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第八章・狙われた学園
魔文字バスター
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MOMOEとフクロウのペンはパトカーが二台高台の豪邸に走って来て、集まった人々を警察官が解散させ、玄関の前で湊香奈江(江国)と話すのを見て空を飛び立った。
「何の騒ぎですか?」
「SNSの悪戯で集まったみたいで、私たちも迷惑しているんです」
適当な説明であるが、学園長の名声を信じて警察は室内を調べる事なく人々が帰り出すとパトカーに乗って走り去り、湊香奈江(江国)は付近を見回して近所の人が通報したのと険悪な表情でドアを閉めた。
『洗脳されない者もいる。特に十代は難しいわ』
司祭と信者の去ったリビングに戻ると、椅子に拘束した学園長を睨み、老夫婦に手伝わせて田代を豪華なソファに寝かせ、濡れタオルで頭を冷やし、意識が戻ると水を飲ませて労った。
「何が……あった?」
「大丈夫、次は上手くいくわ」
田代は灰色の手に魔文字が刻まれているのを見て、絶大な力を持つ者が自分に触れたと不安になるが、王に成れるのかと興味も湧く。
「辞めなさい。魂を食われるのよ……」
江国のマスクをした湊香奈江が囁き、マスクをずらした本物の江国に頬を叩かれて唇を切って血を流す。それを祖父母が田代の横で呆然と眺め、微かに表情を変えたが……目は虚ろで視界はモノクロームのままだ。
『Bi-hún』に集まった連たちは手引書の回収について相談し、ネット対策については松田がエディバーのシステム部でウイルスソフトを開発していると説明した。
「ゴーストの協力で、ヘブライ語のバグは防御できそうです。完成したら、他のコミュニケーションサイトにも無料て配布します」
「これでネットは安全だ」
「問題は図書館に送られた手引書」
「書店はまだ駅前だけかと思うけど、私と松田さんで調査しますか?」
松田は駅前の書店で手引書を持っていた者がいた事を聞き、都内の書店は野上と深野と大塚に任せ、五條市の書店は松田と景子で見て回る事にした。
そして偵察から戻ったMOMOEとフクロウのペンも参加し、図書館の調査は連と文子、順也と久美子、MOMOEとフクロウのペンの三チームで実施する事に決定する。
「ではチームはコレを忘れずに」
テーブルの上にMOMOEと連が考案して作った魔文字の消しゴムとクリップが四セット置かれた。キスのパワーアップで夜明けまで二人で机に向かい、フクロウのペンで描いてリアル化したアイテムだ。
「手引書を見つけたら、このクリップで閉じて、表紙から消しゴムで魔文字をデリートするんだ」
鞄から二冊の手引書を出して、消しゴムで表紙を何度か擦ると緑色の表紙に戻り、魔文字は空中に逃げだして消えてゆく。
「カラークリップと、でっかい普通の消しゴムみたいだけど?」
「いえいえ、魔文字バスターの強力なアイテムです」
連はまだ失敗する時もあったが、フクロウのペンを使えるようになり、マジックボーイの真骨頂を発揮して満面の笑みでテーブルのアイテムを全チームに手渡す。
「レンの笑顔も消せる?」
「たぶん、できるかな」
MOMOEが促すと、文子が試そうとして連が席を立って逃げ、順也と久美子と景子先生も笑っている。
「適正な使い方で頼むよ」
フクロウのペンが宙を舞い、「レンって、信用ないな~」と呟き、景子と生徒たちが同時に笑顔で頷いたので、松田とマスターと由美はゴーストが見えていると気付く。
「みなさん、見えるようになったのですね」
「マジで?凄いレベルアップ」
「これで期待できそうだ」
「うむ?それって、僕への当て付け?」
マスターと由美がテーブル席の方に来て、この辺って感じでゴーストに挨拶し、連が照れているMOMOEを紹介した。
「MOMOEさん。よろしく」
「頼りないけど、お願いしますね」
「いえ、立派でダンディーなグッドボーイだと言ってますよ」
景子たちは連を無視して、松田と昨夜の出来事を話し、「ゴーストの波長に同調して、霊感体質になったみたいで」と景子が説明し、文子と久美子と順也は「声も聴こえます」と言って微笑むと、最後にMOMOEが魔文字バスター・チームを鼓舞した。
『司祭は魔王に適した宿主を見つけた。これ以上、洗脳者が増えると危険です。みんなで手分けして頑張りましょう』
「何の騒ぎですか?」
「SNSの悪戯で集まったみたいで、私たちも迷惑しているんです」
適当な説明であるが、学園長の名声を信じて警察は室内を調べる事なく人々が帰り出すとパトカーに乗って走り去り、湊香奈江(江国)は付近を見回して近所の人が通報したのと険悪な表情でドアを閉めた。
『洗脳されない者もいる。特に十代は難しいわ』
司祭と信者の去ったリビングに戻ると、椅子に拘束した学園長を睨み、老夫婦に手伝わせて田代を豪華なソファに寝かせ、濡れタオルで頭を冷やし、意識が戻ると水を飲ませて労った。
「何が……あった?」
「大丈夫、次は上手くいくわ」
田代は灰色の手に魔文字が刻まれているのを見て、絶大な力を持つ者が自分に触れたと不安になるが、王に成れるのかと興味も湧く。
「辞めなさい。魂を食われるのよ……」
江国のマスクをした湊香奈江が囁き、マスクをずらした本物の江国に頬を叩かれて唇を切って血を流す。それを祖父母が田代の横で呆然と眺め、微かに表情を変えたが……目は虚ろで視界はモノクロームのままだ。
『Bi-hún』に集まった連たちは手引書の回収について相談し、ネット対策については松田がエディバーのシステム部でウイルスソフトを開発していると説明した。
「ゴーストの協力で、ヘブライ語のバグは防御できそうです。完成したら、他のコミュニケーションサイトにも無料て配布します」
「これでネットは安全だ」
「問題は図書館に送られた手引書」
「書店はまだ駅前だけかと思うけど、私と松田さんで調査しますか?」
松田は駅前の書店で手引書を持っていた者がいた事を聞き、都内の書店は野上と深野と大塚に任せ、五條市の書店は松田と景子で見て回る事にした。
そして偵察から戻ったMOMOEとフクロウのペンも参加し、図書館の調査は連と文子、順也と久美子、MOMOEとフクロウのペンの三チームで実施する事に決定する。
「ではチームはコレを忘れずに」
テーブルの上にMOMOEと連が考案して作った魔文字の消しゴムとクリップが四セット置かれた。キスのパワーアップで夜明けまで二人で机に向かい、フクロウのペンで描いてリアル化したアイテムだ。
「手引書を見つけたら、このクリップで閉じて、表紙から消しゴムで魔文字をデリートするんだ」
鞄から二冊の手引書を出して、消しゴムで表紙を何度か擦ると緑色の表紙に戻り、魔文字は空中に逃げだして消えてゆく。
「カラークリップと、でっかい普通の消しゴムみたいだけど?」
「いえいえ、魔文字バスターの強力なアイテムです」
連はまだ失敗する時もあったが、フクロウのペンを使えるようになり、マジックボーイの真骨頂を発揮して満面の笑みでテーブルのアイテムを全チームに手渡す。
「レンの笑顔も消せる?」
「たぶん、できるかな」
MOMOEが促すと、文子が試そうとして連が席を立って逃げ、順也と久美子と景子先生も笑っている。
「適正な使い方で頼むよ」
フクロウのペンが宙を舞い、「レンって、信用ないな~」と呟き、景子と生徒たちが同時に笑顔で頷いたので、松田とマスターと由美はゴーストが見えていると気付く。
「みなさん、見えるようになったのですね」
「マジで?凄いレベルアップ」
「これで期待できそうだ」
「うむ?それって、僕への当て付け?」
マスターと由美がテーブル席の方に来て、この辺って感じでゴーストに挨拶し、連が照れているMOMOEを紹介した。
「MOMOEさん。よろしく」
「頼りないけど、お願いしますね」
「いえ、立派でダンディーなグッドボーイだと言ってますよ」
景子たちは連を無視して、松田と昨夜の出来事を話し、「ゴーストの波長に同調して、霊感体質になったみたいで」と景子が説明し、文子と久美子と順也は「声も聴こえます」と言って微笑むと、最後にMOMOEが魔文字バスター・チームを鼓舞した。
『司祭は魔王に適した宿主を見つけた。これ以上、洗脳者が増えると危険です。みんなで手分けして頑張りましょう』
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