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第一章・イースター(復活祭)
辛辣且つユニークな書き込み
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【女性の敵・ジーケンへ】
「最低男ジーケンくん。まだ生きてる?また復活祭がやってきましたね。私たちのプレゼント、今年も喜んでくれたかな~?」
「とにかくジーケンは飽きっぽい。まったく、一年周期の恋ってなんなのさ?」
「フン、別れるのが趣味なんだよ。カッコつけてるだけ」
「ジーケンって最低だけどさ、カッコいいのは認める。それがまた悔しくて、泣けるぜ」
「ちょっと~。何言ってんのよ。ここでは悪口以外は禁止だよ」
「ごめん」
「君って寂しい人間。いや神か?私には同情しかないね」
「ジーケン。大嫌いだって言って。わたし、まだふっきれないの」
「おいおい。泣いてんのか?」
「とにかくジーケンよ。おまえは女の敵だ。私たちが復讐するまで死ぬんじゃないぞ。そして今年こそ、最後まで愛せる女性を見つけなさい。そしたら全部水に流して、許してやってもいいぞ」
「3年、いや2年でもいいんじゃない?」
「なんだか、今年も励ましてるな~」
「そんなことない。私、石投げてやる」
「ムチだよ。鞭打ちの刑」
賢士は鏡の前で『恋のリベンジ』サイトのコメントを思い返して、キリストのように血だらけになった顔を想像して頭から茨の冠を外し、苦笑いして髪をフワッとナチュラルに整えて黒いジャケットを着る。
そして玄関で革靴を履いていると矢島輝からiPhone に着信があった。小学校からの同級生であり、賢士の数少ない友人である。
「ケンジ。今、どこだ?」
「ドアを開けて、外の世界へ一歩踏み出したとこ」
通路を歩きながらそう話すと、矢島輝は賢士の気が変わって欠席するのではないかと心配して執拗に説得した。
「おまえ、人が集まるの嫌いだろ。でも、今回だけは絶対に出席しろ。逃げるんじゃないぞ」
「アキラ。それ、刑事が犯人に言ってるみたいだぞ」
輝は何故か、賢士にどうしても事故で突然亡くなった同級生の葬儀に出席して欲しいと昨夜から頼んでいた。
「いや、だってユウタはおまえのこと好きだったんだぜ」
「しかし、たぶん男だったよな?過去形で悪いけど」
「馬鹿野郎。そんなこと関係あるか?しかも同級生なのにうろ覚えかい?それにユウタからの手紙があるんだ」
「手紙?わかったって。そう怒るな」
賢士は電話を切って、エレベーターに乗って一階に降りた。高校を卒業すると田園都市線の南町田駅から10分程歩いたマンションの四階に一人で住んでいる。
大学を卒業して2年になるが、定職に就いた事はなく、学生の頃から趣味でやっていたロゴデザイン、小説、作曲の副収入があり、不定期ではあるが一年間の生活費は稼げた。
母は賢士が小学校の頃に離婚し、その慰謝料で横浜で小さなブティックを経営している。しかも母にはいつも若い彼氏がいて、賢士の存在が鬱陶しいのかこのマンションに来たことは一度もない。
母は人間に対して希薄なところがある。賢士もその遺伝子を受け継ぎ、毋といると自己嫌悪に陥った。
『似た者同士、同極の反発か?』
「最低男ジーケンくん。まだ生きてる?また復活祭がやってきましたね。私たちのプレゼント、今年も喜んでくれたかな~?」
「とにかくジーケンは飽きっぽい。まったく、一年周期の恋ってなんなのさ?」
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「ジーケンって最低だけどさ、カッコいいのは認める。それがまた悔しくて、泣けるぜ」
「ちょっと~。何言ってんのよ。ここでは悪口以外は禁止だよ」
「ごめん」
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「おいおい。泣いてんのか?」
「とにかくジーケンよ。おまえは女の敵だ。私たちが復讐するまで死ぬんじゃないぞ。そして今年こそ、最後まで愛せる女性を見つけなさい。そしたら全部水に流して、許してやってもいいぞ」
「3年、いや2年でもいいんじゃない?」
「なんだか、今年も励ましてるな~」
「そんなことない。私、石投げてやる」
「ムチだよ。鞭打ちの刑」
賢士は鏡の前で『恋のリベンジ』サイトのコメントを思い返して、キリストのように血だらけになった顔を想像して頭から茨の冠を外し、苦笑いして髪をフワッとナチュラルに整えて黒いジャケットを着る。
そして玄関で革靴を履いていると矢島輝からiPhone に着信があった。小学校からの同級生であり、賢士の数少ない友人である。
「ケンジ。今、どこだ?」
「ドアを開けて、外の世界へ一歩踏み出したとこ」
通路を歩きながらそう話すと、矢島輝は賢士の気が変わって欠席するのではないかと心配して執拗に説得した。
「おまえ、人が集まるの嫌いだろ。でも、今回だけは絶対に出席しろ。逃げるんじゃないぞ」
「アキラ。それ、刑事が犯人に言ってるみたいだぞ」
輝は何故か、賢士にどうしても事故で突然亡くなった同級生の葬儀に出席して欲しいと昨夜から頼んでいた。
「いや、だってユウタはおまえのこと好きだったんだぜ」
「しかし、たぶん男だったよな?過去形で悪いけど」
「馬鹿野郎。そんなこと関係あるか?しかも同級生なのにうろ覚えかい?それにユウタからの手紙があるんだ」
「手紙?わかったって。そう怒るな」
賢士は電話を切って、エレベーターに乗って一階に降りた。高校を卒業すると田園都市線の南町田駅から10分程歩いたマンションの四階に一人で住んでいる。
大学を卒業して2年になるが、定職に就いた事はなく、学生の頃から趣味でやっていたロゴデザイン、小説、作曲の副収入があり、不定期ではあるが一年間の生活費は稼げた。
母は賢士が小学校の頃に離婚し、その慰謝料で横浜で小さなブティックを経営している。しかも母にはいつも若い彼氏がいて、賢士の存在が鬱陶しいのかこのマンションに来たことは一度もない。
母は人間に対して希薄なところがある。賢士もその遺伝子を受け継ぎ、毋といると自己嫌悪に陥った。
『似た者同士、同極の反発か?』
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