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第四話
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「お前らの研究を止めるためだ。卑劣なことしかしてこなかった野郎に」
「君か?通報して場所を知らせたのは…… 君だったんだな!」
「この施設の子達を守るため、この子達の未来を守るためだ」
「そんな綺麗事をいっても意味はない。この施設に入った子は皆記憶を消した。そんなこと分かっていたろう?」
「だとしてもこんなことはしてはいけないんだ」
「それで立ち向かって来るのか……」
助手は拳銃を博士へと向ける。その瞬間、警備員達全員が助手へ銃口を向けた。
「こんなことをやっても意味がないと言うのに」
特殊部隊は声を聞き、広場へとやって来た。
「全員!手を上げ、銃を捨てろ!」
「おやおや特殊部隊の人達ではありませんか… 遅かったみたいですねぇ」
「遅かった?ふざけるな」
「やれやれ、なんて無能な奴等なんだ。所詮は国の犬、警備員、やれ」
博士の掛け声と共に地面に置いた銃を拾い、撃とうとしてくる。
「来るぞ!撃て!」
その瞬間、一瞬にして彼女は上へ手を広げて振り払った。
「うわぁぁぁ!」
次々と警備員が倒れ込む、彼女はフラフラしながらも手を押さえていた。
「何が起こったって言うんだ!何故やられているんだ」
彼女は物凄い速さで空中を裂き、波動となってそれが警備員の致命傷となったようだ。
「今のは一体!?」
「何事だ!さてはそこの女子か!!」
「何だ、急に……」
「私は大丈夫……」
彼女の目は真っ赤な獣の目をしていて、腕と手からは流血している。
「君なのか……!これをやったのは……?」
「ハァハァ、そうよ。出来るとは思わなかったけどね……」
「大丈夫か!腕から血が出てるよ」
主人公はポケットから大きめのハンカチを取り出して出血部分を押さえつける。
「あぁぁ……!そんなことをするではない……血を触ってならん!」
「彼女が怪我しているんだぞ!見捨てる気か」
「もう大丈夫よ……それよりも……」
「何が大丈夫だよ、大変な事だろうが……!」
ふと彼女の顔を見ると、目が獣の目をしていた。すぐに目をそらしたが手元を見ることでしか出来なかった。
「……ごめんなさい」
「大丈夫だ……多分だけど……」
「ところで博士!大人しくして投降しろ!」
「裏切られて大人しく捕まる奴がどこにいるか」
「お前!何する気だ!」
「私は……違う、私はこのために生きてきた訳ではない!」
「まさか!」
博士は警備員の銃を頭に当てて引き金を引こうとする。
「やめろ!そんなことをしても何も無い」
「そんなことやめて今すぐやめるんだ!」
「助手さん、拳銃貸して!」
「君に?何をする!」
「肩だね、狙うのは!」
「馬鹿言え、無茶だ」
博士は引き金を引こうとする。警備員は必死に飛び込んで止めようとするが主人公には全ての行き先、弾道、行動が見えた。
「……!!」
「私が死ねば何も無……さらばだ…!!」
助手の胸ポケットの拳銃辺りの物を取り出し、一瞬で狙いを定めて一撃を放った。
「……!?」
先に引き金を引いたのは主人公だ。丁度左肩に命中し、薬莢は空中に飛ぶ。博士は痛みに耐えずに銃を落とし、発砲は押さえられた。
「クソ……!今度はお前か!その能力を使えるようにした私に向かって!」
「……!!……か、確保!」
博士の動きが怯んだ瞬間に特殊部隊は一斉に身柄を拘束して手錠を掛けた。
「何故、咄嗟にこんなことが出来た?」
「……分かりません」
「……君らは一体何者なんだ?人間の姿をした超人ではないか……」
「貴方、私の手当てをした手で撃ったの!?」
「何が悪い?こんなことしたくは無かったが」
「あとは、他の奴らの人達を収容すれば終わるのか?」
「この一件は終わるけどまだ終わっていないわ
私達にはまだ残っている……」
「君か?通報して場所を知らせたのは…… 君だったんだな!」
「この施設の子達を守るため、この子達の未来を守るためだ」
「そんな綺麗事をいっても意味はない。この施設に入った子は皆記憶を消した。そんなこと分かっていたろう?」
「だとしてもこんなことはしてはいけないんだ」
「それで立ち向かって来るのか……」
助手は拳銃を博士へと向ける。その瞬間、警備員達全員が助手へ銃口を向けた。
「こんなことをやっても意味がないと言うのに」
特殊部隊は声を聞き、広場へとやって来た。
「全員!手を上げ、銃を捨てろ!」
「おやおや特殊部隊の人達ではありませんか… 遅かったみたいですねぇ」
「遅かった?ふざけるな」
「やれやれ、なんて無能な奴等なんだ。所詮は国の犬、警備員、やれ」
博士の掛け声と共に地面に置いた銃を拾い、撃とうとしてくる。
「来るぞ!撃て!」
その瞬間、一瞬にして彼女は上へ手を広げて振り払った。
「うわぁぁぁ!」
次々と警備員が倒れ込む、彼女はフラフラしながらも手を押さえていた。
「何が起こったって言うんだ!何故やられているんだ」
彼女は物凄い速さで空中を裂き、波動となってそれが警備員の致命傷となったようだ。
「今のは一体!?」
「何事だ!さてはそこの女子か!!」
「何だ、急に……」
「私は大丈夫……」
彼女の目は真っ赤な獣の目をしていて、腕と手からは流血している。
「君なのか……!これをやったのは……?」
「ハァハァ、そうよ。出来るとは思わなかったけどね……」
「大丈夫か!腕から血が出てるよ」
主人公はポケットから大きめのハンカチを取り出して出血部分を押さえつける。
「あぁぁ……!そんなことをするではない……血を触ってならん!」
「彼女が怪我しているんだぞ!見捨てる気か」
「もう大丈夫よ……それよりも……」
「何が大丈夫だよ、大変な事だろうが……!」
ふと彼女の顔を見ると、目が獣の目をしていた。すぐに目をそらしたが手元を見ることでしか出来なかった。
「……ごめんなさい」
「大丈夫だ……多分だけど……」
「ところで博士!大人しくして投降しろ!」
「裏切られて大人しく捕まる奴がどこにいるか」
「お前!何する気だ!」
「私は……違う、私はこのために生きてきた訳ではない!」
「まさか!」
博士は警備員の銃を頭に当てて引き金を引こうとする。
「やめろ!そんなことをしても何も無い」
「そんなことやめて今すぐやめるんだ!」
「助手さん、拳銃貸して!」
「君に?何をする!」
「肩だね、狙うのは!」
「馬鹿言え、無茶だ」
博士は引き金を引こうとする。警備員は必死に飛び込んで止めようとするが主人公には全ての行き先、弾道、行動が見えた。
「……!!」
「私が死ねば何も無……さらばだ…!!」
助手の胸ポケットの拳銃辺りの物を取り出し、一瞬で狙いを定めて一撃を放った。
「……!?」
先に引き金を引いたのは主人公だ。丁度左肩に命中し、薬莢は空中に飛ぶ。博士は痛みに耐えずに銃を落とし、発砲は押さえられた。
「クソ……!今度はお前か!その能力を使えるようにした私に向かって!」
「……!!……か、確保!」
博士の動きが怯んだ瞬間に特殊部隊は一斉に身柄を拘束して手錠を掛けた。
「何故、咄嗟にこんなことが出来た?」
「……分かりません」
「……君らは一体何者なんだ?人間の姿をした超人ではないか……」
「貴方、私の手当てをした手で撃ったの!?」
「何が悪い?こんなことしたくは無かったが」
「あとは、他の奴らの人達を収容すれば終わるのか?」
「この一件は終わるけどまだ終わっていないわ
私達にはまだ残っている……」
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