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0章 戦争代理人 魔神と出会う
神との出会い2
しおりを挟む生き返らせてくれる? その為に呼んだ? あぁあれか、輪廻転生か。目の前にいる人神さまだもんな。
今度も人間に生まれ変わらせてくれるかなー? なんて龍弥は考えていた。
「生き返らせるって言ってもまずは色々説明が必要ですよね。とりあえず自己紹介させてもらいますね。」
雰囲気が変わった。可愛いらしい美少女から神々しい美少女に変わった気がした。
「私の名前はリリー。ラビリスという世界で魔神と呼ばれています。あなたをここに呼んだのはあなたの剣技と魔力量が異常に高く私の代理はあなたしかいないと確信したからです。」
「ラビリスと呼ばれる世界は地球とは違う世界ってこと? 剣技はまぁ分かるけど魔力量が高いって俺魔法も使えないし、代理って何のこと??」
「ラビリスはですね、異世界っていうかまぁ地球とは違う世界という認識で間違いないですね。よくある剣と魔法のファンタジーの世界です。で、次に魔力量に関してなんですが、地球にも魔力は存在していますよ。例えばですね、お経ってあるじゃないですか、あれは一応私の世界では魔法を使う時の呪文に当たるんです。お経によって安全に死者を埋葬したり、天へ昇る道中の安全祈願したりするんです。あはたは魔法と言うよりその魔力量の多さから身体強化に魔力を使っていたみたいですね。」
なるほど、言われてみると一応納得はできる。
俺は集中するとかなり身体が軽くなったり、剣の威力が増していたがあれは魔力を制御していたからなのか。
「そして、ここからが私の本題となりますね。少し長くなるので質問があったらその都度お答えしますね。」
「分かりました。では説明お願いします。」
「なぜ急に敬語なんでしょうか?」
「いや、一応あなたが神だって納得できましたし、目上の人には敬語でってのは日本人として当たり前のことなので。」
「私としてはやっとできた友人みたいな感覚なので、できれば普段通りの方が良かったのですが……」
目の前の美少女にか細い声でそう呟かれてしまっては、その願いを聞き入れることに何の躊躇いもなくなってしまう。
「あぁ、ごめんな。これからは俺の喋りやすい形でやらせてもらうよ。リリー」
そう言うと彼女はまるで太陽のような笑顔になった。
(これで惚れない男とかいないだろ……)
目の前の美少女はこの瞬間本当の意味で龍弥の初恋の相手となった。
「では説明させてもらいますね――」
ラビリスと呼ばれる世界には7人の神が存在している。神を人と同じように数えるのはリリーがそう数えて欲しいと願ったからだ。
7人の神はそれぞれ 剣神・魔神・獣神・賢神・王神・龍神・破神 と呼ばれている。
その7人は世界を統一のものとし、自分を最上位の神とするために争いあっていた。
しかし、時が経つにつれ、永遠に生きている神達は最上位の神になるという夢を持つことに意味を見出せなくなっていった。
7人の神がそれぞれの大陸を収めて、やっとのことで管理しているのに、争いによって自分が最高神になったところで、管理が行き届かなくなるという理由からだ。
しかし、争いを続けてきた神たちが今さらやめることに躊躇いがあった。
そのため神々は自分の代理の人物を作り、そいつらに争わせようと考えた。ゲーム感覚のようなものだ。
そして、代理人同士で争い、勝った者を作りあげた神が最高神になり、次の代理人を作るまでは最高神を務め続けるシステムを作った。
しかし、人間に急に神の代わりとして戦えというのは無理な話だったので、自分の力の一部、もしくは加護を与え、才能あるものを転生させようという話になった。
ここで問題になるのは【武】による争いでは勝負にならない神も存在していたことだ。
【武】による争いだけでは公平なものにならないと考えた神々はあるシステムを作り出すことにした。それが【貢献ポイントシステム】である。
このシステムは世界にある程度影響を与えた場合に貢献ポイントを付与するというものだ。
この貢献ポイントの累計ポイントで勝負を決めることにしたのだ。
貢献ポイントが貯まる行動は例えば
・魔物を倒す
・冒険者ランクをあげる
・英雄と自分のことを呼ぶ人の数を増やす
・貴族になる
など多数に存在する。例にあるようにラビリスには魔物が存在して、それを討伐する専門家の冒険者も存在する。
そしてこの貢献ポイントシステムは他にもある機能が存在する。
俺たち転生者は~神の使者という扱いになる。そのためにはある程度の実力がないといけない。そこでこの貢献ポイントが使われる。
貢献ポイントシステムはその累計が分かればいいので累計ポイントは記録し、自分が貯めたポイントは使うことができるのだ。
集めたポイントの総額から使った分が減るわけではなく、使用ポイントと残高ポイントが記録され、その差し引きから累計ポイントを出す。
ここで重要なのはそのポイントで何と交換できるのかということだ。
軽くそのアイテムパンフレットを見たところ色々ととんでもないアイテムやスキルが掲載されていた。
交換に使用するポイントが高ければ高いほどチートアイテムやチートスキルが手に入る。ポイントを集めれば勝利に近づくし、そのための闘いを有利に進めるのに必要なものが交換できるとても素晴らしいシステムだと思う。
またここで問題になるのは使者が死んだ場合だ。他の使者に使者が殺された場合、死んだ使者が保有していた累計ポイントは殺した者のポイントになってしまう。
そして、使者が自分1人になった時点でこの戦争は終了するのだ。
任期は基本的に30年としてるのが、これを待たずに終了することもあるということだ。
好戦的なやつが使者になればその可能性も十分に考えられるとリリーは言った。
俺もそうだと思う。何故ならこの戦争で勝利した使者には願いを1つ叶えてもらえるという破格の希望を与えられるからだ。
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