じだ。
紅白の布が壁にかかり、大量のパイプ椅子が置かれていた。自分の指定された椅子に座り、式の始まりを待つ。途中、龍之介が俺に手を振ってたりしたが、人が増えるなりしなくなった。
ザワザワし始めた。しかし、大きな音を立てて式場の後ろの扉が開くと途端に静かになった。そこには黒いスーツにサングラスといういかにもヤクザのような面持ちの男がいた。
大勢がそちらを向くと何も気にしないかのように堂々と式場の前方の台にむかった。そして、
「それでは、二次試験を開始する。」
と言い放った。二次試験なんて聞いてないなどと文句の声が出始める。
その瞬間どこかから視線を感じた。

前だ、、、!
咄嗟に頭を左に曲げる。

パァン!

なにかの音が式場に響く。なにかが右目の真横を擦る。
なにが、、、起きたんだ?

「生き残った皆さんは」

「合格です」

仕事内容を明かされない理由を2人はまだ知らない。
これから待ち受ける地獄の日々を2人はまだ知らない。
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