THEY

RIVER Oikawa

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第四話

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二人は近づき、空や景色を眺めている。彼女は主人公の手を握ろうとした時

「君達……こんなところで何してるんだ?」

一気に振り向くと助手の姿がそこにはあった。

「助手!」

「あぁ聞こえたよ、ここにいるって」

「良かったぁ、実はね、彼が考えのよ」

「彼が!?今、彼は何をしている?」

「地上の世界の景色に魅了されてるのよ」

「渋いことやってるね、地上は初めてなのか?」

「……そうみたいね」

助手は顔を変えて真剣に話し出す。

「それより大変だ!特殊部隊が潜入したらしい。戦闘は何としても避けなければいけない。」

「でも私達には撃っては来ないでしょ」

「わからないが、発泡してくるのは警備員だけだと思うよ」

「私達はどうなるなるの?」

「まぁひとまず、地上へ行って保護されよう。」

「皆は?何処へ」

「皆は秘密ルートを使って逃げているよ」

「場所はわかってるんだろ、何故それを警察の人に教えない?」

「伝えようと思っても機器が壊れてしまったんだよ」

「何か手はないの?」

「出来ること?どうしようもないよ」

「だったら彼女の能力使えばいいんじゃない?伝えれば良いじゃないか」

「そんな能力使ったら……でも何とかするしかないのか……彼女頼む」

「分かったわ、場所と何処へ向かっているか教えて」

「オーケー、ここから脱出して農村へ逃げるための非常用のトンネルがある、そのトンネルを使って逃げているはずだ」

「やけに短いトンネルだ。これはすぐ逃げ切れられるぞ」

「頑張れ、頼んだぞ」 

「ありがとう、やってみるわね……」

彼女は目を瞑り、集中する。現場にいる人のなかなるべく司令塔を探る。すると二人組の偉そうな人が無線機片手に話しているところを確認した。 

「だから!玄関から中へ入って特殊警備隊の手助けに行け!」

「け、警部!女の子から何か繋がっておりますぞ」

「女の子?ふざけるな!今忙しいと言うのに…」

「非常事態ということで通報者代理と言って…」

「通報者!潜入捜査官のアイツ!受話器を貸せ」

彼女は受話器から話をしようとした。

「もしもし?君が代理?かな」

「そうですよ、私が代理です」

「大人の人と変われるかな?」

「それは無理です。私は貴方方へ能力を使って会話していますから」

「能力?研究された被験者なのか?君は!?」

「まぁそうですけど……それよりも博士含める皆が脱出を始めました」

「何!?施設からもういないのか」

「はい、もう居ない感じです。それなので地図送ります……」

「地図!?電話しか出来ないくせに……」

警部の頭の中に地図が生成され、それを使って説明される。

「何だこれは?頭の中に地図が……とにかく説明してくれ」

「施設のここからここの田舎にトンネルを奴らは作っており、トンネルを抜けた先は目の前にターミナルになっていて逃走するバスがあるはずです。」

「わかった。これは潜入捜査官から聞いたのだよな?」

「当然です。それからそこにいる職員は十二名、生徒二十何名です。」

「博士もそこに居るんだな?」

「はい、今逃げています。早く派遣を……!」

「ありがとう。ところで君達は何処に居る?」

「まだ地下施設の中です。今から地上へ脱出しようと思うのですが……」

「分かった。まだ施設の中に警備員は居るのか?」

「私も察知しましたが数名居るそうです。」

「数名ね……ありがとう。今、保護しに行くからもう少し待っててくれ」

「ええ、こちらこそ。」

「救出したら君を正常な人間へ変えてあげよう。」

「本当!?ありがとうございます!」

「潜入捜査官に伝えてくれ、お務めご苦労だと」

「はい、では失礼します……」

受話器からプツリと消え、電話のように終わりの音が無かった。

「どうでした?状況は?」

キリッと顔を変え、立ち上がる。

「全体に聞こえるようにしろ。博士率いる生徒共は現在逃走した。隣の村のバスターミナルに向かっているそうだ。付近に居る警察官は直ちに現場へ急行し、身柄を確保、逃走車を包囲、なんとしても生徒を守れ!施設に潜入しているお前らは逃げたトンネルを探せ。挟み撃ちだ!」

このスピーカーから流れる声は現場に居る警察官全員に火を着けた。押し返されていた玄関は突然で中へ強豪突破、地下施設へ向かう人々でいっぱいだった。 一方で、特殊部隊は中へ潜入したのはいいものの、潜入捜査官含める彼女らの保護を命じられ、彼女達を探す。

「広場に出るよ、ここより安全だと思う」

「助手さん大丈夫ですか」

「なんとかね、まず保護されることだ」

助手は腰から拳銃を取り出し、コッキングしながら廊下を駆ける。

「ちょっと待ってくれ!君達~!」

「どうしたの?助手、遅いよ」

「君達足速くないか?」

「いや別に……普通だけど……」

「確実に君達は変化してきていると言って良いだろう。君達変化してるよ。」

「嘘……だろ……」

「彼女、頭触ってみて、耳が出てるよ」

「え?嘘でしょ……」

「本当だぞ、確かめてみろ」

恐る恐る自分の頭を触ると動物のようなふさふさとした耳が成形しているのだ。人間の耳とは別に音以外にも反応している。主人公は全身の運動力向上、筋力など力が増してきている。

「君ら、どんどん獣化してきているよ……」

「……どうすればいいの助手」

「わからないけど……何とかなるよ」

「何とかって……
 保護された後また研究されるとかか?」

「そんなことは……。させないよ、身体の中から解毒しなければいけないよ」

「頼んだよ、これから……」

「勿論さ、君もそれで良いだろ」

「私は……主人公と一緒なら良いよ」

「君、まさか……」

「俺もお前が居ないと分からねぇことばっかだから宜しく頼みたい」 

彼女は顔が赤くなったが主人公は気にしなかった

「……分かったよ。なるべく近付かせるようにはするが、ほどほどにな」

「いいの?別にいいけど……」

「頼りになる存在が居て良かったぜ」

「……!!」

「休憩も済んだし先に行こう!」

「……そうね、先に急ぎましょ」

三人が向かう先の広場には警備員五人と博士が居た。三人は立ち止まり博士と目があってしまった。警備員は全身フルフェイスで頑丈な服を着ていた。

「おや……これはこれは助手君ではないか。こんな所で何をしている?」

「博士こそ何しているんですか、逃げたと思っていましたよ」

「そうかい……それにしても隣に優秀な彼女らを引き連れているということはどうゆうことだ?」
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