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3章

第27話 主張

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連絡都市ラプラータ
王国高速鉄道/島間連絡線上空
第二騎士団小型航空機/機内

アルベルト「作戦は以上だ」
通信機越しのアルベルト。
メリル「了解!」
クラーク「了解です・・・・・・」

線路に近付く航空機。
メリル「あれですっ!」「見えました!」
目視で特急列車を確認したメリル。
操縦士A「回り込んで並走します」
列車の正面方向上空から旋回に入る航空機。

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王国高速鉄道/島間連絡線
特急列車/車内

車窓から航空機が見える。

乗客A(初老の男性)「あれは?!」
乗客B(中年の男性)「・・・・・・騎士団の航空機!」
乗客C(若い男性)「助けに来てくれたのか?!」
乗客D(幼い女児)「ママ、怖いよぅー」
乗客E(若い母親)「大丈夫よ~、騎士団の人が必ず助けてくれるわ」

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第二騎士団小型航空機/機内

操縦士A「今から並走体勢に入ります」「トンネル等の障害物のため、列車と当機が並走できるのは10秒程です」
クラーク「分かった!」
メリル「十分です!」
一気に高度を下げる航空機。

操縦士B「相対速度計測開始・・・・・・現在123km/h」
操縦士A「低空飛行モードに切り替え」「Zエンジン点火」
浮力を補助する推進機が火を噴く。

車両左側を先行する航空機が徐々に列車に近付く。
操縦士B「魔導反重力装置まどうはんじゅうりょくそうち、出力安定」
「相対速度39km/h・・・・・・」

クラーク「あいつか?!」「挑発的な・・・・・・」
列車後方車両の屋上に人影を見つけるクラーク。

メリル「・・・・・・そうみたいですね」
剣に手をかけるメリル。それを見て目を閉じるクラーク。

クラーク『あー、剣を抜くメリルを見たくない・・・・・・』
操縦士B「相対速度3km/h」「2」「1」

操縦士A「今です!!」
勢いよく抜刀するメリル。
メリル「おらぁ、いくぞ!クラーク!!!もたもたしてんじゃねぇよ!!!!」
列車に飛び移るメリル。
クラーク『性格変わるから・・・・・・』
黙って飛び移るクラーク。

操縦士B「ご武運を!!」
列車から離れるはじめる航空機。ハッチが閉まる。
クラーク「ああ!ありがとう!!」
航空機を見送るクラーク。

クラーク『でも・・・・・・』
再びメリルに視線を戻す。
クラーク『そこがまた、いいっ!!』
彼はメリルのファンだった。

風で髪が激しくなびく。
線形の良い区間を列車が走行しているため揺れは少ない。
クラーク『立っているのは難しくない。今のところは・・・・・・』

メリル「おい、お前だな・・・・・・フラゴール!!」
剣先を後方車両、屋上の人物に向けるメリル。
黒色の布を纏い。黄色く光る片目。一本の剣のような足でわずかに空中に浮いている。
クラーク『普通じゃないなこいつ・・・・・・』

フラゴール「フフフ、キャットナイトか・・・・・・」「いかにも、私が実行犯カラミティのフラゴールだ・・・・・・」
クラーク「先日の爆破事件の犯人もお前だな!」
フラゴール「フフフ、そうだ」「・・・・・・あちこちいずり回るお前たちを見ているのは楽しかったぞ」
クラーク「きさまぁ~、よくもかき乱してくれたな!」
抜刀し、吠える。
クラーク「貴様を排除する!!」

「シュン!」
先にメリルが動く。
「キィイイイーーーーン!」
メリルの’瞬足の剣’を小刀こがたなで受け止めるフラゴール。
メリル「ッーー!!」

フラゴール「フンっ!」
メリルを弾くフラゴール。
「ズザアアアァァーーーーー!!」
列車後方側にスライドして止まるメリル。
手首に切り傷。血が流れる。
メリル「チッ!」

フラゴールをはさんで両側に立つクラークとメリル。
互いに気迫で牽制する。

クラークの剣が発光する。
「バチッ!」
攻撃に出る。
「カッ、カ、カッキ、カン、カッ、キイィィイィーーン!!!」
まばゆい閃光を放ち、激しく切り合うクラークとフラゴール。
鍔迫り合いになり押し合う。
クラーク「く・・・・・・」『やるな・・・・・・こいつ!』

フラゴール「ハッ!!」
強烈な衝撃波を放つフラゴール。
クラーク「うっ!?」
吹き飛ばされるクラーク。
何とか空中後転し着地する。

列車がトンネルに入り暗くなる。
ガタコトと列車の走行音が響く。
フラゴール「フフフフ・・・・・・」

クラーク「貴様のせいでどれだけ俺が徹夜てつやしたと思っているんだっ!!!!」
フラゴール「何を言い出すかと思えば、徹夜自慢か」
喋りながら長めの剣を腕から出すフラゴール。

フラゴール「お前が何故、徹夜しなければならなかったか、教えてやろう・・・・・・」
攻撃の構えをとるフラゴール。

フラゴール「それはお前が・・・・・・」
クラーク「てめぇが、事件を起こしたからだろっ!!」

フラゴール「お前が無能だからだあぁーーー!!!!!」
クラークに襲いかかるフラゴール。

フラゴール「お前が効率よく仕事をしないから徹夜するはめになっているのだ!」
「キンッー!」剣戟音けんげきおん
クラーク「うるさい!」
「キッー!!」剣戟音
フラゴール「そもそも徹夜したところで効率は上がらない!!」
「カキンッー!!」剣戟音
クラーク「余計な仕事を作ったのはお前だ!10:0で貴様が悪い!!」
「ッー!」剣戟音
フラゴール「やってるフリの極みだな!!」
「キンッー!!」剣戟音
クラーク「黙れ犯罪者!!」
「カンッー!」剣戟音
フラゴール「それに比べて私は有能!」
「キンッー!!」剣戟音
クラーク「違う!」「絶対認めん!!!」
「ンッー!」剣戟音
フラゴール「自由出社、自由退社で成果を出すこの私を見習え!!!!」
「カキンッー!!!」剣戟音
クラーク「なにが成果だ!爆弾魔ばくだんま!!!」
「キンッー!」剣戟音
メリル「私を無視すんにゃッ!!」
「カキンッー!!」剣戟音
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